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東京新聞の“お断り”東京新聞の“お断り”

東京電力福島第一原発事故後の除染で出た土を、東京新聞が「汚染土」と表記していることが、12月17日の福島県議会12月定例会で取り上げられた。

自民党の渡辺康平県議が一般質問の中で指摘した。

除染で出た土のうち、放射性物質の濃度が低い「再生土」については、全国で再生利用する方針が示されている。

一方、東京新聞は、この再生土についても「汚染土」と表記しており、ハフポスト日本版も9月19日、「再生利用の理解醸成を妨げる」問題提起していた。

経緯を振り返る

原発事故後、福島県の人々の生活を取り戻すため、放射性物質が付着した表土を削り取るなどの除染作業が進められてきた。

除染で出た土は、各市町村の仮置き場に集められた後、現在は福島県双葉町と大熊町にまたがる「中間貯蔵施設」に保管されている。

その量は、約1400万立方メートル(東京ドーム約11杯分)に上り、2045年3月までに福島県外で最終処分することが法律で定められている。

国は最終処分量を減らすため、このうち4分の3を占める「再生土」について、全国の公共事業で再生利用する方針を示している。

では、再生土の再生利用は安全なのか。

環境省や有識者によると、再生利用される再生土は「1キログラムあたり8000ベクレル」以下。この場合、年間の追加被ばく線量は、作業員が「0.93ミリシーベルト」、周辺住民が「0.16ミリシーベルト」となる。

いずれも、国際放射線防護委員会(ICRP)勧告の「一般公衆の年間被ばくの線量限度」(1ミリシーベルト)を下回り、IAEA(国際原子力機関)も「安全基準に合致している」と評価している。

福島県内の実証事業でも安全性が確認されており、再生利用の際には別の土で覆うことで、人体への影響を無視できるレベルまで放射線を遮ることができるとされている。

被ばく線量の比較。なお、再生利用による年間の追加被ばく線量は、作業員が「0.93ミリシーベルト」、周辺住民が「0.16ミリシーベルト」となっている被ばく線量の比較。なお、再生利用による年間の追加被ばく線量は、作業員が「0.93ミリシーベルト」、周辺住民が「0.16ミリシーベルト」となっている

東京新聞は「汚染土」と記した

こうした中、東京新聞は7月、記事に“お断り”を掲載。

「放射性物質を取り除く科学的処理をせず、除染していないことなどから、東京新聞は原則的に『汚染土』と表記します」と記した。

この件について、渡辺県議は12月17日、福島県議会の一般質問で「東京新聞は除去土壌(除染土)を『汚染土』とあえて記した」と問題提起。

再生土と県外最終処分が必要となる除染土の違いについて、報道などで十分に区別されていなかったと指摘し、「大多数の関心の薄い人々にとっては、そのような用語(汚染土)が『定義』として受け止められやすい」と述べた。

また、呼称を明確に区別することは、再生利用への理解を促進するための重要な第一歩と言える」と強調し、 国が決定した再生土の呼称「復興再生土」を県が使用するかどうかについて尋ねた。

この一般質問を受け、県の宍戸陽介・生活環境部長は「復興再生土の呼称の使用については、国による県外最終処分に向けた理解醸成の取り組みの一つと受け止めている」と答弁。

その上で、「法律で定義された除去土壌の名称を従来通り使用することを基本としながら、その状況に応じて適宜適切に復興再生土の呼称を使用していく」と述べ、東京新聞の「汚染土」表記には触れなかった。

再生利用が進まず、2045年3月までの福島県外最終処分が実現できなければ、原発事故で“犠牲”となり、中間貯蔵施設を受け入れて再び“犠牲”となった町や住民が、またも“犠牲”になる。

「汚染土」表記については、双葉町の伊沢史朗町長が以前、ハフポスト日本版の取材に「この問題の解決には周囲の理解が不可欠だが、さらにネガティブな印象を与えてしまう」と語っている。

ハフポスト日本版も東京新聞に対し、「不特定多数の人に危険や不安を煽る」と質問状を送付したが、同紙は「お断りで説明した通り」と回答するにとどめた。

【画像】「中間貯蔵施設」を巡る国と福島の動き(年表)

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