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『すばらしき世界』『永い⾔い訳』の⻄川美和監督が原案・脚本・監督を務めるオリジナル最新作映画『わたしの知らない⼦どもたち』が、2026年10⽉16⽇(⾦)に全国公開されることが決定した。本作で初主演を務める新進気鋭の新⼈・⼩⼋重葵美と、世界をまたにかけて国際的に活躍する⼆階堂ふみがW主演、また、スタッフには映画『国宝』にて数々の音楽賞を受賞したことが記憶に新しい実⼒派の作曲家・原摩利彦ら国内外で受賞歴を持つトップクリエイターが集結し、新たな視点から“戦後”を描く。

『すばらしき世界』の源流から生まれた、新しい視点から描かれる“戦後”

最新作映画『わたしの知らない⼦どもたち』舞台は戦後の日本。12歳で孤児となり“少⼥”を棄てた⼥の⼦と⽣きるために⽣徒を棄てた教師の再⽣への物語だ。本作の源流には、前作『すばらしき世界』の制作過程で出会った戦後の⽇本に実在した“知られなかった⼦どもたち”の存在があるという。

前作の原案となった『⾝分帳』(佐⽊隆三)には、⺟に捨てられ、戦後の混乱の中で孤児として街を彷徨い、進駐軍の靴磨きや新聞売りで糊⼝をしのぎながら、やがて裏社会に取り込まれていく⼀⼈の男の⼈⽣が描かれていた。広島県・広島市に⽣まれた⻄川美和監督にとって、「戦争」や「平和」は幼少期からの教育を通じてあまりに⾝近で、キャリアの初期にも、その重々しいテーマから逃れていたい気持ちもあったと振り返っていた。しかし、前作で出会ってしまった戦後に⽣きていた⼦どもたちの過酷な現実は、監督の⼼を激しく揺さぶった。「⼦どもたちを取り巻いた戦後の裏社会の物語をいつかもう⼀度作り直したい」――その抗いようのない衝動に駆られ、本作の企画は動き出したそうだ。

これまで、カンヌ国際映画祭「監督週間」に正式出品され、国内でも⾼く評価された『ゆれる』、モントリオール世界映画祭「ワールド・コンペティション部⾨」へ正式出品された『ディア・ドクター』、そして、トロント国際映画祭でのワールドプレミアを経て、シカゴ国際映画祭で「観客賞」と「ベストパフォーマンス賞(役所広司)」の2冠を達成し、シアトル国際映画祭でも「⼥性監督作品観客賞」を受賞した前作『すばらしき世界』など、華々しいキャリアの中で、⻄川美和監督作品では⼀貫して⼈間の業や複雑な⼼理を世界に問い続けてきた。これら数々の名作において多⾯的な魅⼒を放つ“男性主⼈公”を描いてきたが、本作では、⼩⼋重葵美と⼆階堂ふみを主演に迎え、“⼥性主⼈公”の視点から物語を紡ぎ出す。本作のタイトルにある“わたし”とは、原案者 ⻄川美和監督⾃⾝であり、同時に⼆階堂ふみが演じる主⼈公の教師・曽根の⽬線でもあり、これからこの物語と出会う私たち⼀⼈ひとりでもあるという。

12 歳の女の子が“少女を棄てる”——衝撃の物語

戦争で家族を失い、社会からこぼれ落ちた⼦どもたち。当時、街には進駐軍相⼿の慰安施設や路上売春が広がり、低年齢の少⼥たちまでもが性的搾取の危機に晒されていた。 その現実から逃れるため、⾃らの性別を隠し、“少年として⽣きる”ことを選んだ少⼥がいた――。本作は、“⽣まれながらのアウトロー”ではなく、どこにでもいたはずの⼀⼈の少⼥が、戦争によって変わっていく物語。主⼈公・琴⼦は、⾳楽家の⽗のもとで、普通の暮らしをしていた少⼥。 しかし戦争と敗戦によってすべてを失い、 「⽣きるために、⾃分⾃⾝を⼿放す」という選択を迫られる。

