スタックすると雪道で渋滞が発生する可能性もあるノーマルタイヤで雪道を走行し、ぬかるみにはまって「スタック」する車が相次いでいる。
積雪したり、凍結したりした道路で滑り止めの措置を取らない運転は、法令違反となる。
国土交通省の各国道事務所が、ノーマルタイヤの雪道走行が原因で事故が起きた現場の写真を公開し、注意を呼びかけている。
「こんな雪道でノーマルタイヤ……」
国交省長岡国道事務所は2025年12月4日、Xで「新潟県湯沢町の国道17号(トンネル付近)で、ノーマルタイヤで走行していた車が登坂不能となった」と明らかにした。
登坂不能とは、車が自力で動けなくなる状態。写真を見ると、かなりの積雪があった中、車がノーマルタイヤで走行していたことがわかる。
思わず「こんな雪道でノーマルタイヤ……」と声が出てしまいそうな状況だ。
鳥取河川国道事務所も2026年1月2日、Xに「雪道走行に注意!」と投稿。
添付された写真を見ると、雪が積もった道の上で乗用車がスタックしており、周辺の交通状況に支障が出ている。
また、タイヤをアップにした写真を見ると、タイヤにスタッドレス(冬用タイヤ)の記載はなく、溝が浅いため、やはりノーマルタイヤのようだ。
この乗用車は走行不能となり、鳥取方面にUターンすることになったという。
さらに、多治見砂防国道事務所は1月11日、Xで「スタック車両の発生」と発信。
同日午後4時50分頃、国道21号でノーマルタイヤの乗用車のスタックが発生したことを明らかにし、「雪道を冬装備していないタイヤで走行することは、危険かつ迷惑行為です」と呼びかけた。
公開された写真には、凍結しているような道路上で斜めに停車したワンボックスカーの姿が写っている。
ノーマルタイヤは制動距離も長くなる
雪道の走行を巡っては、一般社団法人「日本自動車連盟」(JAF)も注意喚起している。
JAFによると、前回の年末年始(2024年12月28日~2025年1月6日)の出動件数は8万2747件に上った。これは、約10秒に1件のペースで出動していた計算になる。
また、過去に制動距離(ブレーキをかけてから止まるまでの距離)に関する実験をしたところ、ノーマルタイヤはスタッドレスタイヤなどと比べて、明らかに制動距離が長くなることが分かったという。
具体的には、圧雪路(雪が踏み固められた状態の路面)では、スタッドレスタイヤが最も短い距離で停止できた一方、ノーマルタイヤはその約1.7倍も制動距離が長くなった。
氷盤路(凍結した路面)でも、ノーマルタイヤはチェーン装着時の約1.8倍も制動距離が長くなった。
JAFは「雪道をノーマルタイヤで走行することは極めて危険。スタッドレスタイヤやチェーンを必ず装着するようにしましょう」と呼びかけている。

