話題の新曲を最速で知れる、Spotifyの人気プレイリスト『New Music Wednesday』を、ナビゲーターの竹内琢也が深掘りするプログラム『New Music Wednesday [Podcast Edition]』。『NMW』リストイン楽曲の深堀り、今週の気になる音楽ニュース、go!go!vanillasへのインタビューという3部構成でお届け! このSPICEでは同番組で紹介されている、プレイリストだけでは知ることのできないエピソードやSpotifyのエディター(プレイリストを構成している人たち)のこだわり、インタビューの模様をピックアップして掲載。
今週は、Yo-Seaが新曲をリリースしてカバーに! PEOPLE 1の新曲「DALMATIAN」、フジタ カコのニューEP『ねてもさめても』もピックアップ。さらにgo!go!vanillas 牧 達弥(Gt.Vo)へのインタビューを一部お届け。アーティストのライブやフェス情報も掲載しているので要チェック。 番組への感想やリクエストはSpotifyアプリのコメント機能から投稿を。
Yo-Sea「Wonderland」
Yo-Seaの新曲「Wonderland」がリリースになりました。昨年はアルバム『Sea of Love』をリリースし、収録曲「Moonlight」はSpotifyで1,000万回近く再生されているYo-Sea。(藤井 風のインスタライブでカバーされたのも懐かしい出来事)今年は勢いそのままにビルボードライブツアー、『POP YOURS 2024』や『KOBE MELLOW CRUISE 2024』、『Summer Sonic 2024』東京会場で行われたSpotifyとのコラボステージ「Spotify RADAR: Early Noise Stage」に出演するなど、各地でライブを行いました。(年末に発表されたSpotifyまとめでは、プレイリスト『Soul Music Japan』で年間で聴かれた楽曲をまとめた『Best Of Soul Music Japan 2024』で2番目にリストイン。リリースの度にHip-Hop、R&B、Soul系とジャンルを横断したプレイリストにフィーチャーされてリスナーを拡大するため、プレイリストカルチャーととても相性のいいアーティストです。またHip-hopシーンで活躍するアーティストの多くは、リスナーの男性率が高いのですが、Yo-Seaは女性リスナー率も高め。あと若い世代が多いですね)
アメリカ発のコンテンツで日本では今年からNHKにて放送が開始され、藤井 風が出演した初回の『tiny desk concerts JAPAN』へ参加した事でも大きな注目を集めています。今年は9月に『Sea of Love』以来1年ぶりとなる新曲「かけ足族」をリリースしており、今作はそれに続く新曲となります。『New Music Wednesday』のカバーを飾っています。
PEOPLE 1「DALMATIAN」
PEOPLE 1の新曲「DALMATIAN」がリリースになりました。恒例となりつつあるクリスマスサプライズ解禁シリーズです。(2020年には「113号室」のリリース、2021年には1stアルバム『PEOPLE』収録曲の「僕の心」のMVを公開、昨年は「ハートブレイク・ダンスミュージック」をリリースするなどクリスマス恒例となってきました。年末に発表されたSpotifyまとめでは、プレイリスト『J-Rock ON!!』で年間で聴かれた楽曲をまとめた『Best of J-Rock ON!! 2024』に昨年の「ハートブレイク・ダンスミュージック」がランクイン。1つ前のリリース「メリバ」は、ここ1ヶ月国内で聴かれたPEOPLE 1楽曲のトップ。初期のリリース含め、過去楽曲が根強い人気を誇るPEOPLE 1としては新たな傾向です)
今作は「生活」をテーマに書かれているダンスポップチューン。Spotifyでは日本のロックシーンの話題曲を集めたプレイリスト『J-Rock On!!』のカバーを飾っています。
