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第98回アカデミー賞の授賞式が、日本時間3月16日(月)に行われる。

日本で見る方法や、作品賞のノミネートと日本公開日、受賞予想などの注目ポイントをまとめた。

<記事の主な内容>

・日本で授賞式を見る方法は?

・作品賞ノミネートと日本での公開日

・作品賞は?『ワン・バトル・アフター・アナザー 』と『罪人たち』の熾烈な争い

・俳優部門は?主演男優賞はティモシー・シャラメかマイケル・B・ジョーダンか

・『国宝』はどうなる?メイクアップ&ヘアスタイリング部門に、カズ・ヒロが6度目のノミネート

・パラマウントによるワーナー買収。トランプの影響は

(左から)エイミー・マディガン、マイケル・B・ジョーダン、ジェシー・バックリー、レオナルド・ディカプリオ(左から)エイミー・マディガン、マイケル・B・ジョーダン、ジェシー・バックリー、レオナルド・ディカプリオ

▼日本で見る方法は?

日本では、NHK BSが3月16日(月)午前6時30分〜午前11時30分まで授賞式やレッドカーペットの模様を生放送。ゲストは佐々木蔵之介、瀧内公美で、レッドカーペットから要潤が中継するという。

WOWOWオンデマンドでも同日午後8時から字幕版が配信されるほか、NHK総合では録画による総集編が3月下旬に放送される。

授賞式はアメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、司会はコメディアンのコナン・オブライエンが務める。

▼作品賞ノミネートは? 日本での公開日

最注目の作品賞、ノミネートされたのは以下の10作品。主演・監督や、日本での公開・配信日は以下の通り。

・『ブゴニア』 :2月13日公開

主演エマ・ストーン、監督ヨルゴス・ランティモス

・『F1/エフワン』:Apple TVなどで配信中(劇場公開は昨年6月27日)

主演ブラッド・ピット、監督ジョセフ・コシンスキー

・『フランケンシュタイン』:Netflixで配信中

主演オスカー・アイザック、監督ギレルモ・デル・トロ

・『ハムネット』:4月10日公開

主演ジェシー・バックリー、監督クロエ・ジャオ

・『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』:3月13日公開

主演ティモシー・シャラメ、監督ジョシュ・サフディ

・『ワン・バトル・アフター・アナザー』:Amazon Prime Videoなどでレンタル配信中(劇場公開は昨年10月3日)

主演レオナルド・ディカプリオ、監督ポール・トーマス・アンダーソン

・『シークレット・エージェント』:2026年公開

主演ワグネル・モウラ、監督クレベール・メンドンサ・フィリオ

・『センチメンタル・バリュー』:2月20日公開

主演レナーテ・レインスヴェ、監督ヨアキム・トリアー

・『罪人たち』:Amazon Prime Videoなどでレンタル配信中および凱旋上映中(劇場公開は昨年6月20日)

主演マイケル・B・ジョーダン、監督ライアン・クーグラー

・『トレイン・ドリームズ』:Netflixで配信中

主演ジョエル・エドガートン、監督クリント・ベントリー

▼作品賞、『ワン・バトル・アフター・アナザー 』か『罪人たち』か

『ワン・バトル・アフター・アナザー』『ワン・バトル・アフター・アナザー』

ハリウッドの最高の栄誉とされる作品賞は、『ワン・バトル・アフター・アナザー』か『罪人たち』が有力候補。「近年で最も熾烈なオスカー争い」と呼ばれるほど、両作品とも、娯楽作品としても、社会批評作品としても評価が高く、授賞式でも最高賞にふさわしい盛り上がりを見せてくれるだろう。

PTAの愛称で知られるポール・トーマス・アンダーソン監督の『ワン・バトル・アフター・アナザー(以下、ワンバト)』は、レオナルド・ディカプリオ演じる元革命家・ボブが軍人に娘をさらわれ、取り戻すために奔走するストーリー。アメリカとメキシコの国境で拘束されていた移民を解放するため、ボブら過激派左翼グループが急襲する冒頭のシーンから迫力満載で、その後の逃走・追跡劇が最後までスリリングに描かれる。

革命家として活躍したが、現在は堕落した生活を送る父親役のディカプリオ、その妻で、圧倒的な強さを見せる革命戦士役のテヤナ・テイラー、狂気的な軍人役のショーン・ペン、今回がデビュー作となった娘役のチェイス・インフィニティなど、キャストもみな個性が立っていて、その演技も見どころだ。

一方のライアン・クーグラー監督の『罪人たち』は、黒人差別が残る1930年代の南部ミシシッピが舞台のヴァンパイアホラー。マイケル・B・ジョーダンが一人二役で、酒や音楽を振る舞うダンスホールを開店する双子の兄弟を演じた。

人種差別や奴隷制、白人至上主義団体KKK、アメリカに移民してきたアイルランド人、そして、黒人コミュニティから生まれたブルースが白人主導の音楽産業によって搾取された歴史など、複雑な社会構造をヴァンパイア映画の形式で描いた本作は、原作のないオリジナルストーリーとして、ここ10年間で最大のヒットを成し遂げている。

『罪人たち』『罪人たち』

ホラーなどのジャンル映画はオスカーでは冷遇される傾向にあったが、『ブラックパンサー』などで知られるクーグラー監督が多数の黒人キャスト、スタッフを起用し、アカデミー賞では史上最多の16部門でノミネートされている。

英国アカデミー賞(BAFTA)や全米製作者組合賞(PGA)を席巻したのは『ワンバト』だったが、3月の全米映画俳優組合賞(SAG)で最高賞にあたるキャスト賞を受賞したのは『罪人たち』で、マイケル・B・ジョーダンも主演男優賞に輝いた。依然として『ワンバト』が優勢とみられているものの、ハリウッドでも近年珍しくなったオリジナルストーリーのヒットとして、『罪人たち』への大きな支持も無視できない状況だ。

