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ギターをこよなく愛するギタリスト・野村義男が、沢山の仲間を呼んでおなかいっぱいの内容でお送りする対談形式のコラム。おかわり27杯目は、通算21枚目のオリジナルアルバム『君だけが憶えている映画』をリリースしたばかり、デビュー33周年記念ライブを控えた筋肉少女帯から大槻ケンヂが登場。

野村:今回のゲストは、筋肉少女帯の大槻ケンヂさんにお越し頂きました。お久しぶりですね、宜しくお願いします!

大槻:宜しくお願いします! 急に思い出したんですけど、最後にお会いしたのは東日本大震災の数週間後に僕の取材があって、そこに来てくださったんですよね。お久しぶりでございます。

野村:そうだ、行った!

大槻:なんか東京がやばいみたいに言われてる中、凄い嫌な強い風が吹いてる日に対談させて頂いた以来です。

野村:したした、すごい前ですよ!

大槻:うん、すごい前(笑)。

野村:その前がRIDER CHIPS?

大槻:そうですね! RIDER CHIPSで「鞄」って曲を歌わせてもらって。

野村:そうです、そうです!もう名曲でございました。

大槻:ありがとうございます! ソロでもたまに歌うことがあります。

野村:え、嘘!マジで嬉しいな~。でも、その前も知ってますよ。MANDALAで一緒にライブやってるんですよ。

大槻:MANDALA!青山の?

野村:そうそう。それで、その前がMINT CLUB。神保さんと櫻井さんの番組にゲストで来ていただいたんです、僕あの番組のハウスバンドだったんで。

大槻:あ~、その流れで京都のラグでもやりましたね。割とおとなしい感じのファンの人が多い会場だったんだけど、僕のファンの人が激しい曲でワーッとなだれ込んできちゃって。前の方にいた櫻井さんのファンが、すごく嫌な顔してたのを印象的に覚えてますね。

野村:だって、そういうノリを知らないから(笑)

大槻:そうなんですよ。それなのにスターリンの曲とかやっちゃったからグチャグチャ・

野村:そうか、MINT CLUBでやった曲たちをやってたんだね。

大槻:そう言えば、Ten pack(Sho-ta with Tenpack riverside rock'n roll band)で「踊るダメ人間」やりましたね!長谷川さんが歌ったっていう。

野村:カバーさせていただきました! レコーディングではだけど、ライブでは長谷川さんボーカルとって、みんなでダメ人間ジャンプしてます(笑)。

大槻:あのジャンプはなかなか疲れます。

野村:X JAPANより先だったとか。

大槻:X JAPANが先ですよ。大昔ですけどhideくんがライブを観に来てくれて、これは面白いねっ言ってくれたのを覚えてるから(笑)。

野村:素晴らしいっすね。

大槻ケンヂ

大槻ケンヂ

大槻:それで、震災の時の取材では40半ばでギターを始めたんで、ギターの話を伺ったんですよ。今も下手クソな弾き語りをやってるんですけど、アルペジオとかやると人差し指の爪がどんどん割れたり剥がれてくるじゃないですか。

野村:もう爪ないんだよね、勝手に短くなっちゃう。ピック持ってるけど、ピックって弦に当たる前に爪に当たるから先に爪が減ってくんですよ。

大槻:爪をどうするかって、なんか糊つける人いますよね?

野村:あー、いますね。あのアロンアルファとかもあるし、釣り用のやつとか。

大槻:釣り名人!

野村:そうそう、それ知ってるの素晴らしい!(笑) じゃあ結構触ってますか?

大槻:いや、たまに弾き語りでライブやったりとかしてるくらい。40代半ばで初めて知ったのは、楽器は重いんだなってこと。あれを2時間持ってるメンバーは凄かったんだなって。アコギでもドレットノートとか重いじゃないですか、だからギブソンのB-25とか小ぶりなものを選ぶんだけど、俺結構タッパがあるので異様にギターが小さく見えて変なんだけど、そういうのでしか弾けないから。

野村:でも、でっかいほうがローも出るし、鳴りっていうか奥行感があるから。

大槻:それって弾いてるとすごく感じるじゃないですか、でも一般のお客さんは気づいてくれてるのかって凄い気になって(笑)。

野村:マイクでとってるのかラインでとってるのかっていうのもあるかもしれないけど、共通して言えるのは絶対にボディが深くて、大きい方が低音が来てるから、気づいてると思いますよ。でも僕も5、6年前に右肩脱臼してそのまま治ってないんで大きいの弾けないんですけど(笑)。

大槻:あ、そうなんですか? やっぱり年を重ねるとそうなってきますよね。

野村:コロナ禍の期間中は何をやってました?

