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2026年8月1日(土)・2日(日)の2日間、横浜みなとみらいホールにて開催される『イープラス presents スタクラ 2026 in 横浜 ーSTAND UP! CLASSICー』(通称スタクラ)。2018年に日本最大級の野外型クラシック音楽祭として横浜の地でスタートしたスタクラは、以来場所や形態を変えて受け継がれてきた。2025年10月に2年ぶりに会場を横浜みなとみらいホールに移して復活。今年も再び、横浜みなとみらいホールにて歌あり、コンチェルトあり、クイズ大会あり(!?)のバリエーション豊かなプログラムで、2日間にわたり開催される。

スタクラ初登場の出演者も多いが、その一人が、神奈川フィルハーモニー管弦楽団の首席ソロ・コンサートマスターを務め、現在は、横浜みなとみらいホールプロデューサーも兼ねる、ヴァイオリニストの石田泰尚だ。結成30周年を超える「YAMATO String Quartet」のバルトーク(8月1日)、自身の名前を冠した『石田泰尚コンチェルト』(8月2日)なる田中祐子&神奈川フィルとの共演のほか、『石井琢磨 Produce 格付けクラシック』(8月1日)ではトークゲストも務める。

20世紀屈指の難曲を初披露、YAMATO String Quartet

――まずは8月1日、「YAMATO String Quartet」の公演です。

「YAMATO String Quartet」は1994年に結成し、活動は30年以上になります。結成当初からメンバーの入れ替わりも経て、現在は、僕が第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリンが執行恒宏、ヴィオラが榎戸崇浩、チェロが阪田宏彰というメンバー構成です。僕と執行と榎戸の3人が同い年で、阪田氏が僕の大学の一年上の先輩。同年代のカルテットです。

これまでには、ベートーヴェンの中・後期弦楽四重奏曲全曲を1か月・4回公演で弾ききる演奏会シリーズ(2020年・神奈川県立音楽堂)を行ったり、レパートリーとしては、ラヴェル、ショスタコーヴィチ、ボロディン、グリーグ、スメタナなども弾いています。

――今回は弦楽四重奏の金字塔・バルトークの楽曲(弦楽四重奏曲 第1番~第3番)に挑みます。この楽曲への取り組みは?

今回がほぼ初めての試みです。やるなら最初からやっていこうと、第1番から第3番までを選びました。僕個人としては、(弦楽四重奏曲)第4番は昨年、神奈川フィルのメンバーと演奏しましたが、すごく難しかったですね。

第1番から第3番は、スタクラが、YAMATO String Quartetとして初めての人前での演奏になりますので、楽しみにしてほしいですね。そろそろ準備しようかなという感じです(笑)。

フィナーレを飾るコンチェルトは、異なる組み合わせの妙に期待

――スタクラのフィナーレを飾る『石田泰尚コンチェルト』では、メンデルスゾーンとカプースチン、「ヴァイオリンとピアノのための二重協奏曲」を2曲演奏されます。

神奈川フィルとは、かわったコンチェルトをやろうということでこのプログラムになりました。メンデルスゾーンの二重協奏曲は初めてのレパートリーで、カプースチン(の二重協奏曲)は3度目の演奏です。

――メンデルスゾーンでの共演は菊池洋子さん、カプースチンは實川風さんです。お二人のキャスティングは、石田さんが希望されたとか。

菊池さんとは、ソリストとコンサートマスターという形で何回か共演していますし、昨年(2025)のデュオ・リサイタルでは、ブラームスのヴァイオリン・ソナタ第2番やベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第7番を共演しました。菊池さんは素晴らしいピアニストですし、いつかメンデルスゾーンのこの協奏曲をやりたい、と二人で話していたので、今回お願いすることになりました。

實川ちゃんとは、この4月に4回ほど、一緒にリサイタルをしました。彼は、自分で編曲や作曲もする素晴らしい音楽家。凄い才能の持ち主で、オールマイティに何でも弾ける人です。先ほどカプースチンは3度目の演奏と言いましたが、1回目がかてぃん(角野隼斗)と、指揮は今回と同じ田中祐子さん(2023年3月)、2回目に弾いたのが、實川ちゃんと、指揮は角田(鋼亮)さんでした(2025年11月)。この曲はジャズ的な要素がたくさんあります。ピアノが活躍し、ヴァイオリンもジャズ的な感じで楽しい曲ですが、簡単ではないです。

――指揮は田中祐子さん、オーケストラは石田さんが首席ソロ・コンサートマスターを務める神奈川フィルハーモニー管弦楽団です。

田中祐子さんは、初めてカプースチンを演奏したときだけでなく、神奈川フィルにはよく振りにきていただいていますし、神奈川フィルは、長年いるので家族みたいなものです。

今回のコンチェルト2曲は、曲ごとにピアノの共演者が替わるので、僕自身も楽しみにしています。

変化し続ける石田泰尚、様々な姿がスタクラの2日間に凝縮!

――石田さんはいろいろなレパートリーに次々と取り組んでいますね。

もうやるしかない(笑)。新しい楽譜を読むのは嫌いじゃないし、レパートリーが増えることはうれしいことです。

――コンチェルトでも、ウィントン・マルサリスやジョン・ウィリアムズのヴァイオリン協奏曲を演奏されましたし、今年はブリテンの協奏曲も予定されています。

みなさんがよく弾かれている有名どころのコンチェルトは、もう弾きたいとは思わなくなってきているんですよね。たぶん、あの有名な、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲はもう弾かないと思います。

反対に、普段は演奏されない曲に興味があります。基本スタンスとして、「来るものは弾く」。……有名どころは避けて。まだ知られていない曲を人前で弾きたいという気持ちを強く持っています。

――スタクラではそのほか、石井琢磨さんプロデュース『格付けクラシック』にはトークゲストとして出演されます。最後に総括してスタクラへの抱負をお願いします。

ソリストの僕、カルテットの僕、楽器を弾かない普通の僕(※トークゲスト)、といういろんな姿が見られるので、面白いんじゃないかな。楽しみにしていただきたいと思います。

僕自身は、バルトークの弦楽四重奏曲を3曲弾いた次の日にコンチェルト2曲はちょっと大変かなと思っています。体力勝負ということで(笑)、体調には気をつけます。

取材・文=山田治生 撮影=福岡諒祠