マレーシアを拠点とする大手LCCのエアアジアが12月、イスラム教徒の女性が着用するスカーフ「ヒジャブ」を、客室乗務員の制服の選択肢として正式に導入すると発表しました。
宗教上の理由からヒジャブを着用している乗務員の声に応えるもので、同社は公式インスタグラムに、カンパニーカラーの赤いヒジャブをまとった乗務員の動画を公開し、大きな反響を呼んでいます。
同社はこれまで、ジェッダ線など、宗教上の規定でヒジャブ着用が求められる路線で限定的にヒジャブを導入してきましたが、今後は全路線で希望者が着用できるようになります。
「声に耳を傾けた」社内の要望から実現
今回の改定は、エアアジア社内のクルーからの声を受けて検討が始まったといいます。
同社が運航するエリアには、マレーシアやインドネシアをはじめ、イスラム教徒が人口の多数を占める地域が多くあります。とりわけ宗教上の理由でヒジャブを着用したい乗務員にとっては、キャリア選択や職場での快適さに影響する問題でもあり、今回の導入は労働環境の改善につながります。
エアアジアグループを傘下に持つ「キャピタル A」のCEO、トニー・フェルナンデス氏は、「客室乗務員から今回の声が上がった際、私たちは真摯に耳を傾けることが重要だと考えました。異なる価値観や信念を尊重することは、私たちの文化の一部であるだけでなく、これまでの成功を形づくってきた要因でもあります」とコメントしています。
ヒジャブ着用の選択肢は2026年第1四半期、ラマダン期間中に導入される予定です。
同社のインスタグラムには、制服のヒジャブを着用した乗務員の動画が公開されており、コメント欄には「素晴らしい決定」「多くの人が自身を尊重して働けることを願う」といった声が寄せられています。
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