アメリカ・カリフォルニア州のソーファイ・スタジアムで行われたNFLの試合のハーフタイム中にパフォーマンスするオジー・オズボーンさん(2022年9月8日)「メタル界の帝王」とも呼ばれたイギリスのロックミュージシャン、オジー・オズボーンさんが7月22日、亡くなった。76歳だった。
オズボーンさんの死因は明らかになっていないが、2020年にはパーキンソン病を患っていることを公表していた。パーキンソン病は神経系の病気で、厚生労働省の指定難病にもなっている。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で知られるアメリカの俳優マイケル・J・フォックスさんも公表し、故みのもんたさんも診断されていたパーキンソン病とは、どんな病気なのか。
症状、原因は?
日本神経学会によると、パーキンソン病は1817年に振戦麻痺としてジェームズ・パーキンソン氏によって発表された神経変性疾患。アルツハイマー病に次いで頻度の高い疾患といわれる。
主な症状には、手足やあごのふるえ、筋肉が固くなる、全身の動作が鈍くなる、体のバランスを崩し倒れやすくなる、といった運動障害がある。このほか、嗅覚低下、便秘、頻尿や排尿困難、立ちくらみ、起立性低血圧、睡眠障害といった非運動症状が現れることもある。
難病情報センターによると、パーキンソン病は大脳の下にある中脳の黒質ドパミン神経細胞が減少して起こる。ドパミン神経が減ると体が動きにくくなり、ふるえが起こりやすくなるという。ドパミン神経細胞は年齢とともに自然に減るが、パーキンソン病の患者は健康な人に比べてより速いスピードで減る。
遺伝する?治療法は?
パーキンソン病にはどのような治療法があるのか。難病情報センターによると、治療の基本は「薬物療法」で、少なくなったドパミンを補う方法があるという。
また、体を動かすこともパーキンソン病の治療になるといい、散歩やストレッチなどの運動を毎日続けて体力を高めることが重要だとしている。
発症年齢は50代以上の中高年が多いが、若年で発症するケースもある。日本では、男性よりも女性のほうが多いとされる。兵庫県難病相談センターによると、遺伝性は全体の5〜10%で、大半は非遺伝性の患者だという。
治療薬の研究開発が進み、現在のパーキンソン病患者の平均寿命は、全体の平均とほとんど変わらないと考えられている。
It is with more sadness than mere words can convey that we have to report that our beloved Ozzy Osbourne has passed away this morning. He was with his family and surrounded by love.
We ask everyone to respect our family privacy at this time.
Sharon, Jack, Kelly, Aimee and… pic.twitter.com/WLJhOrMsDF
— Ozzy Osbourne (@OzzyOsbourne) July 22, 2025
ヘビーメタル系ロックの先駆的存在として知られるオジー・オズボーンさん。亡くなる約2週間前には、ブラック・サバスと開催したライブ公演の収益約1億9000万ドル(約270億円)を、パーキンソン病患者の支援に取り組む団体や小児ホスピスなど、3つの慈善団体に寄付していた。


