中国のロボットメーカー・AgiBotが開発したヒューマノイドロボット「AgiBot A2」が、3日間で106キロメートルを歩き切り、「ヒューマノイドロボットが歩いた最長距離」としてギネス世界記録に認定されました。
CBS Newsによると、この挑戦は2025年11月10日に中国・蘇州を出発し、上海・外灘まで高速道路や市街地を通過する“実世界”の環境で行われ、転倒ゼロで完遂した点が大きな注目を集めています。
A2は2025年4月から5月にかけて、数百時間の連続運転でも倒れないよう最適化され、8月には気温40℃近い環境で24時間の完全自律歩行を達成していたといいます。
また、Global Timesは、今回のA2の挑戦では、アスファルト、タイル舗装、橋、点字ブロック、暗所など多様な路面に対応し、交通ルールを順守しながら歩行したと報じています。
A2は身長約168センチ、重量約55キロで、GPSや赤外線深度カメラなどを搭載。リアルタイムで路面状況を判断し、進行経路を調整する高度なAI機能を備えています。
特別にカスタムされたものではなく、同社が量産している標準モデルであり、技術の成熟度を示すものだといいます。
歩行後、A2は記者に対して「機械人生における思い出深い経験です」と語り、さらには「新しい靴が必要かもしれません」と冗談を交えたやり取りを見せ、人間的な側面もアピールしました。
専門家は、この短期間での性能向上は中国ロボティクス分野の急速な発展を示し、運動制御や環境適応力の向上が“実社会で働くロボット”の実現を大きく前進させたと話しています。