フジタ カコ「またどこかで」
フジタ カコのニューEP「ねてもさめても」がリリースになりました。フジ タカコは東京都出身のシンガーソングライター。今年2月に1stアルバム『HEROINE』をリリースしています。Spotifyではプレイリスト『RADAR: Early Noise』のカバーも飾っています。
(昨年、7ヶ月連続で楽曲をリリースし、番組でも注目のニューカマーとしてピックアップしました。先行シングルも発表されていて、EPリリースに向けてリスナーが上昇傾向。ここ1ヶ月は、彼女の楽曲を始めて聴いた層の割合がかなり高めです。どんどん注目度があがってますね…! 個人的には先行でリリースされた「音楽なんか聴かなくていいように」が最高に好きです。ずっと最近聴いてます。歌詞が強くて、すごく刺さるし、それをより刺さらせる表現力)
ここまで文=竹内琢也、Y.SHOGO
『New Music Wednesday [Podcast Edition]』
go!go!vanillas 牧 達弥(Vo.Gt)スペシャルインタビュー
ーーアルバムはタイトルトラックの1曲目「Lab.」から始まるんですけど、インスト曲で楽器の音もそうだし、いろんな音が散りばめられていますね。
最初に始まるのがSFチックというか。地球を宇宙から見ていて、そこからどんどん地球に戻っていく……という、聴いている人が宇宙船に搭乗するような擬似体験に。冒頭にカウントダウンが入っていて、すごいマンダムな男性と大人の女性が一緒にカウントするんですけど、その後に出てくるカウントダウンは子供の声なんですよね。これはまさに、僕らも大人になっていろいろ知ることで制限されたり、自分の可能性と限界を知るみたいな。そこを逆に、あえて子供返りすることをテーマにして、文明や文化が発達して宇宙に行こうとしているけど、実際は裸足で鬼ごっこしていた子供の頃の独創性ってすごかったと思うんです。だから、今回のアルバムを作る上で「Laboratory(研究室・実験室)」という名前のところからとったんですけど、実際に自分が家の中で考えている時って、子供の頃の絵空事に近いというか。何かと何かを掛け合わせる時にためらいがないというか、好奇心みないなもので作っていたんですね。実際に、今、俺がバンドでライブをしたり、特にフィジカルで伝えたいことっていうのはここなんじゃないかなって。子供返りじゃないけど、あんまり難しく考えなくていいんじゃない?って。これだけ情報も多くて、間違ったらダメだっていうようになってる中で、偉大なロックスターも研究者もそうだと思うんですけど、失敗から大きな成功に繋がる部分をインストゥルメンタルで言葉じゃなくて音で情景を感じて欲しかったんですよね。
ーーなるほど。
最初はスペーシーな部分もあったり、歪んだギターとかディストーションな感じを入れているんですけど、後半に続いていくとアナログな楽器しか鳴らなくなってるんですよね。全て人が実際にその場で奏でている、生活音だったり乾杯するチーンって音だったり。
ーー確かに。泡みたいな音はなんですか?
あれは海ですね。スペース湿布が地球に戻ってきて、海にバーンって。『インターステラー』みたいな感じで、漂着してビーチとか楽園のような島でみんなでお酒を飲んだりご飯を食べたり会話をしたりする感じを、ちょっとラグタイムっぽいジャンルのリズムで作って。あと今回はイギリスというのもすごくテーマだったんです。なので、蒸気機関車の音で終わるんです。あれは産業革命をイメージしていて。人々は産業革命以降、音楽も含めて僕らもエレキギターを鳴らせているじゃないですか。その進化というか、いい方向に自分たちの生活の豊かさを得た時代で終わる、というか。ここから作り出すのは俺たちだ!というイメージで作りました。
ーーそこからアルバムに突入していくわけですね。子供のような自由な感じをメッセージとして取り入れようと思ったキッカケとか体験ってあるんですか?
