東京・上野の老舗喫茶店「珈琲 王城」(@coffeeoujou)がXに投稿した、1枚のナプキンに描かれたイラストが話題を呼んでいます。
投稿では「1日の売り上げが1万円という日々が続き、常に『廃業』という言葉が頭によぎっていた」という2年前の苦境を振り返り、「誇張ではなく、当店の危機を救ったのは紛れもなくこのチョコレートパフェです」とつづられています。
「珈琲 王城」は1975年(昭和50年)創業の老舗喫茶店。名物のチョコレートパフェは開業当初から続くロングセラーで、堂々と盛られた生クリームとチョコレートソースの層から「白い巨塔」とも呼ばれています。
話題となったナプキンには、このパフェのイラストとともに「すごく美味しかったです。次はピラフを食べに来ます。コロナに負けないで下さい!!」という手書きのメッセージが添えられていました。
オーナーの玉山珉碩(たまやま・たみひろ)さんによると、このナプキンを受け取ったのは、東京都の受動喫煙防止条例の施行、そしてコロナ禍の影響を受け、経営が厳しかった時期。SNSで現状を訴え、珈琲豆や金券の販売を通じて支援を呼びかけたそうで、「多くの方が寄付のような気持ちで金券を購入してくださいました。今でも使われていない金券もあり、一生忘れてはいけない人の温かさだと思っています」と当時を振り返ります。
そして、緊急事態宣言が解除され、少しずつ客足が戻り始めたころにもらったのがこのナプキンでした。
「みなさまの期待に絶対に応えるんだ、倒産なんかしてたまるかという気になりました。そして私たちは人情で団結し、危機を乗り越えた。このナプキンはその象徴です」と玉山さんは語ります。
投稿には「胸が熱くなる」「このパフェを食べに行きたい」「こういう喫茶店が残ってほしい」といったコメントが相次ぎました。苦境を乗り越えた老舗喫茶店の象徴として、王城のチョコレートパフェは今も静かに“そびえ立ち”続けています。


