「ムーンアートナイト下北沢 2025」の出展作品として、2025年9月20日(土)~10月5日(日)(の土日祝のみ)、下北沢駅東口(改札外)にて、イマーシブシアター『猫町』が開催されることが決定した。
本作品は、観客がイヤホンをつけて夜の下北沢を歩いてゆく、音声体験とダンスパフォーマンスを組み合わせたイマーシブシアターで、クリエイティブユニット daisydoze(デイジードーズ)による新作公演だ。
イマーシブシアターとは、観客が固定された座席に座って鑑賞する従来の舞台鑑賞ではなく、観客自ら会場内を動き、目の前で演者のパフォーマンスを観ながら、物語の一部として作品に参加する没入型エンターテインメントとして、2000年代のロンドンにて誕生した新しい演劇手法。
daisydoze (左から)近藤香、竹島唯
daisydozeは、日本独自のイマーシブシアターを作るクリエイティブユニットとして、架空の設定ではなく、物語に上演地のサイトスペシフィックな要素を取り入れた作品創りを追求しているイマーシブシアターカンパニー。
9作目の本作では、下北沢周辺を終の住処とした詩人・萩原朔太郎をモデルに、下北沢駅前広場から世田谷代田駅までの街を巡る、新しいイマーシブシアター。夜の下北沢駅前。雑踏の中での「詩人」からの囁きをきっかけに、観客を詩と幻想の世界へと誘う。
満月の光が街を照らす夜。かつての詩人の記憶と観客の歩みが重なり、朔太郎の視点から、下北沢という街の別の顔をひそやかに垣間見ることができる作品。
観客は、トラベルオーディオガイドアプリ「ON THE TRIP」を使用し、イヤホンから語りかけられる「詩人」の声の導きで下北沢の街を歩き、現れるパフォーマーと共に物語の深層へ進んでいく。また、本作では小田急電鉄の協力によって、通常は入場することのできない世田谷代田駅地下(改札外)のスペースを舞台として使用することも注目ポイントのひとつ。
いのまいこ
猫町の女たち
猫町の女たち
出演には、日本国内にとどまらず世界で活躍しながらも、これまで数々のdaisydoze作品を支えてきたダンサー、いのまいこを主人公に迎え、前作主演を務め、演劇のみならず映像作品にも活動の幅を広げている実力派俳優、森 準人が、かつて下北沢にいた「詩人」として、物語を彩る。
下北沢には、猫に憑かれた不思議な町がある—
変わりゆく下北沢の街で、ロマンを失った詩人は、満月の光を頼りに散歩をする。まっすぐ伸びる線路沿いを誰かの視線を感じつつも、歩み続ける。迷子になりそうな不安に襲われたその先で、ふと辿り着いたのは、猫に憑かれた裏側の異界。
見えないものが、見えてくる—音声+ダンスのイマーシブシアター。
※この物語は、萩原朔太郎著「猫町」をオマージュしたフィクションです。