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大西洋を航行していたクルーズ船で、ハンタウイルス肺症候群の集団感染が疑われる事例が発生し、3人が死亡したほか、少なくとも3人が体調不良を訴えている。

世界保健機関(WHO)によると、5月4日時点で、このうち少なくとも1件がハンタウイルス感染だと確認された

生存する患者の1人は南アフリカの病院で集中治療を受けており、残りの2人はWHOと南アフリカ当局が連携して船から避難させる対応を進めているという。

ハンタウイルスとは

ハンタウイルス肺症候群は、重篤で致命的となりうる可能性のある呼吸器疾患だ。

初期には、発熱、頭痛、筋肉痛、吐き気、倦怠感など、インフルエンザとよく似た症状が現れる。

また10人中4人が死亡する重症度の高い疾患とされてる。

ハンタウイルスはネズミなどのげっ歯類が媒介し、一般的にフンや尿、唾液に触れたり、それらが乾燥して空気中に舞い上がったものを吸い込んだりすることで感染する。

まれではあるものの、ウイルスを持ったげっ歯類に引っかかれたり、かまれたりすることで感染する場合もある

【画像】ハンタウイルスを媒介する可能性があるネズミ

多くの場合、ヒトからヒトに広がることはないが、非常に珍しいケースとして、南米でヒト同士での感染が起きたという報告もある。ただし、2022年の研究ではその証拠は見つからなかった。

ハンタウイルスは、アメリカの俳優ジーン・ハックマン氏の妻であるベッツィ・アラカワ氏が2025年2月にニューメキシコ州の自宅で亡くなった際の死因として大きく報じられた。

検視の結果、妻と同時期に死亡していたハックマン氏の死因は心血管疾患と診断された。

ニューメキシコ州の公衆衛生獣医師であるエリン・フィップス氏は、「感染の大半は、患者の自宅や職場周辺で発生しています」「これは深刻な病気で、ニューメキシコ州では感染者の42%が死亡している」とアラカワ氏の死亡についての記者会見で説明した。

夫妻の死因を調査したヘザー・ジャレル主任検視官によると、ハンタウイルス肺症候群は感染後1〜8週間で症状が現れるとされている。

ジャレル氏は「ハンタウイルス感染症は、発熱や筋肉痛、咳、場合によっては嘔吐や下痢といったインフルエンザに似た症状で始まり、その後、息切れや心不全、さらには肺不全へと進行することがあります」と2025年の記者会見で説明した。

治療法はあるのか?

現時点で、ハンタウイルスの治療薬や治療方法は確立されていない。

感染した場合は、重症化を防ぐために、できるだけ早く対症療法を受けることが重要だ。

米疾病管理予防センター(CDC)によると、具体的には安静にして水分補給をし、症状に対する治療などが行われる。

ハンタウイルスに感染すると、「ハンタウイルス肺症候群(HPS)」と「腎症候性出血熱(HFRS)」の2つの重い疾患を引き起こす可能性がある。

いずれの場合も緊急の医療対応が必要だ。CDCは医療従事者向けの資料で次のように説明している。

「HPSが疑われる場合、診断が確定する前であっても、患者は直ちに救急医療を受ける必要があります。できれば集中治療室(ICU)での対応が望まれます」

「急性の症状が出た患者は急速に重症化し、死亡する可能性があるため、早期の集中治療が極めて重要なのです。重度の症状が出てからでは、治療の効果が低くなる可能性があります」

当局によると、ハンタウイルスは一般的な感染症ではないが、アメリカでは毎年、ヒトへの感染例が確認されている。

CDCのデータによると、1993〜2021年に感染が最も多かった州はニューメキシコで、コロラド、アリゾナ、カリフォルニア、ワシントンなどでも比較的多くの感染例が記録されている。

日本の厚労省は、ハンタウイルスを媒介するシカマウスやコトンラットやコメネズミなどのげっ歯類は、日本国内では見つかっていないと説明している。

ハンタウイルスの感染を防ぐには?

ハンタウイルスの感染を避けるには、ネズミなどのげっ歯類の排泄物に接触する可能性がある場面で、特に注意する必要がある。

フィップス氏は、記者会見で次のように強調している。

「ハンタウイルスは、ネズミの尿、フン、唾液を通じて人に感染します。そのため、ネズミがいた場所を掃除する際には特別な対策が必要です。特に換気の悪い場所では、ネズミのフンや尿が空気中に舞い上がったものをに触れたり吸い込んだりしないようにすることが重要です」

さらに、具体的な予防策として、以下の手順を勧めている。

・ネズミがいた場所を掃除する際には、手袋と顔にピッタリとフィットしたN95マスクを着用し、事前に少なくとも30分間は窓やドアを開けて換気する。

・原液濃度が10%の漂白剤の溶液または市販の消毒剤を5分ほど置いてから、ペーパータオルで拭き取る。

・使用したペーパータオルは、手袋を外す前に、フタ付きのゴミ箱に捨て、定期的に空にする。

・手袋をしたまま石けんと水、または消毒剤で手を洗う。手袋を外した後、もう一度石けんと水で手を洗う。

フィップス氏は、絶対に避けるべきこととして、「ネズミのフンを掃いたり、掃除機で吸ったりしてはいけません。ウイルスを含む粒子が空気中に拡散してしまいます」と強調している。

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。

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