2024年のミス・ユニバース世界大会の様子=2024年11月16日、メキシコ 11月21日にタイで開催されるミス・ユニバース2025大会を前に、現地入りした出場者への運営側の態度に対し、出場者が抗議し波紋を呼んでいる。
この一部始終はミス・ユニバース・タイランドの公式Facebookページでライブ配信され、現時点では動画も残されている。
動画では、タイの現地ディレクター、ナワット・イサラクライシット氏が、ドレス姿の各国代表に対し、ホスト国をPRするためのコンテンツをSNSに投稿するよう念を押す姿が映っていた。
その中で、その義務を果たしていないとしてミス・メキシコのファティマ・ボッシュさんを名指しで叱咤。スポンサー撮影に出席しなかったことや、ホスト国タイのPR投稿を行わなかったことを非難した。
動画では全体の様子やボッシュさんの声ははっきり聞こえないが、一部の報道では、ナワット氏はそれをメキシコのディレクターの指示によるものとし、指示に従うボッシュさんを「バカ(dumb head)」呼ばわりしたという。
その後、やりとりは熱を帯び、ボッシュさんが話し続けるとナワット氏は警備員を呼ぶという展開に。ボッシュさんは動画には映っていないが、意見を述べた後会場を後にしたようで、他の一部の出場者も連帯を示すために会場を出て行った。
その様子に慌てたナワット氏は「やめなさい。警備員を呼べ。座りなさい」と声を荒らげ、さらに「もし大会を続けたい者がいるなら、座りなさい」と脅すように言い放っている。
また別の動画では、ナワット氏は、連帯を示し会場を後にした出場者を呼び戻すよう呼びかけるも、「メキシコ以外」と指示し、「彼女はしゃべりすぎる」と話す様子が映っている。
ミス・ユニバース主催団体が声明を発表
その後、ミス・ユニバース主催団体はInstagramで、「ミス・ユニバース・オーガニゼーションは、すべての代表者の尊厳・安全・尊重を守ることに断固として取り組みます」と声明を発表。
開催国コミュニティとのより緊密な協力に取り組むという姿勢を改めて表明し、CEOのマリオ・ブカロ氏率いるチームが、開催国や関係当局との連携強化を図るためにタイに向かっていると述べた。
ミス・ユニバース会長のラウル・ロチャ氏も声明動画を投稿し、「女性の尊厳と尊重という価値が踏みにじられることを決して許さない」と述べた。
ナワット氏がボッシュさんに対して公の場で行った攻撃的な行為に「私は強い憤りを感じている」と怒りを示し、「ナワット、もうやめなさい(you need to stop)」と名指しで呼びかけた。
また、同イベントへのナワット氏の関わりを、最低限に縮小、もしくは完全に排除すると述べた。
BBCによると、ナワット氏はその後謝罪したという。
「誰にも黙らせることはできない」
ミス・ユニバースのフィリピン代表が投稿したTikTok動画の中で、ボッシュさんはナワット氏との口論の後、こう語っている。
「ディレクターがしたことは敬意を欠いています。彼は組織間で問題があるからといって、私をバカ呼ばわりしました」
「世界はこの出来事を知るべきです。私たちは自立した女性であり、このコンテストは私たちの声を届けるための場のはずです。誰も私たちを黙らせることはできません。誰も私にこんなことをすることは許されません」
ミス・ユニバース世界大会の優勝者は、11月21日に決定する。


