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フランスでの著者とその家族フランスでの著者とその家族

最近、アメリカに住む多くの人が国を離れることを検討している。軽い冗談として話す人もいれば、真剣に考えている人もいる。

フランスが大好きなのと、冒険への願望に駆られ、私たち家族は長期滞在ビザを取得し、2023年12月にこの国に移住した。

でも、11月の米大統領選のちょうど前、移住から1年も経たないうちに、私たちはアメリカに帰国した。誰よりも驚いたのは私だった。

いざ、フランスへ

移住について、私と夫は何年も前から話し合ってきた。まだ子どもも小さく、キャリアの転機もあり、大きな人生の変化を起こすのにちょうどいいタイミングだった。

私たちの移住は、「アメリカでの生活の恐怖や失望」を理由にしないことが重要だったが、フランスがアメリカより優れていると感じずにはいられなかった。医療、女性の権利、教育、社会支援制度、ワークライフバランスに対する両国の姿勢を比較して、この移住が私たちの生活をより良いものにしてくれると確信した。

移住場所は、以前フランスを訪れた時に惚れ込んだボルドーの街に決めた。
新生活に慣れるにつれ、フランスが私たちの予想通り素敵な場所だと分かり嬉しかった。市場やパン屋、レストランでの質の高い食べ物を楽しみ、焼き立てデニッシュと美味しいワインの日々に慣れていった。

子どもは手頃な学費で通える私立校に通い、フランス語の家庭教師と栄養たっぷりのコースランチが提供された。

歩行者や自転車に優しい街のデザインや、効率の良い公共交通機関も気に入った。医者にかかっても25ユーロ(約4000円)以上かかることはほとんどなく、救急車で運ばれた時は、国の国民皆保険制度のおかげで完全に無料だった。

週末には、電車に乗りフランス中を探検し、車で国境を越えスペインまでドライブ。格安航空券を活用し、ヴェネチアやリスボン、ロンドンまで旅した。

フランスでの生活は、私たちが夢見ていたとおり、そしてそれ以上だった。私はその様子をブログやソーシャルメディアで熱く語り、フランスのファッションや食べ物、文化を称賛し、アメリカとの教育制度を比較した。

私の投稿は、多い時には数百万回も閲覧され、Instagramのフォロワーは数百人から1万6000人に増えた。DMには、アメリカの生活にうんざりし、変化を求める人たちからのメッセージが数多く届くようになった。

夢のようなフランス生活。でも…

一見すると、私たちの生活は夢のように見えた。でもその裏では、引越しからわずか数週間で亀裂が入り始めていた。

街中に飾られたクリスマスのライトアップが終わり、長くどんよりした冬が始まると、フランスに来たばかりの頃の煌びやかな興奮の下で欠けていたものが見えてきた。

何世紀も前に建てられたボルドーのアパート暮らしも大好きだったが、広いフロントポーチに近所のみんなが集まるアメリカの家が懐かしかった。

フランス人のクールで控えめな人柄に魅了されたが、アメリカ人のオープンでフレンドリーな性格を恋しく思っている自分に気づいた。

バゲットやワインも大好きだったが、タコスやベーグルを欲していた。

新たな友人たちとの関係はありがたかったが、何よりも家族や親友たちが恋しかった。

私はホームシックになっていた。特に言葉の壁が辛く、何年も勉強していたのに、実際のフランス語会話が理解できなかった。子どもの学校の先生や他の保護者、レストランのウェイターとの会話もできないのが嫌だった。病院に行ったり郵便局で荷物を受け取ったりなどの基本的なタスクさえ困難だと感じるのが辛かった。どれだけ馴染もうと努力しても、部外者のように感じた。

一方、外交的な夫は新たな生活を楽しんでいた。

とはいえ、私たちの意見が一致していたことがある。お互い、故郷アメリカでのニュースに衝撃を受けていた。銃乱射事件や、重罪34件で有罪判決を受けたトランプ氏への高まる支持…これほど深刻な問題を抱えている場所に戻ろうなんて、正当化できないと思った。

同時に、フランスが私たちが思い描いていた「避難先」ではないという現実も、次第に感じるようになった。世界中の多くの国と同様、フランスの政治情勢も不安定で、極右勢力が急速に勢いを増している。移民問題は極めて敏感なテーマで、多くのフランス人がよそ者を歓迎していない。テロの脅威も身近にあり、復活祭の日曜日には、教会の外に機関銃を持つ兵士たちが配備されている。

結局、自分にとって大事だったのは…

フランスでの生活は、カフェのテラスでワインを楽しんだり、インスタ映えするような瞬間ばかりではない。アメリカでの生活が、大統領に関するものばかりではないのと同じだ。

現実の生活とは、Instagramやニュースの裏側で起こっていることだ。家族のために移住先を決めるような重大な選択をする際は、それを認識することが大事だ。

フランスに残りたい夫との約1年にわたる数えきれないほどの話し合いの末、愛する人たちとクリスマスをアメリカで過ごせるよう、その前に帰国することを決めた。最終的に、フランスでの多くの恩恵よりも、自分たちのコミュニティの近くにいたいという思いが勝ったのだ。

「フランスに残ればよかった」と思うかとよく聞かれるが、この国の現状の中でも「帰国して良かった」と即答できる。アメリカを離れても、この国の生活への不安やフラストレーションを消え去るわけではないと気づいたからだ。

帰国した今、ニュースはますます混乱を極めているが、コミュニティに囲まれているという安心感や喜びが、それを和らげてくれている。

私の仲間たち、ホーム、より良い社会を作るためにできる、小さくとも意味のあること…今はそれらに集中しようと思う。

ハフポストUS版の記事を翻訳編集しました。

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