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夏休み!オン・ステージ「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」(脚本:渡辺雄介、演出:小林顕作)が、2023年8月17日(木)~8月27日(日)、品川プリンスホテル クラブeXで上演される。このうち、8月26日(土)12:00の回は、<イープラススペシャルデー>と題した【独自席種・独自価格】の貸切公演となる。また、8月17日(木)17:00初日公演は、Streaming+でライブ配信が実施される。

この舞台の原作は、廣嶋玲子・作、jyajya・絵の児童書シリーズ「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」。2013年に刊行されて以来、2023年4月時点でシリーズ累計発行数は420万部、世界各国でも翻訳され、多くのファンに愛されている。NHK Eテレや各種プラットフォームでアニメも放送されている人気作だ。夏休み!オン・ステージと銘打った今回の舞台は、ネルケプランニングが次世代の演劇界を盛り上げるために発足した「WELCOME KIDS PROJECT」の作品でもあり、終演後には子ども達向けのスペシャルカーテンコールもおこなわれる。今回は、開幕の迫るタイミングで、“ぜにてんプレイヤーズ”の一人、坪倉康晴に話をきいた。

 

――まずは本作への意気込みから教えてください。

出演が決まった時からすごく楽しみでした。子どもキャストも多いカンパニーなので、どんな稽古をしてどういうふうに作品ができていくのだろうという不安もありましたが、いざ稽古場に入ってみると、みんなすごく仲が良くて素敵で。この雰囲気が「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」という作品に合っているんじゃないかなと思いました。子ども達の元気やワクワクを皆様に届けられたら、という思いが強いです

――8月26日(土)12:00の回は、1列目確定のプラチナ席の販売、抽選でサイン入りパンフレットのプレゼントなどがある<イープラススペシャルデー>です。ユーザーに向けたメッセージをお願いできますか。

ぜひみんなのサイン入りパンフレットをGETしていただきたいなと思います。また、最前列は特にキャストとの距離も近くて細かな表情なども見てもらえると思います。現時点の演出では僕らが客席に向かって語りかけるシーンもあるので、僕らに話しかけられるかも(笑)。ただ、最前列以外の席でも、劇場中の通路を舞台として使っていくので、臨場感があると思います

「e+スペシャルデー」をアピールしてくれました!

「e+スペシャルデー」をアピールしてくれました!

――坪倉さんは稽古に合流してまだ数日とうかがっていますが、手応えはいかがでしょう。

他のみんなよりちょっと遅れているので、急がなきゃなっていう焦りはあります。ただ、(演出の小林)顕作さんが自由にやらせてくれるので、「ここはこうして、こういうことを伝えたい」と考えるより、ちょっと外れたことができるんです。いつもとは違う楽しみ方で、作品と向き合っているところです

――坪倉さんの演じる役について教えてください。

僕がメインで演じるのは「おもてナシ」のタクシー運転手です。楽してお金を稼げたらラッキーという、めんどくさがり屋で欲深いキャラクター。「おもてナシ」を食べて誰にでもおもてなしできるようになるので、食べる前と後の二面性を楽しんでほしいですし、僕自身もその役作りを楽しみたいです。このお話では作中唯一のラップ曲があるので、それも楽しみにしていてください。それと、「おっかさん仮面」では仮面を被って“おっかさんビーム”を出したりします。真面目なお芝居とコミカルな部分、どちらもたくさんあるので、老若男女問わず楽しんでいただけると思います

――共演者の皆さんの印象はどうでしょう。

みんな仲良しです。あと多分、“ぜにてんキッズ”の子ども達のパワーに引き込まれているからなのですが、大人メンバーもみんな気持ちが若いです。子ども達がわちゃわちゃしていると大人メンバーも自然に集まっていって一緒に盛り上がったり。笑顔の絶えないカンパニーです

――演出の小林顕作さんが手がけた作品を観たことがあったら印象を教えていただけますか。

以前観た顕作さん演出の舞台も、自由度が高くてキャストさんが遊べるところは遊んでいて、ちゃんと芝居するところは真面目にっていう緩急がついていて、この作品に近い雰囲気を感じました。顕作さんが演出を手掛ける作品はいろんな面での楽しみ方があると感じます

――本作にはたくさんの劇中ナンバーが登場するということですが、楽曲の魅力はどんなところに感じますか?

