タイ限定のBOSSゆずブラックボトルや缶入りのコーヒー、そして最近は紅茶でもお馴染みの、サントリーの『BOSS』シリーズ。
実は、海外でも販売されているのをご存知だろうか?
2018年のアメリカを皮切りに、今ではオーストラリア、ニュージーランド、タイ、シンガポール、香港、ベトナムの8カ国に進出している。
ブラックコーヒーやラテなど、日本でもお馴染みのドリンクが主だが、タイでは現地でしか味わえない、限定フレーバーが販売されている。
それが、「Yuzu Black」だ。
一体どんな味なのか?
サントリーに特別に提供を受け、飲んでみた。
タイ限定のゆずブラック。気になるお味は?
冷やしておいたボトルの蓋を開けるとーー。
まず来るのはコーヒーの香り。深く吸い込むと、奥に隠れていたゆずを感じる。
より風味に専念するため、いざ、目を閉じて飲んでみる。
・・・。
甘い!これはコーヒーなのか?!
砂糖入りラテやフラッペのようなクリーミーなコーヒーの甘さには慣れているが、コーヒー×ジュース系の甘さは未経験で、不意をつかれる。
コーヒーをベースに少しのゆず、そして最後にちょっとの苦味を感じる。市販の甘いレモンティーを彷彿させる味だ。実際にはゆず果汁は使われておらず、香料や酸味を調整して風味を出しているという。
色は、普通のブラックコーヒーと同じだ【動画】さ、爽やか!タイ現地の「ゆずブラック」の宣伝動画はこちら
シトラスの酸味やブラックの苦味よりも、甘みを強く感じるため、日本人の「仕事のお供に飲むコーヒー」という概念には当てはまらないだろう。でも、東南アジアなど暑い国でゴクゴク飲むには適しているのかもしれない。
実際にタイでは、BOSS商品の中ではブラックに次ぐ人気だという。
開発のきっかけは現地で人気の〇〇コーヒー
BOSSがタイでローンチしたのは2021年。ペットボトル入りのプレミアムコーヒーとして販売しており、缶コーヒーよりは高いがスタバよりは安く、「カフェの味を手軽に飲める」「ちょっと特別な時に飲みたい」と中間層に人気だという。
日本では到底思いつかないであろう「ゆずブラック」コーヒーは、タイでどのように誕生したのか?
着想を得たのは、現地のカフェで人気を博している、コーヒーをオレンジジュースで割った「オレンジコーヒー」からだっだ。
「『オレンジコーヒー』はとても人気で、どこのカフェでも提供しているほど定着しています。オレンジジュースとコーヒーって意外ですがとても合うんです。僕も大好きで家でも作って飲むくらいです」
そう話すのは、サントリーのタイ現地合弁会社でマーケティングを担当する高田潤一郎さんだ。
「感覚的には、我々がラテを飲むような感じです。でもタイは暑いので、ラテだともたれて飲みにくい。ですがオレンジコーヒーだと楽に飲めるんですね」
タイのサントリー合弁会社でマーケティングを担当している高田潤一郎さんそこで、2023年にBOSS製品を使ったPOP UPカフェを出店した際、オレンジではなく、日本を感じられる「ゆずコーヒー」を限定で販売したところ、なんと定番のブラックを超え、ダントツの人気だったという。
当初は、POP UPカフェのオシャレさに惹かれて来店したが、コーヒーは苦手という来場者が、飲みやすそうなゆずコーヒーを注文したのではないかと考えたというが、その仮説は外れた。
「実は、コーヒー好きの人が午後もう1杯飲みたい時に、軽めでリフレッシングなものを好む、という需要があったんです」
そうした経緯を踏まえ、商品化が実現し2025年1月から販売したところ、計画から40%以上の出荷数で、無糖ブラックに次いで売り上げ2位を記録している。
高田さんは「日本人が飲んだら混乱するかもしれません(笑)」と話すが、食文化に苦味・甘み・酸味が複雑に混ざり合う食文化を持つタイでは、オレンジコーヒー同様、受容される味なのだという。
現地では、250mlのペットボトル入りが約35バーツ(約160円)、さらに小さな230ml入りが約25バーツ(約114円)で販売されている。
現在、日本に逆輸入する予定はないとのこと。気になった人は、是非タイに行った際に試してみてほしい。