そして、曽根は、かつて教師として軍国主義教育に加担していた側だったが、敗戦とともに、信じていたものも⽴場もすべてを失っていく。⽣徒を棄て、⾃らの⽣き⽅さえも⼿放しながら、それでもなお、今⽇という⼀⽇を⽣き延びていく。過去に背負ったものと、抗うことのできない現実のあいだで揺れながら、加害でも被害でも割り切れない、その両⽅を抱えたまま、⽣きるしかない過酷な運命を辿っていく。琴⼦は、少⼥を隠し“少年”としてどこへ向かうのか。 曽根は、再び⼈として⽴ち上がれるのか。

大抜擢。12 歳の新星 ×国際的に活躍する二階堂ふみ、そして実力派キャストが集結

主⼈公・琴⼦役に抜擢されたのは、約500⼈のオーディションの中から選ばれた、当時11歳・⼩学校5年⽣の⼩⼋重葵美。 そして⼥性教師・曽根役には、2025年開催の第78回カンヌ国際映画祭において、出演映画『遠い⼭なみの光』(⽯川慶監督)が「ある視点」部⾨に正式出品され、⼤きな注⽬を集め国際的評価を確⽴している俳優・ ⼆階堂ふみ。近年では、エミー賞をはじめ世界的な賞レースで⾼い評価を受けた「SHOGUN 将軍」に出演し世界配信作品の中核キャストとして国際的な認知を獲得したりと、国内外の作家性の⾼い作品において確かな評価を積み重ねてきた。

さらに、 数々の主演作・受賞歴を持ち、⽇本映画界を牽引してきた⽵野内豊、 ⾳楽・映像の両分野で活躍し、若年層からの⽀持を集める次世代俳優櫻井海⾳、 そして国内映画祭での評価も⾼い実⼒派若⼿花瀬琴⾳が脇を固める。また、⼦どもたちのキャストには、徹底したリアリティを追求。 戦争の記憶に触れる機会も少ない彼らに対し、計3回の歴史・⽣活に関する勉強会を実施しながら丁寧に制作。単なる演技指導ではなく、当時の価値観や感情に対する理解を深めた上で撮影に臨んでいるという。

『国宝』『ゴジラ-1.0』——受賞歴が証明する、日本映画最高峰のスタッフが集結

また、本作には、国内外で受賞歴を持つトップクリエイターが集結。⾳楽を⼿がけるのは、映画『国宝』において数々の⾳楽賞を受賞し、坂本⿓⼀からも その⾳響設計・空間構築において⾼い評価を受けた実⼒派の作曲家・原摩利彦。クラシック、現代⾳楽、環境⾳を横断するその表現は、 単なる劇伴の枠を超え、“物語のもう⼀つの語り⼿”として機能する⾳楽として国内外から注⽬されている。⾳楽収録はイタリア・ローマで実施され、原は「イタリアの指揮者や奏者が真剣に映画や⾳楽に向き合ってくださる驚きと演奏を通しての気づきがあった」と⼿応えを感じていた。また同席した⻄川監督も「⾳楽的な歴史の厚みを感じる演奏」と⼤絶賛。さらに、本作で原摩利彦は映画初出演を果たし、⾳楽家役として重要な役としてカメオ出演している。

そして、映像の⽅でも世界が認めたチームが本作を担当する。1945年の街並みを再現するためにVFXを担当したのは映画『ゴジラ-1.0』で 第96回アカデミー賞 視覚効果賞を受賞した⽩組チームが担当。 ハリウッド⼤作を抑えての受賞という快挙により、 ⽇本のVFX技術が世界⽔準であることを証明した彼らが、 本作では戦後直後の⽇本を再構築する。今回の特報では、東京に広がっていた闇市や焼け野原など⼀部そのスケールを体感できる。

