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衆院予算委員会で話す高市早苗首相(2025年12月9日)衆院予算委員会で話す高市早苗首相(2025年12月9日)

旧姓を通称として使用できるようにするための法案(旧姓通称使用の法制化)を、政府が提出する方向で調整に入った。朝日新聞などが報じた。

報道によると、法案は高市首相の私案をベースにしており、次のような形で旧姓の通称使用に法的効力を与える。

・住民票に旧姓を記載して通称として使用できるようにする

・その上で、国や地方自治体、事業者に対して、旧姓を通称として使用できるようにするための必要な措置を講じるよう求める

高市氏は選択的夫婦別姓に一貫して反対し、旧姓の通称使用の法制化を提唱してきた。

自民党と日本維新の会は10月の連立合意書で「旧姓使用に法的効力を与える制度の創設」を掲げており、高市氏は12月9日の衆院予算委員会で、旧姓の通称使用法制化について「与党と緊密に連携しながら必要な検討を進めていく」と述べた。

しかし、旧姓使用の法制化には、様々なリスクや混乱が伴う恐れがある。

一般社団法人「あすには」の井田奈穂代表理事は、旧姓の法制化について、「2つ以上の名前に法的効力を与えることになり、脱税やマネーロンダリングの問題が発生する可能性がある」とハフポスト日本版チャンネルのインタビューで7月に指摘した。

企業や自治体に金銭的な負担が生じる可能性もある。

井田氏は「企業や行政が、2つ以上の名前を法的に間違いなく使いわけるためのシステム改修をやらなければならない。莫大な社会的なコストがかかると思われる」と語っている。

井田氏は「旧姓使用は法改正がされようとすると必ず持ち出される選択的夫婦別姓を妨害するためのツールになってきた」とも指摘している。

強制的夫婦同姓は「日本だけ」

結婚時に夫か妻どちらかの名字を選ばなければいけない「強制的夫婦同姓」の国は、世界を見渡しても日本だけだ。かつて夫婦同姓だったアメリカやドイツなど多くの国が、すでに選択的夫婦別姓になっている。

また、妻と夫どちらを名字を選んでもよいものの、改姓するのは妻側が95%。望まずに改姓した場合のアイデンティティ喪失や、日常や仕事で被る不便や不利益は、圧倒的に女性に偏っているのが実態だ。

国連の女性差別撤廃委員会はこの状態を「差別的だ」として、これまで4回、改正を勧告してきた。

この問題を解決するのが選択的夫婦別姓だ。結婚後に同じ姓にするか、それぞれが結婚前の姓を維持するかを選択できるようになる。

しかし、旧姓の通称使用の法制化では、夫婦が結婚後に同じ姓にしなければならないことは変わりない。その上で、結婚前の姓(旧姓)に、通称として法的な効力を与える。

現在、住民票や、運転免許証、パスポートなどへの旧姓の併記が可能となっているが、2022年の金融庁の調査によると、銀行の約3割、信用金庫の約4割、信用組合の約9割が、マネーロンダリングやシステム改修の必要性などを理由に旧姓による口座開設や維持を認めていなかった。

マネーロンダリングなどの犯罪の恐れに加えて、旧姓の通称使用法制化ではアイデンティティ喪失の問題も解決されない。

日本弁護士連合会は「通称はいかなる制度的工夫を施しても、正式な氏名に代わるものではなく、自己の氏名を正々堂々と名乗れない苦痛は解消できない」としている。

姓を選ぶのは「当たり前の権利」

井田氏は、政府が検討している旧姓の通称使用の法制化について「意に反して改姓させて『困りごと』を生じさせた上で、莫大なコストと手間をかけた『二重氏名の運用』でその困りごとを軽減させようとするという愚策」だとハフポスト日本版の取材に述べた。

「改姓したくない、して苦痛を感じている当事者が求めているのは『1人1つの法的氏名の維持』です」

「本来のニーズに対してまったく解決にならない案なので、1つの法的氏名の維持を求める声はなくならないでしょう」

井田氏は、旧姓は海外で通用しないため、女性たちのグローバルビジネスや在外研究の足かせとなってきたとも指摘する。

「パスポートに旧姓併記をしてしまったばかりに、海外で4種類の名義を使い分けざるを得なくなった海外駐在員は、『毎日が困りごと』と業務への負荷を語っています

また、マネーロンダリングや経済的負担は選択的夫婦別姓であれば発生しない問題であり、結婚時に両者が姓を選べるのは当たり前の権利だと強調した。

ほとんどの既婚男性は名義変更ゼロで婚姻後も社会生活を送ることができています。配偶者も希望するならそれと同じ状態を享受できるようになるのが選択的夫婦別姓です。いわば『特権の平等化』で日本人同士の婚姻以外では、すでに叶えられている当たり前の権利です」

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