ジョージア州ニュートン郡にあるメタのデータセンター(2026年1月13日)AI開発競争が加速し、世界各地でデータセンターの建設が進む中、周辺地域の水資源や環境、健康への影響を懸念する声が強まっている。
米民主党のアレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員は5月21日に行われた下院の監視・調査小委員会で、茶色く濁った水が入った2つの瓶を掲げて、データセンターを巡る問題について、EPA(環境保護庁)の当局者を追及した。
【動画】茶色く濁った水が入った瓶を掲げ、データセンター問題を追求するオカシオ=コルテス議員
同氏がEPAのジェシカ・クレイマー局長との質疑で取り上げたのは、ジョージア州に建設されたメタのデータセンターに関する課題だ。
オカシオ=コルテス議員は、「これはジョージア州モーガン郡の現在の飲料水です。メタのデータセンターが建設された直後から、水がこうなりました」と述べたうえで、「きれいな水とこの水との唯一の違いは、データセンターです」と主張した。
さらに「これは1つの井戸、1つの家族だけの問題ではありません」と続け、次のように訴えた。
「これが、あのデータセンターの隣で現在飲料水として使われている水の姿です。彼らは地方に住んでいますが、今、調理や入浴のために水を自宅へ配送してもらわねばならなくなっています」
オカシオ=コルテス議員は「EPAはデータセンターが地域の水資源に与えている影響を調査する予定があるか」と質問。
クレイマー局長は「オフィスに戻り次第、あなたが話された内容を正確に調べるつもりです。どのような種類の建設であれ、EPAが定めた水質基準が確実に守られることが優先です」と回答した。
ジョージア州ダグラス郡にある Googleのデータセンター(2026年3月6日)オカシオ=コルテス議員はこの小委員会が開かれる2週間前にメタのデータセンターがあるニュートン郡の隣のモーガン郡を訪問している。
同氏はプレスリリースで「この地域で毎日使用される水の10%が、メタのデータセンターに使われています。ここは2030年までに深刻な水不足に陥る見通しです」と説明した。
非営利メディアのモア・パーフェークト・ユニオンは2025年、このジョージア州のデータセンター近隣で、水道の水圧低下や、水に茶色の沈殿物が混ざるようになったと報じている。
ニューヨークタイムズも、2018年にメタのデータセンター建設が始まった数カ月後から、近隣住民の家の洗濯機やトイレが正常に作動しなくなり、水道から水が出なくなったケースがあったと報道。住民側は、データセンターの工事によって地下水に沈殿物が混入し、井戸に影響を与えた可能性があると主張している。
同様の水問題はテキサス州やアリゾナ州など他の地域でも起きている。
しかしメタ広報は、「問題を訴えているジョージア州住民の所有地の井戸を調査したものの、同社のデータセンターが地下水に影響を与えた可能性は低い」との見解をニューヨークタイムズに示した。
全米各地でテック企業がこぞってデータセンター建設を進めようとする中、住民から反対の声が上がるケースも起きている。
しかしトランプ政権は、テック企業に対する厳しい規制を敷いてこなかった。
トランプ大統領は2025年夏、連邦政府がデータセンターに関連する認可手続きを迅速に行えるようにするための大統領令に署名した。
また、EPAのゼルディン長官は2026年5月、同庁が最終的な環境承認する前でも、データセンターの「建設に先立つ活動」が始められるようにする規則緩和案を提案した。
この「建設に先立つ活動」にはコンクリート基礎や配線、配管などの設置が含まれる。EPAは「そうした活動は人の健康や環境に影響を与えない」と主張している。
こうした動きに対し、オカシオ=コルテス議員と無所属のバーニー・サンダース上院議員は3月、データセンターによる環境負荷への対策が整備されるまで、新たな建設を一時停止する法案を法案を提出した。
オカシオ=コルテス議員の小委員会での追及は、公害に苦しむ住民と大企業を提訴した女性を描いた映画『エリン・ブロコビッチ』を思い出させる。
同作の主人公として描かれた環境活動家のエリン・ブロコビッチ氏は現在、アメリカ国内で稼働中、または建設中の主要データセンターをまとめた地図を公開し、情報発信を続けている。
ハフポストUS版の記事を翻訳・加筆・編集しました。