それは結構ずっとですね。たとえば『週間少年ジャンプ』が好きで、僕らは平成元年の世代なんですけど、漫画から得る影響ってめっちゃ大きくて。小学生の頃に『ワンピース』があったり。赤ちゃんから思春期になる境目に、黄金期の漫画がたくさんあったんです。まさに、2曲目「HIBITANTAN」の歌詞のフレーズにも出てくるんですけど、「友情、努力、勝利」も『ジャンプ』のテーマは、大人になってもバンドをやってる上でも大事なことだし、僕の中で支柱にあって。なので、子供に帰ることって年をとるほど恥ずかしかったり幼稚に思えてなかなかできなくなっちゃうと思うんですけど、もっと大きいところでいうと、これこそがラブ&ピースじゃないですけど、そこに繋がってるじゃないかなという希望も込めて。
ーーもともとあった感情だったんですね。
バンドをやってる始まりからそこを共有したいなというのはあって。実際にライブでもお客さんと共有してこれたからこそ、新曲を楽しみにしてくれたりライブを思いっきり楽しんでくれているところに繋がっているのかなと思いますね。
ーー1曲目のインスト曲から、2曲目「HIBITANTAN」はリアルなつぶやきのような歌詞の曲の流れもいいなと。
「Lab」のインストゥルメンタルを作った時に、「HIBITANTAN」は結構前にワンコーラスぐらいつくっていたんですよ。
ーーロンドンでもともとできて、寝かしてたんですよね。
超寝かしてて。ロンドンで「SHAKE」と「平安」と、あと「Layline」のストリングスを録っていたんですけど、その時にみんなが楽器を録ってる間に制作意欲が上がっていたんで、もう1曲ぐらいできたらいいなとか言って。
ーー今年にSpotifyの「J-Rock ON!」のプレイリストの公開収録を銀座でさせていただいた時に、制作意欲があって曲の種みたいなものができたとおっしゃっていましたね。
まさにそれが「HIBITANTAN」だと思います。本当はほかの3曲も録ったんですけど、その曲は日本でデモを僕が作った状態で、音を録りに行ってたんですね。だからイギリスでゼロイチで作りたいなって気持ちで取り掛かったんです。でもさすがに録りきれずワンコーラスだけ作っておいていたんです。インストゥルメンタルも入れたかった理由が、アルバムの意味が今はほとんどなくなってきている時代なので、この曲がマスターピースじゃないけど、単体で切り抜かれるんじゃなくて、1曲目にインストゥルメンタルの「Lab.」が入って、この流れがあるから成立するというか。昔で言うと、The Whoがオペラアルバムみたいなものを作ったりとか、そういう感じで大きくはないけどコンセプトのあるアルバムを作りたいなって。それで「Lab.」の最後の音が終わる瞬間に脳内に流れてきた曲が、「HIBITANTAN」だったんです。それで絶対にこの曲は作りきらなきゃなと思って、アルバム制作の後半だったんですけど、ワンコーラスしかできていなかったものを家で自分で作り直しました。
ーーでは、アルバムの全体像が見えた後に、ガッツリもう一回作って入ったんですね。
そうですね。イギリスで最初の種ができて、日本で育てて、最後のある意味で自分自身に対してもそうだしこのアルバムに対しても包括のような思いが。
ーーということは、このアルバムに言いたいことがかなり詰まっているということですね………
………さらに、ポッドキャストではアルバム楽曲をじっくりと深掘り!お聞き逃しなく。
文=SPICE編集部(大西健斗)
『New Music Wednesday [Podcast Edition]』とは……
毎週水曜日に、その週リリースされた注目の新曲を中心に更新される、Spotifyのプレイリスト『New Music Wednesday』をさらに深掘りするSpotify公式ポッドキャスト。この番組をチェックすると話題の新曲をいち早く、そして詳しく知ることができて、今の音楽シーンがまるわかりに。あなたの通勤、通学、スキマ時間に無料で聴くことができるので是非チェックを。また番組では、Spotifyアプリの「Q&A」からメッセージやリクエストも募集中。あなたのオススメ曲や思い出ソングが紹介されるかも!? 番組への感想やリクエストはSpotifyのコメント機能から投稿を!