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2023年5月13日(土)~5月21日(日)KAAT 神奈川芸術劇場 <中スタジオ>にて、KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『虹む街の果て』が上演される。

KAAT神奈川芸術劇場は、2021年度より長塚圭史芸術監督のもと、劇場にリズムを持たせ、街に、そして街の皆さんに、その存在を知ってもらうことを目標に、シーズン制を導入。4月から8月までをプレシーズンとし、より“ひらかれた”劇場となるべく、劇場1階のアトリウムを使った作品の上演や展示、キッズ・プログラムの上演等、舞台に触れることの少ない方々にも劇場の存在を知ってもらい、また観客となる体験を提供することを目的としたプログラムを上演している。

2023年度のプレシーズンは、庭劇団ペニノの主宰で、劇作家・演出家のタニノクロウ作・演出『虹む街の果て』で開幕する。本作は、2021年6月に上演した『虹む街』のリクリエーション。21年の上演時は、横浜の野毛をモデルにした飲食店街の一角を舞台に、実力派俳優たちと神奈川県民を中心とした多様な国籍の方々が街の住人を演じ、コロナ禍という状況を逆手にとり、ほとんど台詞を発しない寡黙劇に仕立た。

今回の再演では、『虹む街』の未来を描く。土着的な民族音楽から歌モノポップスまで、ジャンルを問わず幅広い活動を続けているパーカッショニスト渡辺庸介、近年、舞台作品を中心に活動する赤星満が参加し、初演の寡黙劇とは対照的に、音や音楽で溢れる世界を創造する。出演者には、初演に出演したシニア劇団劇団員や中華街の飲食店オーナーといった神奈川県民の方々を中心に、新たな県民参加者を公募により選出する。渡辺・赤星以外の出演者は、神奈川県在住の一般の方々。タニノと、タニノがいつも作品創りをともに行っている演劇界のトップクリエーターたち、そして KAATのスタッフとともに、県民参加劇を創りあげる。

また、この街の中に様々な人が出入りした形跡を残したい、というタニノの想いから、今回は稽古場公開を予定。21年は、稽古場の窓から稽古場の様子を覗ける「稽古場見学」を実施したが、今回は、窓から覗くのではなく、稽古場の中に入って、実際の舞台セットを間近で見ることができる。稽古場にあるのは本番で実際に使用する舞台セットで、その舞台セットの壁や床に色を付けたり、ステンシルアートをしたり、街が果てていく経過を一緒に作っていく企画も実施される予定だ。

作・演出 タニノクロウ コメント 

タニノクロウ

タニノクロウ

2021年に上演した『虹む街』のリメイク作品を『虹む街の果て』というタイトルで発表します。
前回から10年、20年、100年と時間が経ったら街にどんな風景や時間が流れているのかを想像して作り直します。コインランドリーや、スナック、パブ、飯屋、タバコ屋などの100年後、それらの果て、生活の果て、人間の果てを描き、破壊的なリメイクを目論んでいます。
今回も神奈川県民を中心とした方々と作品を作りたいと思っています。前回は、様々な国の方たちが参加してくださり、日本じゃないような賑やかな稽古場でした。また同じように楽しく一緒に創作して、なんだかよくわからない場所に辿り着けたら最高にいいなと思ってます。