▼俳優部門は?ティモシー・シャラメかマイケル・B・ジョーダンか、それとも…

主演女優賞では、『ハムネット』のジェシー・バックリーの受賞がほぼ確実視されている。シェイクスピアの名作戯曲『ハムレット』の誕生背景を描いた本作でメガホンをとったのは、2021年のアカデミー賞受賞作『ノマドランド』のクロエ・ジャオ監督だ。

主演男優賞では、当初受賞が濃厚とされていたのは、30歳にして今回が3度目の主演男優賞ノミネートであるティモシー・シャラメ(『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』)だった。しかし、今勢いを見せているのは『罪人たち』のマイケル・B・ジョーダンだ。SAGを受賞した上、そのスピーチも評価されており、初のアカデミー賞受賞が決定的となったとみる声も多い。そして、この部門には、レオナルド・ディカプリオがいることも忘れてはならない。重要な前哨戦では受賞を逃しているが、『ワンバト』の強さから、ディカプリオがサプライズ受賞する可能性もある。

助演女優賞も、今年は予想が難しい部門の一つ。ホラー映画『WEAPONS/ウェポンズ』の不気味な老婆役で、40年ぶりに同部門にノミネートされたエイミー・マディガン。『罪人たち』で、スピリチュアルな役柄で存在感を見せたウンミ・モサク。『ワンバト』で出番は多くはなかったが、先の読めないストーリー展開に寄与したテヤナ・テイラー。前哨戦では、3者が代わる代わる受賞しており、最後まで接戦が続きそうだ。

SAGでの『罪人たち』キャスト、制作陣。左から3番目がウンミ・モサク、4番目がデルロイ・リンドー、5番目がマイケル・B・ジョーダンSAGでの『罪人たち』キャスト、制作陣。左から3番目がウンミ・モサク、4番目がデルロイ・リンドー、5番目がマイケル・B・ジョーダン

助演男優賞も賑わいを見せている。『ワンバト』からはショーン・ペンとベニチオ・デル・トロの2人の大御所がノミネート。それぞれ強烈な役所で、作品にも大きく貢献した。また『罪人たち』でブルースミュージシャンを演じたデルロイ・リンドーへの注目も大きい。スパイク・リー監督の『マルコムX』や、近年では『ザ・ファイブ・ブラッズ』などに出演しており、73歳の黒人映画界のレジェンドの受賞を望む声も広がっている。

▼国宝はどうなる?カズ・ヒロは6度目のノミネート

今年は日本からは李相日監督の『国宝』一作品のみがメイクアップ&ヘアスタイリング部門にノミネートされている。

2月に都内で開かれた会見で、ヘアメイク担当の豊川京子は、『国宝』はおよそ50年間にわたる物語のため、その経過をメイクで表現することに集中したと話した。豊川の発案で、クランクイン1週間前に合流した歌舞伎メイク担当の日比野直美は、普段は日本舞踊で顔を白塗りにする仕事をしている。映画の長時間にわたる撮影で、白塗りが崩れないよう保ち、寄りの撮影にも耐えうるメイクにこだわったと明かした。歌舞伎床山担当の西松忠は、撮影用のかつらを用意した。かつらの土台が銅で作られており、キャストが重たいかつらを頭にのせて耐えられるか試行錯誤を重ねたという。

『国宝』の李相日監督(右端)とメイク担当者ら。(左から)床山の西松忠、歌舞伎メイクの日比野直美、ヘアメイクの豊川京子『国宝』の李相日監督(右端)とメイク担当者ら。(左から)床山の西松忠、歌舞伎メイクの日比野直美、ヘアメイクの豊川京子

アカデミー賞のメイクアップ&ヘアスタイリング部門では、過去に日本出身のメイクアップアーティストのカズ・ヒロが、『ウィンストン・チャーチル』と『スキャンダル』で二度受賞している。カズ・ヒロは今回も、ドウェイン・ジョンソンが伝説の格闘家を演じた『スマッシング・マシーン』でノミネートされており、通算6度目の候補入りとなった。

『国宝』は、日本映画としては同部門に初のノミネートを果たす快挙となった。出演者の渡辺謙の推薦で、アメリカでトム・クルーズが上映会を行うなどのキャンペーンも行われていたが、同部門では強敵も多く、受賞は厳しい状況。しかし、歌舞伎の奥深さや化粧のこだわりについて、アメリカで知られる大きなきっかけになったことは間違いないだろう。

前哨戦の最中に飛び込んできたビッグニュースが、作品賞有力候補の『ワンバト』と『罪人たち』を作ったスタジオ、ワーナー・ブラザースを含む、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの買収だ。

2025年年末には、Netflixがワーナーを買収するとみられていたが、パラマウント・スカイダンスが対抗して数カ月にわたる争奪戦となっていた。最終的にはNetflixが撤退し、パラマウントが1100億ドル(約17兆円)で買収。9月末までの手続き完了を見込んでいる。

パラマウント・スカイダンスのデービッド・エリソンCEOと、その父でIT大手オラクル創業者のラリー・エリソン会長は、トランプ大統領と親密な関係にあると言われている。

ワーナー傘下にはリベラル系メディアのCNNもあり、報道姿勢に影響が出る可能性がある。映画においても、トランプ政権批判を含め、自由に作品を作る環境が十分に守られるのかと懸念する声も広がっている。ハリウッドの構図を大きく変える今回の買収。アカデミー賞の結果とあわせてチェックしたい。

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