東京大学未来ビジョン研究センターとアクサ生命保険は、企業の非財務情報である「人的資本」を独自の算出方法で数値化する新指標「ウェルビーイングスコア」を開発した。
2年間の共同研究の成果として発表。従業員のウェルビーイングと企業の経営成果の関係性を客観的なデータに基づいて明らかにすることを目指し、企業の持続可能な成長戦略への活用も見据える。

アクサ生命はこれまで、日本の経済を支える中小企業の発展と、従業員の福利厚生への貢献を重要な使命としてきた。日本の企業の99.7%を占める中小企業においては、限られた人的資源の中で従業員一人ひとりの状態が生産性や企業の成長に直結する。少子高齢化による労働力人口の減少が進む中、従業員の健康や定着は、いまや避けて通れない経営課題となっている。
一方で、ウェルビーイングの重要性は広く認識されながらも、それを企業全体のパフォーマンスと結びつけて定量的に示す指標はこれまで存在していなかった。人的資本の中核をなす要素でありながら、「測れない」という課題が残されていた。
今回開発された「ウェルビーイングスコア」は、こうした課題に応えることが期待される。
大規模なデータ分析により、このスコアの高低が企業の業績や人材の採用・定着、従業員の健康状態と密接に関係していることも示されたという。
実際に、ウェルビーイングスコアが高い企業は、低い企業と比べて離職率の抑制や労働生産性の向上といった経営指標において優位性を示す傾向が確認されている。従業員の健康や働きやすさの向上は、福利厚生の枠を超え、企業価値そのものに影響を与える要素になりつつある。

この指標の導入により、企業は自社の現状を客観的に把握し、健康経営の効果を検証しながら改善策を講じることが可能になるとしている。ウェルビーイングの向上を起点に、エンゲージメントや組織力の強化、ひいては持続可能な経営へとつなげることが期待される。
東京大学未来ビジョン研究センターは今後、人的資本と企業経営の関係性に関する研究をさらに深化させ、産学官連携による社会実装を進めていく方針だ。
アクサ生命保険株式会社も、全国の商工会議所・商工会、自治体等との連携を通じて企業の健康経営を支援し、働く人々のウェルビーイングと企業の持続的発展に貢献していくとしている。




