関西小劇場界を中心に活躍し、NHKの朝の連続テレビ小説『おちょやん』などの映像作品にも出演している俳優・丹下真寿美。涼やかな美貌と、変化自在な演技力を武器に、数々の舞台に出演する彼女が、自らのやりたい芝居を通して、自分の存在を幅広くアピールする場所として結成したのが「T-works」だ。今回上演する『三文姉妹』では、ユニットとしては初めて、東京・愛知・大阪・福岡の四都市でのツアー公演を実施する。
(上から)原田樹里、丹下真寿美、是常祐美。
これまで後藤ひろひと、村角太洋(THE ROB CARLTON)、古川健(劇団チョコレートケーキ)&高橋正徳(文学座)と、様々な作・演出家とタッグを組んできた丹下。今回は「お~い! 久馬」の名前でも知られる「ザ・プラン9」の久馬歩の脚本+ケラリーノ・サンドロヴィッチ作品などの宣伝美術のデザイナーの顔を持つ、チャーハン・ラモーンの演出を実現した。
文字通り、3人の姉妹の会話劇となる本作。年に一度集合して、近況を語り合う姉妹たちだが、その年は妹の結婚が決まったことで、いつもとは違う雰囲気の再会になる……という物語になるそう。丹下以外には、近年関西小劇場界の客演女王となりつつある「シバイシマイ」の是常祐美と、関西出身で「空晴(からっぱれ)」などの関西の劇団にも客演している「演劇集団キャラメルボックス」の原田樹里が、T-works初登場を果たす。
(左から)脚本の久馬歩、演出のチャーハン・ラモーン。
丹下からは、以下のようなコメントが届いた。
いつもとは少し違う形で動き出してみたら、4都市を回るという夢のような企画になりました。女3人だけのお話。あちこちに会話が飛び交う。日常的なやり取りの中に、ほんの少しの違和感を足して。日々、着々と愛情たっぷりに立ち上がっていく『三文姉妹』です。
おもろいもんを引っ提げて“会いに行きます”。たくさんの方々と、東京で、愛知で、大阪で、福岡でお会いできることを楽しみにしております。
シュールな笑いを得意としつつも、誠実な人間ドラマも描き出す久馬の劇世界と、デザイナーらしく、俳優の立ち位置や動きを繊細に考え抜いたチャーハンの演出の相性にも注目の公演。これまでは大阪・東京二都市だけだったのが、他のエリアの人たちもグッと会いに行きやすくなった、今回のT-works。特に東海・九州エリアの人たちは、ぜひこの機会を逃さずにいてほしい。