シドニー東部の海岸で、正体不明の黒い球体が大量に打ち上がり、ビーチが閉鎖される事態が相次いでいます。
9Newsによると、発端は2024年10月中旬で、クージービーチなどに粘着性のある黒い“ボール状の残骸”が漂着しました。当初は「タールボール(油の塊)」の可能性が指摘されましたが、その後の分析で見立ては変わっていきます。
ニューサウスウェールズ大学の分析では、人為的な廃棄物の集合体であることが判明。主任研究者のジョン・ビーブス准教授は「これまで嗅いだことがないほどの臭い」と語り、調理油や石けんカス由来の成分に加え、医薬品、農薬、排泄物なども確認されたといいます。
2024年11月6日、NSW環境保護庁(EPA)は球体が脂肪酸や石油系炭化水素、さまざまな有機・無機物質から成るものだと発表。さらに人の髪の毛や繊維なども含まれており、船舶からの流出や下水由来など複数の可能性が検討されましたが、発生源の特定には至りませんでした。
2025年に入っても漂着は収束せず、ABCによると「数万個規模」が広範囲で見つかっていました。
そして2026年2月11日、ABCの朝番組「7.30」で、公営の水道・下水道事業者シドニー・ウォーターは、東部のマラバー下水処理施設の地下トンネルに巨大なファットバーグ(脂肪の塊)が詰まっていることを“有力原因”として示しました。
ダレン・クリアリー社長は規模について「最大でバス4台分の可能性」と述べた一方、「安全にアクセスできない区間」があるため除去が難しいとも説明しています。
報告書によると、油脂やグリース(FOG)の蓄積でトンネルが詰まり、下水網の中で球体が形成され、施設から約3キロ沖合の海に出た可能性を示しました。加えて、2024年10月13日の停電で急激な水流が発生したことも状況を悪化させたようです。
漂着が確認されたビーチは広範囲に及び、クリアリー社長は「将来も漂着しないと保証できない」と述べ、過去の説明が結果的に誤りだった点も認めました。


