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2026年4月18日、王子ホールにて、若手ピアニスト・岩間優希によるソロリサイタル『First Edition』が開催される。 タイトルが示す通り、本公演は彼にとって“まっさらな一ページ”を切り開くような位置づけの一夜だ。

5歳でピアノを始め、日本クラシック音楽コンクール、日本演奏家コンクール、全日本学生音楽コンクールなどで入賞・受賞を重ねてきた岩間。今春からは東京音楽大学大学院 鍵盤楽器研究領域修士課程へと進学する。学内外の推薦演奏会やシリーズ公演にも数多く出演し、演奏家としての経験を着実に広げてきた。 2025年7月には初のソロリサイタル『ドン・ジョバンニ蘇る』を開催。ソロリサイタル初挑戦とは思えない構成力とステージングで、大きな反響を呼んだ。

ショパンとリスト――同時代に生きた“対照的な天才”を一夜で描く

今回のプログラムの軸となるのは、ショパンとリストという二人の天才作曲家だ。
「同じ時代を生きながら、価値観も表現もまったく異なる二人。その違いがピアニズムを生み、それぞれが唯一無二のスタイルを確立していきました。一夜でその対照的な世界を味わってもらえることが、このプログラムの大きな魅力です」
ショパンの《「お手をどうぞ」の主題による変奏曲》Op.2、そして壮大な構築力を要する《ピアノ・ソナタ第3番》。一方、リストからは《マゼッパ》《愛の夢》《ハンガリー狂詩曲第2番》と、技巧・詩情・熱狂のすべてを極限まで要求する作品群が並ぶ。
岩間自身、このプログラムを「フルマラソンのよう」と語る。
「体力的にも精神的にも簡単なものではありません。最後まで集中力を切らさず“完走”できるかは、自分自身にとっても大きな挑戦です」

演奏×トークで生まれる“共有される音楽体験”

そして、岩間のステージを語るうえで欠かせないのが、演奏前の軽妙なトークだ。 作品が生まれた背景や作曲家の人生を台本無し、自身の言葉で語り、その流れのまま演奏へと入っていくスタイルは、すでに多くの聴衆から支持を集めている。
「話をしっかり聞いたうえで演奏に入ると、音楽の意味や背景が共有され、聴衆と演奏者、そして音楽が一体化する瞬間が生まれることがあります。その空気感をホール全体で味わえるところこそが、今回の一番の見どころだと思っています」
ユーモアあふれるトークから、一転して研ぎ澄まされた演奏へ。 その鮮やかな切り替えは、“こんなコンサートは初めて”という声を生む理由のひとつだ。

「眠らせない」覚悟の、その先にあるもの

“お客様を絶対に眠らせない”。 岩間が自身のコンサートでたびたび口にするこの言葉は、 ただ刺激的でありたいということではなく、 一人ひとりに心から音楽を楽しんでもらいたいという強い思いの表れだ。自身も多くのコンサートに足を運ぶなかで、 「もっと聴き手と音楽が生き生きとつながる時間を届けたい」と感じてきたことを出発点に、岩間は120%の熱量でステージに臨んでいる。

憧れは清塚信也――「音楽を人に届ける」ピアニスト像

将来像として岩間が名前を挙げるのが、清塚信也だ。 大学の講義で直接話を聞いたことをきっかけに、「ピアニストという職業」を多角的に捉えるようになったという。
「演奏技術だけでなく、自分をどうプロモーションし、どう音楽を届け、どう聴衆と関係を築くのか。その視点に強く心を打たれました。清塚さんを一つの目標に、クラシック音楽を大切にしながら、音楽をより身近に、楽しく伝えられるピアニストを目指したいと思っています」

『First Edition』が刻む、新たな一歩

自身で企画・撮影・運営まで手がけるYouTubeチャンネルでは、時に“はちゃめちゃ”にも映る親しみやすい一面を見せる岩間。しかしその根底には、音楽と人に対する温和さと誠実さが一貫して息づいている。
祖父母を含む大家族のもと、愛されて育ったという背景は、その音楽の佇まいにも確かに表れており、華やかな技巧の奥に、聴く者を包み込むような温度を感じさせる。
『First Edition』は、単なる若手ピアニストのリサイタルではない。 ショパンとリスト、語りと演奏、知性と熱狂――そのすべてを抱え込み、聴衆と共有しようとする“体験型コンサート”である。 これから新星として羽ばたこうとする若きピアニスト・岩間優希が、 今この瞬間にしか鳴らせない音。 その第一章を、ぜひホールで体感してほしい。