僕がメインになるストーリーではラップがありますし、ミステリアスな曲もあって、本当にいろんな曲調があるんです。どの曲も、皆さんも一緒に楽しんでもらえる楽曲になっています

――ちなみに、アニメ版のオープニング曲「奇想天外ふしぎをどうぞ」とエンディング曲「はにゃ○満点、銭天堂。」も歌われるようですね。舞台に向けてちょっと予習をしたいと思ったら番組をチェックしておくといい感じでしょうか。

気になる方はもちろん曲を聴いたりアニメを観ていただけたら! ただ、舞台で初めて作品に触れるという方も、オープニングの曲で一気に世界観に引き込まれると思います。ですから予習なしに、まっさらな状態で舞台に触れたいという方でも全然大丈夫。(予習あり・なし)どちらから入っても面白いと思います。もちろん原作やアニメには魅力的なエピソードがたくさん詰まっていますが、僕らは舞台ならではの面白さを追求していきたいと思っています!

――原作や今回の舞台に登場する駄菓子・お話の中でお気に入りがあったら教えてください。

舞台にも登場する「ミュージックスナック」というお話が好きですね。それを食べると、ピアノを弾く指が音符どおり勝手に動いてくれるようになるのですが、あとでしっぺ返しを食らうという……。僕自身、この業界に入って、努力ってすごく大事だと改めて思うようになって。努力せずに楽な方を選んでいたらいつか痛い目を見るっていうのは現実的だと思います。だから「ミュージックスナック」も、「たしかにな」と思えます。とは言いつつ、歌が上手くなる駄菓子があったら欲しいなとも思っています(笑)。

――ビジュアルでは銭天堂で働く金色の招き猫さんの格好をしています。撮影時の感想を教えてください。

実は、撮影の時点では直前まで何を撮るのか、またどんな衣裳を着るのか、ヘアーは地毛なのかウィッグなのか、明かされていなかったんです。それぞれのメインの役、僕ならタクシー運転手の衣裳を着るのかなと思っていたので、招き猫で金ピカの豪華な衣裳は意外でした。でも、“ぜにてんプレイヤーズ”にはぴったりなビジュアルだと思いますね

キービジュアル(左)と坪倉康晴さんのキャラクタービジュアル(右) Ⓒ廣嶋玲子・jyajya/偕成社/銭天堂製作委員会 Ⓒ舞台「銭天堂」製作委員会

キービジュアル(左)と坪倉康晴さんのキャラクタービジュアル(右) Ⓒ廣嶋玲子・jyajya/偕成社/銭天堂製作委員会 Ⓒ舞台「銭天堂」製作委員会

――坪倉さんは、WELCOME KIDS PROJECTへの出演が今回で3回目になります。このプロジェクトの魅力をお聞かせください。

お客様が、子どもから大人まで幅広くて、普段の舞台とは違った雰囲気がありますね。2.5次元ミュージカルをよく観に来てくださるお客様も、雰囲気の違いを感じると思いますが、客席や劇場の空気もぜひ楽しんでほしいですね

――ちなみに、坪倉さんご自身は子どもの頃、WELCOME KIDS PROJECTのようなイベントで演劇に触れたことはありますか?

実はこの業界に入るまで演劇を観たことがほとんどなかったんです。なので演劇に関する思い出は、小学校の学芸会で自分が演じた桃太郎ですね。「ぱくぱく、もぐもぐ、ぎゅうぎゅうぎゅう」っていうセリフがあって

――よく覚えていますね。

それだけがすごく印象深くて今でも覚えています。何かを食べてお腹に入っていくよーっていうシーン。そこだけ練習していました(笑)。

――最後に、お客様へのメッセージをお願いします。

今回の夏休み!オン・ステージ「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」は、オムニバス形式でいろんな話が展開し、最終的に一つの物語になっていくのが、この作品ならではの素敵さです。また、ユーモアあふれる楽曲がたくさんあるのも魅力で、そちらもお楽しみいただければと思います。さらに、センターの円形舞台を中心に、客席がステージを取り囲んでいて、いろんな角度から楽しめると思います。舞台上からは最前列以外の客席もよく見えますので、僕らとお客様で笑顔の絶えないステージを作りたいですね。ぜひお楽しみいただければと思います

取材・文=吉田沙奈  写真撮影=池上夢貢