ゼンリン(@ZENRIN_official)がXに投稿した「小学校の給食牛乳マップ」に、1.4万件以上の「いいね」がつき、大きな注目を集めています。
投稿されたのは、日本各地の“給食で出た牛乳”を都道府県ごとにまとめたカラフルな地図。ゼンリンが2022年に「#小学校の給食の牛乳といえば」というハッシュタグを通じて全国から6000件超の声を集め、そこから作成したものです。最初の公開時も話題になっていました。
地図には、地域ごとに異なる牛乳の銘柄がずらり。コメント欄には「これだった!」「懐かしい」「冬はストーブで温めて飲んでいたなぁ」「そういえば学校の近くに工場があった」といったノスタルジックな声があふれました。
一方で「新潟の良寛牛乳はもう廃業しました…」「岡崎牛乳、今はないんです」と、すでに姿を消したメーカーへの寂しさを語る人もいました。
東京都のように大手メーカーがほとんどを占める地域もありますが、地方では、地場メーカーと給食牛乳が深く結びついているケースが多くあります。しかし近年は、牛乳離れによる消費減が指摘されており、酪農・乳業の倒産や休廃業の件数も増加傾向にあるといいます。
こうした状況に、ゼンリンもコメント欄で「これを作っていたときはまだ…」と返信。懐かしさの裏側にある“消えていった銘柄”への思いが、多くのユーザーの共感を呼びました。
岡山県立図書館 (レファレンス協同データベース)などによると、「学校給食の牛乳」は、1949(昭和24)年ごろは脱脂粉乳が中心で、1966(昭和41)年ごろからはびん牛乳に移行。また、1964(昭和39)年ごろには三角パックの「テトラ・クラシック」も登場しました。さらにこの時期には、カレーでおなじみの「先割れスプーン」などのカトラリーも導入され、時代とともに給食のスタイルは少しずつ変わっていったといいます。
一杯の給食牛乳をめぐる記憶をたどると、子ども時代の懐かしさだけでなく、その時代の社会や暮らしまで映し出す“空気”が感じられるのかもしれません。