そして、これまで⻑年にわたり⻄川監督作品を⽀えてきたスタッフも再集結する。撮影は、『許されざる者』で⽇本アカデミー賞 最優秀撮影賞を受賞し、『すばらしき世界』では毎⽇映画コンクールほか各映画賞で⾼い評価を受けた笠松則通。美術は、三ツ松けいこ。本作では徹底した時代考証に基づく空間設計と、⽣活の痕跡まで丁寧に作り込まれた美術を担当する。そして、⾐裳デザインには、『キル・ビル』に参加し、国内外での作品経験を持つ⼩川久美⼦、ヘアメイクデザインではカンヌ国際映画祭でも評価を得た『万引き家族』『ある男』『蜜蜂と遠雷』など⼈物造形を⼿がけてきた酒井夢⽉が参加する。録⾳は、『国宝』で⽇本アカデミー賞 最優秀録⾳賞を受賞し、繊細な⾳響設計で⾼い評価を受けてきた⽩取貢が担当する。国内外で評価を受けてきたスタッフが再び集まり、⻑年の信頼関係のもとで本作が作られている。⽇本映画界の第⼀線で活躍するクリエイターたちが、これまで語られてこなかった戦後の物語に挑む。

ティザービジュアル&特報が解禁

『わたしの知らない⼦どもたち』特報映像

ティザービジュアルの撮影を担当したのはアジアを中⼼に注⽬を集める写真家・レスリー・チャン。ウォン・カーウァイ作品に影響を受けた⾊彩感覚と、⼈物の内⾯を切り取る繊細な視線で知られる彼が、本作で初めて映画ポスターの写真を担当し、“語られない感情”を⼀枚の写真に封じ込めた。写し出されるのは、「少⼥」を棄て少年として⽣きると決意し⾒つめる琴⼦の意志と、⽣徒を棄て何かを失ってしまった曽根の空虚な姿。コピーには、「12歳。私は「少⼥」を棄てました」「私は⽣徒を棄てました」というそれぞれに置かれた現実を表す⾔葉がひかれ、⼆⼈の⼈物が辿る途⽅もない選択と、その重みが浮かび上がる。デザインを担当したのは、吉良進太郎。作品の核⼼を鋭くすくい上げている。

特報では、戦後の混乱の中、少⼥を棄て、少年として⽣きることを選んだ琴⼦と、かつて棄てた⽣徒を探し続ける⼥性教師・曽根の姿が交錯する。VFXでリアルに表現される1945年の焼け跡の街。⾏き交う⼈々。⾔葉にならないまま積み重なる時間。「12歳の彼⼥は、「少⼥」を棄てた。」この1⾏で表現されるのは、「もし⾃分がその時代に⽣きていたら何を選んだのか」という問いを、今を⽣きる私たちに静かに投げかける。

特報映像・ティザービジュアル解禁に合わせ、キャスト、監督らのコメントも到着した。

>キャスト・監督らのコメントは次のページへ

 

⼩⼋重葵美(茅野琴⼦役)

この映画の主演が決まったと聞いたときは、とても驚きました。すぐには信じられなくて「夢なんじゃないか」と思いました。でも、時間がたつにつれ、「⾃分に主演が務まるのかな」と不安になることもありました。作品の中⼼として、たくさんの⼈に影響を与える⽴場だと実感したからです。だからこそ、⼀つ⼀つのお芝居にしっかり向き合い、より良い作品にしたいと思いました。この作品に関われることに感謝しながら、精⼀杯頑張ろうと強く思いました!⻄川美和監督と⼀緒に映画制作に取り組む中で、楽しい気持ちや新しいことに挑戦できる嬉しさをたくさん感じました。スタッフさんや共演者さん、家族にたくさん⽀えてもらい、相談に乗ってもらえたおかげで⼼が軽くなって、お芝居や⼈と接
することがどんどん楽しくなりました。
この作品は戦争や戦後がテーマで、関わる中で当時の⼈々の苦しみや悲しみについて深く考えるようになりました。
資料館や原爆ドームを⾒学した時、平和が当たり前ではないということを実感しました。今も世界のどこかで戦争が起きていて、戦争を軽い気持ちで⾒てはいけないと思いました。私は、戦争を経験していないからこそ、「もし家族がこうなったらどう思うんだろう」と⾊々なことを深く考えて、琴⼦という役を⼤切に演じました。
この経験を通して、これからも歴史を学び続け、⾃分にできることを考えていきたいです。

⼆階堂ふみ(曽根⽂美⼦役)

