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明治の海外限定お菓子「ハローパンダ(HELLO PANDA)」をご存知だろうか?

日本では見かけない商品だが、アメリカやシンガポール、インドネシア、中国など30カ国あまりで販売されており、各国の“定番菓子”として馴染んでいる。

海外売上高は年200億円規模と、海外のカカオ事業の主軸であるこの商品。特にアメリカでは2017年以降、売上が約3倍に広がっており、高まる需要に対応するため生産体制を強化しているという。

ハローパンダの開発秘話や、日本での終売とともに海外展開に至った経緯、海外でヒットした理由について、明治カカオマーケティング部グローバルブランドマネージャー加納麻衣さんに聞いた。

上野動物園の「第二次パンダブーム」で誕生

1986年に誕生したパンダのトントン(撮影時1歳)1986年に誕生したパンダのトントン(撮影時1歳)

「ハローパンダ」はその名の通り、パンダのイラストが描かれたビスケットの中にチョコレートクリームが入ったお菓子だ。日本では1987年、上野動物園のトントン誕生による第二次パンダブームにのって、「こんにちはパンダ」の名前で発売された。

「明治のお菓子といえば、1970年代に発売された『きのこの山』『たけのこの里』に代表されるように、“チョコレートとビスケットのコンビネーション”が特徴です。ハローパンダもまた、明治が大切にしてきたビスケットとチョコレートへのこだわりから生まれたお菓子でした」

しかし、国内では他社の似た形状のお菓子に押され、わずか3年ほどで終売。そこで目をつけたのが、商品の“ある特長”を生かした東南アジアでの展開だった。

「このお菓子は、ビスケットの中にチョコが入っているため、気候の影響を受けにくいのです。東南アジアの一年を通して30℃を超えるような環境下でも溶けずに美味しく食べてもらえるのではと考えたようです」

シンガポールでは当時、スティック状のクラッカーをチョコレートクリームにつけて食べる「ヤンヤン」を展開し、一定の需要を得ていた。そうした背景もあり1991年、国内での終売と入れ替わるように、シンガポールでの販売が始まった。

日本では、ビスケットの中にチョコを入れたお菓子をよく見かける。しかし、実は「ビスケットを膨らまして、中にクリームを入れるのは非常に繊細で難しい技術」だといい、海外では珍しいタイプのお菓子だったそうだ。ハローパンダは、各国の貿易拠点であるシンガポールで人気に火がつき、フィリピンやマレーシア、タイにも広がっていった。

「2001年にはインドネシアでの生産・販売も始まり、東南アジアでは誰しもが小さい頃に食べた記憶のある“定番のお菓子”になっています」

2015年にはアメリカ、24年には中国でも生産が始まり、現在の生産拠点は4カ国。中東、ヨーロッパも含めて30カ国以上で販売され、海外で独自の成長を遂げている。

ハローパンダ。左からプレーンの「チョコレート」、ダブルチョコレート、ストロベリーハローパンダ。左からプレーンの「チョコレート」、ダブルチョコレート、ストロベリー

プリントは100種類、フレーバーも多種展開

ハローパンダは、ユニークなパンダのキャラクターが描かれたパッケージが目印。プレーンビスケットにチョコレートクリームが入った「チョコレート」をはじめ、ストロベリー、ミルク、クッキーアンドクリーム、ダブルチョコ、キャラメルなど多彩なフレーバーを展開している。

生産拠点の一つであるインドネシアでは、一箱(42g)が8000〜1万ルピア(75 〜95円相当)で販売されている。現地のスーパーマーケットやコンビニエンスストアのお菓子コーナーに必ずと言っていいほど並んでおり、ロングセラー商品であることがうかがえた。

人気の理由の一つは「連食性」の高さだ。チョコレートが中に入っているため、手を汚さずに何かをしながらでもポイポイと手軽に口にできる。

また、国によってプリントにも工夫を施しているという。

例えば、アメリカでは野球やサッカー、バレーボールなどスポーツを楽しむ32種類のパンダをプリント。子どもたちが、自分のやっている競技を探しながら食べられるのも魅力の一つだ。シンガポールやインドネシアでは100種類以上のプリントがあるといい、「その国々に合わせて、子どもたちがワクワクするようなプリントを意識している」と語る。

さまざまなプリントが楽しめるさまざまなプリントが楽しめる

アメリカでヒット、生産ライン拡大へ

東南アジアを中心に広がったハローパンダ。そのブランド価値が一気に高まったのが、アメリカでのヒットだった。

アメリカでは1990年代に、アジア系が多く住む西海岸エリアを中心に、シンガポールからの輸入品の販売を開始し、2015年から国内で生産を行っている。大手スーパーチェーンのウォルマートやコストコでも販売され、17年以降は販路拡大とともに売上が約3倍に増加している(2017年度比、2023年度実績)。

アメリカでは、ビスケットの市場規模が拡大していることに加え、ライフスタイルに応じた“サイズ戦略”が功を奏しているという。各国共通の箱タイプや小袋タイプだけでなく、7オンス(約198g)のパウチタイプ、小袋32個が入った大容量タイプも展開しているのだ。

「アメリカでは、授業の合間にお菓子を食べる『スナックタイム』という習慣があり、そこにあわせて小袋30個を10ドル程度で買えるお得なタイプを用意しています。ファミリーで食べるならパウチタイプ、オーソドックスな箱タイプ、子どもたちの間食にちょうどいい小袋タイプと、いろいろなシーンで食べていただけるのではないでしょうか」

国内では「かなり需要が伸びて、今の生産能力だけでは供給が追いつかない状況」となり、生産ラインの拡大を進めている。2026年度までには、23年度と比べて約1.5倍の売り上げを目指している。

アメリカで売られているハローパンダアメリカで売られているハローパンダ

海外で日本のお菓子の価値を広める

明治ホールディングスが2025年11月に発表した「2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信」によると、カカオ事業の売上高は前年同期を上回った。海外事業については「中国での主力チョコレート群の伸張や、米国での『ハローパンダ』の販売拡大により増収」としている

加納さんは「欧米を中心に売り上げを伸ばしておりますし、アジアもまだまだポテンシャルがあると思っています。引き続き日本のお菓子の価値とハローパンダならではの好奇心をそそる美味しさを皆さんに届けられるように頑張っていきたいですね」と語る。

かつて日本では終売となった商品だが、今後、国内で再び販売される可能性はあるのだろうか。いわゆる“逆輸入”については「すべてが完璧に見えるプリントを再現できていない地域もあり、品質に厳しい日本市場に商品を出すには課題もあります」と慎重な姿勢を示す。

一方で、「海外でさらにブランド価値が高まり、日本に逆輸入できるようなきっかけが生まれたらうれしいですね」と、期待もにじませた。

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