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2024年2月~3月、シアタートラム(兵庫・愛知にてツアー公演あり)にて上演される『う蝕』のメインビジュアルならびに公演詳細が発表となった。

立場や事情の異なる人々の葛藤を対話中心に描き出す作劇に定評のある横山拓也と、公共劇場から商業演劇まで幅広く活動し今最も勢いのある劇作家・演出家のうちの一人である瀬戸山美咲の強力タッグでおくる『う蝕』。フランツ・カフカ、サミュエル・ベケット、別役実の作品をモチーフの参考として濃密な会話劇を練り上げ、坂東龍汰、近藤公園、綱啓永、正名僕蔵、新納慎也、相島一之 という実力派の俳優6名が、被災した島で遺体の身元確認のため集められた歯科医師たちをめぐる不条理劇を創出する。

撮影:阪野貴也

撮影:阪野貴也

あらすじ

土砂に埋もれた島に集められた歯科医師たち
歪んだ会話、不確かな時空の中で彼らの現在地がぼやけていく

「う蝕(しょく)」とは虫歯のこと。
沈丁花が見事に咲き誇るコノ島を襲った天変地異。たくさんの人が地中に埋もれてしまった。歯科治療のカルテを使って遺体の照合をするために、本土から集められた歯科医師と役人。今すぐにでも動き出したいのに、土砂を掘り起こす土木作業員が待てど暮らせどやってこない。荒廃したこの地で、それぞれが言い知れぬ恐怖と不安を抱える中、一人の男が発言する。「この中に、ここにいるべきではない人間が混ざっている