お米擬人化“米”ディアニメ「ラブ米」の舞台化シリーズ『RICE on STAGE「ラブ米」』。2017年の1膳目(初演)から9年、ついにシリーズ初のライブ公演『RICE on STAGE「ラブ米」~OKABO SONIC 2026~』が開催決定。“関西の伝説の陸稲米”ハーベスター・陸稲耕二郎が主催する「OKABO SONIC」に、東西ハーベスターが続々参戦する。
今回はひのひかり役の田村升吾、白瑞光役の白柏寿大、日本晴役の吉澤翼にインタビュー。キャスト自身が「何もわからないんですよ」と語る「OKABO SONIC」とは? 抱腹絶倒なホカホカトークをグルメの皆さまにお届けしよう。
――まずはシリーズ初のライブ公演「OKABO SONIC」 開催を聞いていかがでしたか?
吉澤翼(以下、吉澤):ついに来たかという感じでしたね。僕が初めて出演した3膳目「Rice will come again」で岡さん(岡幸二郎)演じる陸稲耕二郎が主催するライブとして初めて出てきたのが「OKABO SONIC」というワードで。出てきたからにはいつかやるんだろうなと。こうしてようやく開催が決まったので、嬉しいです。
白柏寿大(以下、白柏):ちゃん(田村)待ちだったんじゃない?
田村升吾(以下、田村):いやいやいや、そういうのじゃないから(笑)! でも、「OKABO SONIC」が何かマジでわかってないんですよ……。
白柏・吉澤:(頷く)
田村:音の響き的に夏の某音楽フェスっぽいから、屋外でやるんじゃないのかなと!村井さん(脚本・演出・作詞の村井雄)なら劇場の天井を切っちゃうなんてこともやりかねないから、心配だなって思いました。
白柏:待って、それ質問への回答として正解? 大丈夫?
田村:(笑)。僕らも現時点で何をやるのか本当にわかっていないので、それがいまは楽しみです。
田村升吾
白柏:僕は3膳にも出ていないので、2人以上に「OKABO SONIC」 が何か分かっていなくて(苦笑)。ライブ開催が発表された上映会(RICE on STAGE「ラブ米」お正月だよ!グルメ★上映祭!in グラン米ゾン東京)では、空気が読める大人なので「心待ちにしてました!」感は出しましたが、内心はポカーンとしていました。いまもあまりついていけてません!
田村:きっと僕ら以上にグルメの皆さんが楽しみに待っていてくれたと思うので、僕らはよくわかっていませんが(笑)、開催できて本当によかったなと思います。
白柏:僕とちゃんが出演している別作品(舞台『魔法使いの約束』シリーズ)で、ちょうどこの前、5年で11作目という話をしていて。それを聞いて、「ラブ米って10年で5作品でまだ半分じゃん」って思って(笑)。そりゃグルメの皆さんも待ちに待つよね。
吉澤:でも最初は結構早かったよね。1年ちょっとのスパンでやっていて。
田村:気づいたら新米の関西米が増えていて。世代交代を感じたりなんかしてね。
白柏:いや、そこはやっぱり、ちゃんのひのひかりが「ラブ米」の座長ですよ!
田村:そう? そう言ってもらえるのは嬉しいですね。
白柏寿大
――吉澤さんは昨年の「神戸セーラーボーイズ 定期公演vol.4 RICE on STAGE「ラブ米」~Golden wheat~」でも日本晴として出演されていましたが、イベントなどを除くと、田村さんは2020年の「Rice will come again」、白柏さんは2018年の「I’ll give you rice」ぶりの出演となります。久々の「ラブ米」に向けてどんなことを考えていますか?
吉澤:日本晴はユニットのまとめ役で、升吾が不在の間もみんなを引っ張っていかなきゃと思っていました。今回、升吾が戻ってきてくれるので座長としてお任せして、僕はユニットのリーダーとして引っ張りつつ、ライブを楽しめればいいなと思っています。
田村:初演のときは10代で、とにかくがむしゃらに一生懸命やるしかない作品でした。それが気づけば若い世代の子たちも入ってきて、こんなに大所帯になって。なので、冷静にみんなをまとめる立場ではあると思うんですが、「ラブ米」である以上は若い子たちに引かれない程度に炊きあがっていきたいなと思います。
白柏:僕自身も年月を重ねてパワーアップしているので、改めて役に向き合うと新しい発見だらけだと思うんですよ。あの頃できなかった表現で、よりキャラクターの魅力が伝えられればいいなと思います。
吉澤翼
――炊飯器が天から降ってくる、おにぎりを実際にステージ上で食べるなど、様々なチャレンジングな演出・企画がありましたが、今回のライブでやってみたいことはありますか?
