楽しいニュースをまとめてみました。

4月26日、堤真一主演ドラマ『GIFT』(TBS系)の第3話が放送された。

【画像】堤真一の腰を支える吉瀬美智子

本作は初回の平均世帯視聴率が「日曜劇場」枠では4年ぶりとなる2桁を割り込む結果となり、第2話と第3話の数字も1桁(それでも娯楽が多様化し、配信で観ている人も多い今では立派な数字だとは思うが)。これを「低調スタート」と伝える記事がウェブメディアに掲載されていた。

そうしたネガティブな記事に対し、多くの視聴者が「普通に面白いけどなあ」「私はこのドラマを楽しめている」と擁護していたが、「体温は平熱」な印象は拭えなかった。

第2話より第3話が…回を追うごとに高まる視聴者の熱量

日曜劇場の前作『リブート』のジャンルは「サスペンス」であり視聴者の「考察」も活発化していたが、今回の『GIFT』は「スポ根もの」。そのため、当初は視聴者から「王道だから先が読める」と軽視されたところもあるのかもしれない。

加えて、車いすラグビーという広く知られているとはいえない題材も少なからず視聴者を遠ざける理由になっていただろうし、車いすラグビーを宇宙物理学に結びつける発想もユニークながら「無理やり」と感じた人も少なくないのではないか。

しかし、第2話では宇宙物理学を車いすラグビーの戦略に応用する具体例が提示され、さらに今回の第3話では「決してメジャーではない題材でもドラマティックになる」ことが示されたことで、これまでのネガティブに捉えられかねない要素が「反転」した印象があった。

そのおかげか現在SNSで見かける視聴者の感想の多くは、「どんどん面白い展開になってきた」「早く次が観たい!」「考えさせられるシーンが多かった」といった決して平熱ではないもので、第1話よりも第2話、第2話よりも第3話と、確実にその熱は高まっている。その理由や、「王道」の枠に当てはまらない魅力がどこにあったのか、以下で振り返ってみたい。

日曜劇場『GIFT』日曜劇場『GIFT』

「誰もこの競技の名前すら知らなかった」痛烈に胸に刺さるセリフ

※以下、『GIFT』第3話の内容に触れています。

第3話で重要な展開といえば、車いすラグビーの「実態」が、ライバルチーム・シャークヘッドのコーチである国見明保(安田顕)から語られたことだろう。

彼は今回、「誰もこの競技の名前すら知らなかった」「金もない。遠征費も用具も全部自己負担」「スポンサー探しで企業周り。でも相手にもされない」「夢を見たって社会の波ひとつで飲み込まれる」「パラスポーツなんてね、最初に切り捨てられる側なんですよ。そのくせ試合に勝ったら『感動をありがとう』と俺たちの事情を何も知らないマスコミが囃し立てる」「ナメるな。俺たちはリハビリの延長なんかでやってんじゃねぇ。アスリートとして生きたいんだ」などと強い言葉で主張したのだから。

その国見はパラリンピックでシャークヘッドを金メダルに導いたが、「俺たちが1位を取ったことを何人が知っている?」「だから何度も何度も何度も、何度でも勝ち続ける。国ごと振り向くまでな!」とも叫んだ。

現実でも2024年のパリ・パラリンピックで、車いすラグビー日本代表が悲願の初金メダルを獲得しているのだが、そちらもどれだけの人が知っているのだろうか。いずれもが、車いすラグビーを知らなかった多くの視聴者の胸に、痛烈に刺さる言葉だ。

一方で、これまでも目立っていた国見のパワハラの問題が、さらにはっきりと描かれた。15年の回想シーンでは、当時同じチームだった宮下涼(山田裕貴)の頬を手の甲で叩き「少したりとも楽しむな。その先に勝ちはないぞ」と叱責し、選手たちに「勝たないとお前らの全ては無意味だ。それを肝に免じておけ!」と叫び、ある選手のスポークガードを叩いて「ここだよここ! ここに当てんだよ!」と怒鳴ったりもする。

現時点でその国見の態度に正面から批判をする登場人物はほぼいないが、物語上でこのままにしておくわけもないだろう。国から認められることを強く主張する彼と、「プロ化」を目指せばいいと言ってのける宇宙物理学者・伍鉄文人(堤)が、今後どのような関係になっていくのかも見どころだ。

これまで視聴者の熱が高まりきらなかったが……それでも第3話で引き込めた理由

さらに、第3話でブレイズブルズのメンバーそれぞれの「生活」を描いたのも重要だ。キャプテンの立川夏彦(細田善彦)が「うちはシャーク(ヘッド)とは違ってアスリート雇用の選手はいないから、平日はみんな仕事して、週末に集まって練習するのが精一杯」「家業を手伝うやつもいるし、外で働いているやつもいる、家族と一緒に暮らしているやつもいれば、1人で生活しているやつもいる。抱えている障害も違うし、周りの支えなしではやっていけない」と語るように、それぞれの事情が端的ながらはっきりと伝わった。

前述した国見の主張も併せて、この第3話でようやく『GIFT』の作り手が伝えたいことがはっきりした印象がある。それはパラスポーツおよび車いすラグビーの「見方を変える」「もっと広く深く知ってもらう」ということではないか。

そもそも車いすラグビーがメジャーではないため、初めは視聴率も感想の熱も高まりきらなかったのかもしれない。だが、それをドラマ界のドメジャーである日曜劇場枠で描くことで、「実態を広く知ってもらう」「選手の事情を想像してもらう」ことも可能になる。それを示した第3話で、ようやく視聴者を強く引き込むことに成功したと思うのだ。

涼(山田裕貴)が心から愛おしい。気になる伏線も

そんなふうに車いすラグビーの見方が大きく変わる第3話だったが、ほかにも見どころは多かった。

例えば、涼が記者の霧山人香(有村架純)から「どうしたら、そんなに前を向けたのかなって」と聞かれ、「前を向けた? 俺が?」と返した時の、山田裕貴の呆れと絶望を窺わせる表情が忘れられない。

そんな涼が泣きながら「みんな離れて行った。引き合う? 自分の重力? そんなの俺にまだあんのかよ!」と伍鉄に正直な気持ちを吐き出し、さらに父親の手を借りながら必死に練習をする朝谷圭二郎(本田響矢)を見て過去の自分を重ねること……それぞれが本当に愛おしく、心から彼の成長と活躍も見守りたくなる。

また、気になる伏線もある。人香の寝たきりにも見える父親に何があったのか(「遺書」も映った)、そして彼女が「好きなものがあるって、素晴らしいと思います」とブレイズブルズのメンバーに言える理由はなんなのか。

現時点では主要キャラとの絡みが少ない作曲家マネージャーの坂本昊(玉森裕太)が、「(作曲家への)未練がたらたら」であることも含めてどう物語に関わってくるのか。

最後に倒れたブレイズブルズの坂東拓也(越山敬達)を、和服姿の女性らが連れて行く展開も新基軸だ。

なお、公式Xでの第4話の告知には「B.T(坂東拓也)に一体何が…?そして、衝撃の事実が判明!?🪐ここからさらに運命が動き出します…!」とある。その「衝撃の事実」もまた気になるし、「王道のスポ根もの」であっても、すべての「先が読める」ということにはならないはず。次回も楽しみだ。

【あわせて読みたい】【『風、薫る』人物解説】まさに「春の藤原季節まつり」状態。わずかな出演時間で視聴者の心を奪う寛太役・藤原季節の味わい

…クリックして全文を読む