⻄川監督とは、脚本執筆中にお話を伺ったことが最初の出会いで、完成した脚本を読んだとき、戦後という価値観が⼀変した時代を“⼦どもの視点”から描く、その新しい語り⼝に強く⼼を動かされました。⼦どもたちが戦後にあったさまざまな過酷な現実を頭で理解するのではなく、そのまま受け⽌めながら⽣きていく姿が描かれていて、胸が締めつけられる思いがしました。撮影現場では⻄川監督と丁寧に対話を重ねながら、登場⼈物が抱える⽭盾や葛藤、そして“被害者でもあり加害者でもある”という⼈間の複雑さに向き合い続けました。
琴⼦を演じた⼩⼋重さんは、初めて会ったときからまっすぐな眼差しが印象的で、その純粋さに何度もハッとさせられました。撮影を重ねるごとに表情や佇まいが変化していく姿から、役と真摯に向き合い、その時代を⽣きていることが強く伝わってきて、⼼を⼤きく揺さぶられました。
本作は、戦争を過去の出来事としてではなく、いま私たちが向き合うべき問題として感じさせてくれる作品です。⼦どもにも⼤⼈にも、それぞれの⽴場でこの物語を受け⽌めていただけたら嬉しいです。

⽵野内豊(琴⼦の⽗:茅野孝⼀役)

⻄川監督の演出はとても細やかで、時間をかけて丁寧に作品づくりに向き合われている印象を受けました。もっと⻑く撮影していたいと思うほど素晴らしい現場でしたので、わずかな撮影時間でしたが、⼼地よい空気に⽀えられながらシーンに向き合うことができました。脚本は読み進めるほどに胸が締めつけられるような思いになりました。幼い⼦どもたちが、限られた選択肢の中で必死に⽣き抜こうとする姿に、⾔いようのない切なさが押し寄せ、また⼤⼈たちも⾃分のことで精⼀杯の⼈もいれば、救いの⼿を差し伸べる⼈もいて、誰もが明⽇⽣きていられるかわからない⽇々の中、どの道を選ぶことが正解なのかは、どんなに考えても答えがみつかりません。
⻄川監督が⻑い時間をかけて紡いだ物語は、限りなくノンフィクションに近い映像として、多くの⼈々の⼼に深く刺さる映画になるのではないかと思います。琴⼦を演じた⼩⼋重さんは、難しい役に真摯に向き合いながらも少しずつ変化していく姿がとても印象的で、これからの成⻑を楽しみに感じております。
本作は、戦時下の側⾯において当時の⺠間⼈がどのような思いで懸命に⽣きていたのか、教科書では知ることのできない現実をリアルに伝えてくれるものだと思います。これからは今まで以上に⼀⼈⼀⼈の意識や⼒が未来へと影響する時代が来ると思いますので、⼀⼈でも多くの⼈々にご覧いただけたら幸いです。

櫻井海⾳(琴⼦の兄:茅野律朗役)

台本を読ませていただいた際に、今この時代だからこそ意義のある作品だと強く感じました。そんな作品に参加させていただいたこと、強く幸せを感じています。争いの絶えない世の中で⾃分⾃⾝が出来ることは何なのか、きっと答えは無いし、半径数メートルの世界でしか⾃分はまだ⽣きられていないです。ただこの作品を通して、少しでもそういった
社会を考えたり、気にしたり、⽇常に溢れるニュースが⼈ごとではないと感じるようになりました。そんなことが観てくださった⽅々にも伝わればいいなと思っています。今回初めて⻄川美和監督とご⼀緒させていただきましたが、⻄川監督の持つ作品への愛情と熱量を常に感じていました。バイオリンの練習に来てくださり、現場でも丁寧にシーンを説明していただき、役者として⾮常に⼤きな経験になりました。是⾮多くの⽅に観ていただきたいです。

⾳楽・原摩利彦

『わたしの知らない⼦どもたち』の⾳楽を書き始めて、2年以上が経ちます。これほど⻑くひとつの映画⾳楽を書き続けたことはありません。⻄川美和監督より映画の構想を伺ってすぐに、あるモチーフを思いつきました。まだ脚本も届いていない頃に書いたそのモチーフが、この映画のメインテーマになりました。監督の強い思いに⼼を動かされたのだと思います。その後、主⼈公・琴⼦の⼼の奥底にあるものはどういうものだろうかと考えながら、作曲を進めていきましたが、⾮常に難しく、険しく⻑い道のりでした。最終的には、琴⼦のあの⽬に導かれて、今まで書いたことのない⾳楽ができたと思っています。この映画で描かれている⼦どもたちと同じような経験をする⼦どもたちがこの先いないように。今そういう状況にいる世界中の⼦どもたちが守られ、やりたいことに挑戦できる⾃由が与えられますように。この映画が多くの⼈たちのもとへ届くことを願っています。

