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英国はロンドンのコヴェント・ガーデン、「ロイヤル・バレエ&オペラ(RBO)」で上演された、ロイヤル・オペラ、ロイヤル・バレエ団による世界最高峰のオペラとバレエを、特別映像を交えて映画館上映する「英国ロイヤル・バレエ&オペラ in シネマ」。新シーズン「英国ロイヤル・バレエ&オペラ in シネマ 2025/26」は2025年12月19日(金)から2026年7月9日(金)まで全9演目が上映予定だが、本日1月16日(金)からはTOHOシネマズ 日本橋ほかにて、名匠フレデリック・アシュトンによる大人気プロダクション『リーズの結婚』が1週間限定で公開となる。公開を記念し、舞踊評論家・森菜穂美氏の解説とともに、長年愛される本作の魅力に迫ってみよう。


英国バレエを代表する名匠フレデリック・アシュトンが1960年に初演して以来、長年にわたり愛され続けているバレエの人気作品『リーズの結婚』。ロイヤル・バレエでは9年ぶりの上演となり、現地では多くの観客が待ち望んでいた名作のリバイバルとなった。

本作は、のどかな農村を舞台に、村娘リーズと恋人コーラスの恋をめぐる騒動を描いた、笑いと愛情に満ちたラブコメディ。着ぐるみのニワトリたちの踊りで幕を開けるユーモラスな演出や、木靴を履いて踊る「木靴の踊り」、リボンを使った独創的なパ・ド・ドゥなど、観る者を楽しませる工夫が随所に散りばめられている。

演出・振付の見どころについて、森氏は、アシュトンならではの特徴として、素早いピルエット、高いリフト、細かく軽快な足捌き、上半身に角度をつけて立体的に見せるエポールマンといった高度なテクニックを挙げる。一見すると牧歌的でのんびりとした作品でありながら、実は非常に難度の高い振付が詰め込まれている点も、本作の大きな魅力だ。さらに森氏は、「アシュトンは画家ジョン・コンスタブルが描く英国の田園風景にインスピレーションを得て、田園に太陽が降り注ぐ様子を描こうと考え、メイポールを囲んでの賑やかな群舞などフォークダンス的な要素も取り入れられている」と解説。1幕終盤のクライマックスでは、舞台と客席が一体となるような高揚感に包まれる。

(C)ROH 2016. Photographed by Helen Maybanks

(C)ROH 2016. Photographed by Helen Maybanks

(C)ROH 2016. Photographed by Helen Maybanks

(C)ROH 2016. Photographed by Helen Maybanks

キャスト陣も本作の大きな見どころだ。リーズを演じるのは、アシュトン作品を得意とするフランチェスカ・ヘイワード。映画『キャッツ』や『ロミオとジュリエット』で見せた卓越した演技力と安定したテクニックを本作でも存分に発揮し、森氏は「生き生きとした村娘を、時にユーモラスに、時にロマンティックに演じている」と評している。恋人コーラス役はマルセリーノ・サンベ。『赤い薔薇ソースの伝説』でもヘイワードとの相性の良さを見せており、「柔らかく高さのある跳躍と鮮やかな足捌きで、理想的なパートナーシップを築いている」と森氏は賞賛を送る。また、リーズの母シモーヌ役を男性ダンサーが女装して演じるのも、本作ならではの伝統的な見せ場の一つ。ファースト・ソリストのジェームズ・ヘイは、確かなテクニックと豊かな表現力で、厳しくも愛情深い母親像をコミカルに描き出す。近年は『くるみ割り人形』のドロッセルマイヤーや『シンデレラ』の義理の姉妹など、キャラクターロールで新境地を開いており、本作でも存在感を放っている。

(C)2025 Alice Pennefather

(C)2025 Alice Pennefather

さらに、木靴の踊りで活躍する佐々木万璃子、前田紗江、桂千理の日本出身ダンサーたちや、コーラスの友人役を務める五十嵐大地など、群舞に至るまでロイヤル・バレエのダンサーたちの生き生きとした演技を楽しむことができる。

笑いと温もり、そして高度なテクニックが見事に融合した『リーズの結婚』。英国バレエの魅力が凝縮されたこの名作を、ロイヤル・バレエならではの充実したキャストとともに、ぜひ劇場の大スクリーンで堪能してほしい。

(C)ROH 2016. Photographed by Helen Maybanks

(C)ROH 2016. Photographed by Helen Maybanks

(C)ROH 2016. Photographed by Helen Maybanks

(C)ROH 2016. Photographed by Helen Maybanks

※森菜穂美氏(舞踊評論家)による『リーズの結婚』解説全文は下記↓URLにて閲覧可能です。