大槻:最初はYouTubeやってみようとか、色々SNSに挑戦して。結局noteっていうのと、InstagramとTwitterだけになったかな。YouTubeとか編集が大変でやめました、ネタもないし(笑)。 あとは、無観客配信イベントやライブは結構やりましたね。で、そのあとにキャパ半分でお客さんはマスクして声出せないっていうライブかな。まぁ、今もそういう感じなんですけども。

野村:はいはい、そうなりますよね。

大槻:まぁやりにくい。イエ~!って言っても返ってこない、冗談言っても誰も笑わないから。すべり続けることでボーカルというか、MCをする人間はホント鍛えられました。

野村:今は慣れましたか?

大槻:お客さんは観に来ただけでも満足してるっていうのも、目力でちょっと分かるようになって。だからあまり気にせず、一人でくだらないこと言ってシーンとしても気にしないようになりました。

野村:強くなりましたね(笑)。個人的には何かこんなこと増えましたとか、やりましたとかありました?

大槻:個人的には映画館に行くようになりましたね。なんか、緊急事態宣言が明けてから行けるところがそれぐらいで。今のところは1席空けだし換気も良いしで、映画館ばっかり行ってたなぁ。もう新しい映画館から古い映画館まで、自分が観ないだろうなっていう映画も観に行ったりとか。

野村:へ~。それは今回のアルバムにつながっていくんですかね?僕もう既にタイトルから気持ちを持っていかれたから。

大槻:「君だけが憶えている映画」って色々な意味合いがあるんですけど。このコロナ禍のちょっとボンヤリした感じっていうのかな、外に出ても人がいなかったりとか、お店がやってなかったりとか。その不思議な感じが、子供の頃にちょっと学校サボったり、深夜とかにテレビつけるとやってた、なんだかわからない外国の映画とかをボンヤリ観て思った、これなんだったんだろうとか、夢だったのか現実だったのかな?みたいに思う感覚に似てるなって思って。

野村:うんうん。

大槻:なんかそういうようなタイトルにしようかと思って。

野村:聞いててホント素晴らしいコンセプトアルバムだなって思って。「COVID-19」なんてタイトル付けたり、誰もやらないでしょ。

大槻:ありがとうございます。今回がっつりコロナ禍に作ったので、曲については分からないけど、ロックとか特に歌詞はどうしても自分の心情とかを歌うことが多いじゃないですか。そうするとどうしてもコロナ禍ってものがぶつかってくるんですよね。

野村:まあそうですよね。

大槻:だから、もう避けられようがないならいっそ「COVID-19」って曲を作っちゃえと思って。世界が分断されてるので、そのままそれを書きました。

野村:これ自体すごい壮大な曲ですもんね。聴く前にふざけてるのかなって思ったら、全然そういうこともなく素晴らしい作品で。アルバム通して凄く面白かったです!

大槻:ありがとうございます。

野村義男

野村義男

野村:もう「坊やの七人」なんて、ちょっと最後のほうキュンとなっちゃうじゃないですか!歌詞を見ないで聴いてたんで、どこまで自分が解釈できるのかなーとかって思ってたんですけど、めちゃくちゃ良かったです。

大槻:やっぱり聴いてきたのが70年代ぐらいのロックだったので、どうしてもコンセプチュアルになっちゃうというか。

野村:あ、大江戸!(鉄砲100人隊隠密戦記) これ大好きです!

大槻:これ昔ホントにいたらしいですよ、スタジオのON AIR大久保の辺りに。実際1回も出撃することなく終わっちゃったんだけど、実は1回出撃してたってちょっとした嘘というか。

野村:でも、いいです!僕タイトルも凄い好きだし。 インストでしたけど、意外と「ロシアのサーカス団イカサママジシャン」も良いですね~。

大槻:それ、どうしようと思ってたんですけどね。いっぱいデモテープが出来上がって、これどういう風にしようとか、今回は結構悩む曲が多かったですね。

野村:でも「坊やの七人」とかっていうのは曲録ってる段階でもう詞はあったんでしょ?

大槻:最初はもっと荒野の七人っぽい曲だったので、これ荒野の七人やりたいんだなぁって思って、じゃあ荒野の七人みたいなタイトルにしようと思ってたら、「坊やの七人」ってダジャレが思い浮かんで(笑)。

野村:でも曲の途中で、荒野の七人が出てきちゃった的な感じのアピールとかしてるから、詞もできてたのかなとかって思って。

大槻:いや、僕の場合はだいたい曲先が多いんですよ。

野村:だから良くできてるなぁと思って。

大槻:いやぁ、特撮とかオケミスとかもあって、さらに人の曲を書いたりもしてたので、コロナ禍はとにかく詞をいっぱい書いてましたね。

野村:今は本とか書いてないんですか?

大槻:本は去年でお休み中です。コロナ禍になって小説書く話をいただいたんですけど、書けなかったんです。

野村:やっぱり書けるときと書けないときってのがあるんだ?

大槻:あります!曲も出来る時、出来ない時ってあるじゃないですか?それと一緒ですね。

野村:気持ちがそこに行ってなかった感じ?