原案・脚本・監督:⻄川美和

2020年のコロナ禍から企画し始めましたが、その頃は、これほど戦争が近い時代になるとは予想していませんでした。
この映画で描かれる物語は、⽇本の観客にとってすでに遠すぎる世界ではないかとも思っていたのに、いつの間にかこわいほど⾝近な物語になってしまったのは、複雑な気分です。⽇本の戦後と、そこに⽣きた⼦ども。それを実写映画で描くのは、とても重たいことです。戦争の惨禍を知らない私がそんな題材をあつかうことに絶えずためらいもありました。いっぽうで、どうせやるならなるべく新しいトーンで、かならず今を⽣きる⼈に届く語り⼝にしよう、これから⼤⼈になる⼈たちにも観てもらえるものにしようと、ものを調べ、⻑い時間をかけて脚本を書いてきました。なんとも⼤掛かりなこの映画にK2ピクチャーズがお⾦を出すと⾔ったときは、私の⽅がびっくりしましたが、その後、すばらしい⽬の輝きを放つ⼩⼋重葵美ちゃんと出会え、「この映画を必ずたくさんの⼈に観てもらいましょう」と⾔ってくれた⼆階堂ふみさんと出会え、そして私が⼼から尊敬するスタッフが集まって、渾⾝の⼒をふりしぼってくれました。⽵野内豊さんは静かな愛情で葵美ちゃんを応援してくれ、⾳楽的な才能にあふれた櫻井海⾳さんも⻑い準備を経て最良の結果を画に焼きつけてくれました。極めつけは原摩利彦さんが̶̶あの『国宝』を経て抜け殻かと思いきや、今作でも新たな試みとともに⼼を鷲掴みにされるような⾳楽を作ってくれて、信じられないことに、あとちょっとで本当に完成しそうです。⾃分の作品だということを時々忘れてしまうほど、きらめきに満ちた作品になっています。みなさん、10⽉の公開をぜひお待ちください。

プロデューサー:⼩出⼤樹

⻄川監督から、この映画を提案いただいたとき、正直、ビビりました。戦後を舞台にした今作においては、巨⼤⽣物は上陸しませんし、タイムスリップを伴う恋愛もありません。⼦どもたちを中⼼とした市井のひとびとが丁寧に描かれていますが、漫画の原作をもたないオリジナルストーリーです。どんな作品になるのか、話を聞いただけでは即座には想像しきれませんでしたし、作り切るのが本当に⼤変だろうと感じました。しかしながら、脚本を読ませていただくと、再び、ビビることになりました。⻄川監督が書かれた物語に惹き込まれたからです。そもそも、⻄川美和監督の作品が、僕は好きです。これまでの多くの作品で男性のキャラクターを主役に据え、ときに情けなく不器⽤で、同時に愛おしい姿を描いてきた⻄川監督が、今作では⼥の⼦をメインキャラクターにすえ、彼⼥が男の⼦だと偽り戦後の⽇本を⽣きていく、そして、彼⼥は少⼥から少しづつ⼥性になっていく姿が、⼤⼈たちとの出会いの中で描かれていました。⻄川監督の描きたい物語を映画という形にして、多くのひとに届けたいと思いました。⻄川組をこれまで⽀えてきたスタッフやキャストの⽅々をはじめ、主演の⼩⼋重葵美さんと、⼆階堂ふみさんといった素敵な俳優の⽅々との出会い、巨⼤⽣物の映画を制作されてきた⽩組さんを筆頭とするVFXチームとの出会い、原摩利彦さんやイタリアの⾳楽チームとの出会い、という、今作で描かれる物語さながらの、多くの⽅々との運命的な出会いに恵まれて、今作は制作されており、完成までもう少しです。劇場に⾜を運んでいただき、この作品を楽しんでいただければと思います。