吉澤:関西米が増えてきて、キャストも神戸セーラーボーイズの子たちが増えたので、東西対決みたいなのやれそうだよね。
田村:いいじゃん、やろうよ。関東米の僕らは約10年経って古々米ならではの旨味が出ていると思うし、新米の子たちにも違った魅力があるだろうし。若い可愛い子たちには負けないぞ、というところをバトルで見せたいですね。実はセラボの子たちと面識はまったくないんだけど……ぶっ潰すくらいの気持ちでいきます(笑)。
白柏:セラボの子たちはすごくいい子っていう噂を聞くので、彼らの人生の足を引っ張らないようにしたいと思います(笑)。
――これまでを振り返ってみて、忘れられない印象的なエピソードや、改めて感じる「ラブ米」らしさとはどんなものでしょうか。
田村:僕らよりも周りのスタッフさんたちがいい意味でずっとふざけているんですよ。セオリーでいえばやらないだろうっていうことを、みんなが全力で楽しんで作っていましたね。当時はやっていることが面白いのか、本当にわからなくて(苦笑)。振り返ってみて、いまだからわかることだらけというか。
白柏:わかる。
田村:わからないけど、とりあえず降ってきたおにぎりを無言で一生懸命食べる、みたいな(笑)。でもその一生懸命さが、回り回って面白いとかかわいいとか、素敵に見えるんだと、いまならわかりますし、そういうところが作品が約10年続いている理由かなと思います。
吉澤:僕は新嘗祭かな。実際に神職の方に来ていただいてステージ上で新嘗祭を斎行するという特別公演で。実際にステージ周りに植えている稲を刈ったんですが、これが全然刈り取れなくて。祭壇を設置したガチのやつだから笑っちゃいけないのに、みんな下向いて笑うのを我慢して(笑)。
田村:それを見ている周りもみんな笑いをこらえるっていうね。あれは「ラブ米」らしいイベントだったね。
白柏:最後に本編出たのが2018年の「I'll give you rice」なので……ちょっと記憶が……(苦笑)。次の質問お願いします。
――来年には初演から10年を迎えます。「ラブ米」での経験は皆さんの役者人生にどんな影響を与えたと感じますか? 「ラブ米」がもたらした実りについて教えてください。
吉澤:これはすごくあります。「ラブ米」ってとにかくでかい声を出すんです。
白柏:その言葉だけ聞くとすごい馬鹿っぽいね(笑)。
吉澤:(笑)。舞台で声が枯れた経験もこの作品が初めてで、ほかにもエチュードバトルとかコメディ力とか。舞台上で自分を表現する力が、「ラブ米」によって培われたなというのは感じます。
田村:たしかに。僕はたっきーさん(合鴨ブラザーズ・兄鴨役の故・滝口幸広)に出会えたことが大きかったですね。ただただ一生懸命やることが一番面白いんだっていうことを、たっきーさんや福島海太くん(合鴨ブラザーズ・弟鴨役)の姿に教えてもらいましたね。若いときって、殻をまとって自分を素敵に見せようとしちゃう。そうじゃなくて、殻を削いでいった瞬間が一番輝くんだなっていうのを、この作品で知ることができました。
白柏:“いいからやってみよう”マインドが自分のなかにあるのは「ラブ米」のおかげかな。経験を積んでくると判断材料も増えてきて、これはやらなくていいかなって思うことが増えてくる。だけど、とにかくみんなで一生懸命やってみよう、そうしたら形になるって思えるのは、この作品の影響が大きいと思います。
――当時は演じながらわからないことが多かったとのこと。戸惑いを感じることもあったんでしょうか?
田村:戸惑うことだらけでしたよ(苦笑)。稽古中も気持ちがセリフに追いついてないんだけど、村井さんが「一回大きい声出して揃えて言ってみよう」と。ある種、洗脳みたいなものですよね(笑)。
白柏:当時の感覚だと、やらされていたに近いもんね(苦笑)。
田村:そうそう。当時はこの“みんなで揃えてデカい声で言う”という「ラブ米」様式って変だなって思っていたし。でも、いま思うとあれをあの精度でやれること自体がひとつの技術だったなと思います。
――久々に「ラブ米」に戻ってくるグルメ、そして新米グルメの皆さんにどうライブを楽しんでもらいたいですか? ライブへの意気込みとともにグルメの皆さんへの米ッセージをお願いします。
吉澤:新たなお米も増えているので、ぜひ自分の推し米を見つけて楽しんでもらいたいです。個性的なグッズが出るらしいという噂も聞いていて、僕もすごくワクワクしています。グルメの皆さんに楽しんでいただきたい、そのためには自分たちが楽しむのが一番だと思うので稽古も楽しく臨もうと思います!
白柏:正直、僕たちも楽しみ方の正解はわかんないです(笑)。でも、考えずとも温かくなって楽しめるのが「ラブ米」なのかなと。なんでもありを存分に楽しんでもらえたらと思います。「おかソニ」で……“釜”します! おし“米”!
田村:僕自身、久々の「ラブ米」ということで、ひのひかりを応援してくださっていたグルメの皆さん、お待たせしました! 昔から応援してくれているグルメの人も、今回初めて観るよという新米グルメの人も、グルメ同士ホカホカに温かく炊きあがって、隣のグルメと笑いあえる時間が作れたらいいなと思っています。関西の新米や久々に登場する関東米が集うライブなので、これまで一度でも観たことがある人、気になったことがある人にはぜひ足を運んでもらえたらなと。僕らも楽しい作品を作れるように頑張りたいです!
白柏:ちょっと待って、いまのちゃんの締めのコメントで焦ってきた。「OKABO SONIC」ってそんな偉大なライブなのか。さっきの僕のコメント、いい感じに盛っておいてください(笑)!
一同:アハハハハ!
取材・文=双海しお 撮影=荒川潤