大槻:いや、まとまらなかったっていうか。書きたいものがあり過ぎて一つに出来なかったのかな。

野村:ショートでいっぱい作っちゃうっていうのは?

大槻:僕にとってはそれが曲なんですよ!だから曲でやっちゃうから小説にする意味合いが難しいっていう。どうなってるか分からないけど、来年は書こうかなぁ。

大槻ケンヂ

大槻ケンヂ

野村:ホントに素晴らしいアルバムなんですが、ジャケット見たの実は今日が初めてなんですけれども、これやらしいですね!

大槻:この写真ね、僕が撮ったんですよ!

野村:え、どういうこと?

大槻:どなたかにジャケットを頼もうみたいな話をしてる中で、コロナ禍の頃に近所で散歩してて、どうでもいい写真を撮ってたと。その中の1枚がこれで、どうですかねぇって送ったら、スタッフがこれ良いですねって話になって、それをデザインしてもらってジャケットになったんです。

野村:いや、これ良いですよ!凄い!

大槻:嬉しくて。自分の写真がジャケになるってね、ミュージシャン冥利に尽きますよ。

野村:これ自分の足元の影を撮ってる?まさかのケータイとかそういう感じですか?

大槻:スマホで!この伸びてる影が、ちょっとピンクフロイドのアルバムっぽいかなみたいな事を思いながら撮ってます。

野村:なんか昭和の水曜ロードショーとか、ヒッチコック的な雰囲気あって凄く惹かれます。

大槻:やっぱりデザイナーさんが、字とか載せて色味もちょっと変えてくれたら、それだけで全然。大したもんだなぁって思っちゃった。

野村:でも素材がよくないと、こういうこと思いつかないでしょ。

大槻:いや~勉強ですよ。でね、今回「楽しいことしかない」っていう曲でMVを作ったんですけど、Lyric Vって言って最近の歌ってみたとか、若い人のYouTubeとか観るとほとんど本人出てこなくて、絵と歌詞しかないじゃないですか。

野村:はいはい。

大槻:絵師さんっていうんですか、なんかそれが1億回再生とかされてて。あ、これでいいのか!と思って。俺ら朝5時に起きて変な廃墟とか行ってたから、あれいらなかったんだって思って。

野村:あはは、それはそれで必要だったから!(笑)

大槻:で、今回そういうのにしてもらったんですよ。そしたらね、その界隈では若い人たちに有名な絵師さんが描いてくれたのもあって、早くも前にあげたやつの何倍も再生回数上がってて。

野村:反応が違うんですね、そういうところに乗らってかなきゃダメなのかな。

大槻:なんかね、もう音楽の広まり方が全然違うみたいですね。だって昨日レッドツェッペリンがTik Tokを解禁したってのを記事で観て、意味が分からない(笑)。

野村:ジミー・ペイジがOK出したってことだよね(笑)。

大槻:Tik Tokで数秒だけ。

野村:リール見てるとTik Tokも入ってくるんですけど、CCRだったり、ビージーズなんか凄いっすよ!初期ビージーズから全部、60年代のビージーズからだからみんな子供なの。

大槻:それTik Tokで観れるの?

野村:そうそう。ソロだったり、サタデーナイトフィーバーなんかもですけど。子供の頃の3人がテレビ番組出てて、ハーモニーがすっごい上手で。

大槻:あ、ちょっとやってみます。筋少もTik Tok。

野村義男

野村義男

野村:すごい楽しそうで、良いじゃないですか。そんな筋肉少女帯ですが、またライブがあるっという事で。

大槻:11月28日に東京LINE CUBE SHIBUYA、渋公ですね。日曜日にベストセトリ筋少デビュー33周年記念ライブSPというのがありまして。

野村:素晴らしい!

大槻:もちろん『君だけが憶えている映画』からもやりますけども、オールタイムベストというか。やだ、30周年経っちゃった!みたいなものをね。

野村:いやいや、僕の前で言わないでください(笑)。

大槻:何年目ですか?

野村:デビューして42年目です。

大槻:ほっほっほ(笑)、素晴らしいです!

野村:じゃあ是非ライブに来る方は、楽しんでいる事がメンバーの皆さんに分かるように目力でアピールしてもらって。

大槻:あ、そうですね。目力で!(笑)

野村:眉毛太くしたりとか、なるべく動いてるのが見えるような方法を考えてもらって!(笑)

大槻:90年代!

野村: 33周年の記念ライブもありますし、安心安全で今年の筋少のライブを楽しんでいただきたい思います。

大槻:そうですね、是非よろしくお願いいたします!

野村:ということでございまして、本日は大槻ケンヂさんに来ていただきました。ありがとうございました!

大槻:ありがとうございました!

撮影=大橋 祐希

野村義男

野村義男

筋肉少女帯「楽しいことしかない」