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関西出身4人組ボーカルグループ・THE FRANK VOXがフルアルバム『VOX LETTER 2』を5月20日にリリースした。温もりあふれる「ホッとソング」、心を熱くする「HOT SONG」という2つのテーマを軸にした11曲は、リスナーの日常に様々な形で寄り添う。そして、全国25都市を巡るツアー『VOX LETTER TOUR 2026~あなたの街まで直送便!配達バックパンパン便~』が、6月6日(土)・香川・高松Sound Space Rizin'公演からスタートした。ツアーファイナルは、グループ史上最大規模のワンマンライブ、11月15日(日)・大阪・大阪城音楽堂。彼らは2028年までに大阪城ホールでの1万人規模のワンマンライブを開催することを目指している。前に進み続ける熱い姿勢は、最新作について語る言葉からも伝わってきた。

――どのようなアルバムにしたいとイメージしていました?

RYO:僕らの根底にある温もりのあるものを手渡しするようなフルアルバムにしたいと思っていました。そこはずっと変わらないので、今回は『VOX LETTER 2』なんです。「LETTER」は「手紙」「文字」という意味があるので、「僕たちの気持ちを手紙のように届けられたらいいな」というのが一番のコンセプト。そこを今回もイメージして作っていきました。

――今後もフルアルバムは、『VOX LETTER』シリーズでいくんですか?

RYO:その予定です。

SNG:変えたい気もしますねえ。

RYO:貫いていきたいです(笑)。

RYO-TA:数字はわかりやすいけどな。

YASU:今回は2だから、次は3やな。

RYO:僕らはケツメイシさんとかを通ってきていて、「アルバムの3のあの曲、熱かったよな」みたいな会話をよくしていたんです。そういう現象を僕らも起こせたら楽しいのかなと。まあ、気まぐれで変えるかもしれないですけど。

――制作の進め方に関しては、何か今回ならではのことはありました?

SNG:前まではそれぞれがテーマを持ち寄って曲を作ってたんですけど、ゼロから4人で一緒に考えるようにもなっています。今回は合宿もしたんですよ。

RYO:いつも集まる制作部屋に集まったんです。2026年の三が日が終わってから、「制作合宿をしようぜと」とSNGが言いだして。締め切りがやばかったからなんですけど。

――いわゆる「缶詰」ですね。

RYO:はい。2ヶ月で10曲完パケしなきゃいけなくて。この2人(RYO-TAとYASU)は、「家帰られへんの?」と気が進まない感じでしたけど。

RYO-TA:そんなことないって。(笑)

SNG:僕は寝袋を2つ持ってるので「こんなんあるで」ってRYO-TAに言ったら、「じゃあいいね」と。寝袋で口説き落としました。

RYO-TA:寝袋で落とされました(笑)。合宿やってよかったです。

RYO:合宿中、自炊もしました。

RYO-TA:みんなで鍋しました。

YASU:みんなでスーパー行って食材買って。

RYO-TA:いろいろ放り込んだだけでしたけどね。

RYO:スタッフさんが気を利かせてギフト券をくれたりもして。こういう制作合宿は初めてでしたね。

RYO-TA:今回はラブソング、ウェディングソングとか、今まで作ってこなかったようなこともできたんですよね。「もうそろそろ、こういうのも作ろうぜ」と。

YASU:全曲、全員が納得するまで話し合いましたし、激上げのアップチューンも作ることができました。全曲シングルになるくらいのアルバムになったと思います。

THE FRANK VOX

THE FRANK VOX

――1曲目「ご挨拶〜VOX LETTER 2編〜」も、リード曲として推しますか?

YASU:あれは、ちょっと違うかも(笑)。

――(笑)。普段の4人の漫才のようなやり取りをそのまま収録した感じですからね。

RYO-TA:台本とかはなかったです。いつもこんな感じなんです。

YASU:一発録りです。

RYO:即興というか、車の中でボイスメモを回しといて、それを切り取ったような感じなんです。車の中での時間って大事なんですよね。移動車自体に思い入れがありますし。譲り受けた車なんですけど。

――和太鼓奏者の加藤拓三さんから譲り受けたハイエースですね。

RYO:はい。加藤さんは、ご家族で渡米して、5年間で1000公演を目指しているんです。渡米のタイミングがTHE FRANK VOXの結成とほぼ同じで、「これで大阪城ホールを叶えてくれ」と譲り受けたんです。

――ハイエースは、みなさんのたまり場?

RYO:そんな感じですね。イベントとかでも楽屋ではなくて、「車おるわ」っていう感じですから。

YASU:愛着がありすぎて、落ち着く場所です。

SNG:最近ポータブル電源を買って、いつでも作業できるようになりました。

RYO:移動中にパソコンで映像の編集とかできるように、みんなでお金を出し合って買ったんです。

SNG:移動中は揺れが激しすぎて、作業はなかなか難しいんですけど。でも、停車中に、いろいろできるようになりました。ハイエースの走行距離は、今、何万km?

RYO:多分、今回のツアーが終わる頃には40万km。

RYO-TA:ハイエースは、バンドの人たちもよく乗ってますよね。高速でハイエースが横通ったら気になって中見ます。「同じ感じの人なのかな?」って。

――車関連の曲といえば、「気ままに」もそうですね。

RYO:はい。どういうこと話して作ったんだっけ?

YASU:「ドライブソングないよな?」って。

RYO:そうか。普段の僕らそのまま。かなりリアルな曲ですね。

SNG:僕が普段お世話になってる方が「気ままに」ってよく言うんです。「気ままにいこう、SNGくん!」みたいな感じで。それで「気ままにで曲できひん?」って提案したら、「ドライブソングできるやん」とRYOくんが言って、RYO-TAくんがサビを持ってきてくれたんです。そこから車のあるあるを詰め込みながらできていきました。こんなに全員がラップした曲は今までにないですよ。RYOくんとYASUくんは基本的に歌なので。

――ドライブソングなのに、女性の気配が一切感じられないんですよね。

SNG:僕が一瞬「女性入れたら?」って言ったんですけど、「女性はいらん!」と却下されました(笑)。

YASU:「男くさくいこうぜ」と。

SNG:男しかおらん曲です。

RYO-TA:暑苦しい(笑)。

RYO-TA

RYO-TA

YASU

YASU

――男子体育会系の部室っぽいものを感じます。このグループ、サッカー経験者が多いですよね?

YASU:はい。僕以外サッカーなんです。

SNG:YASUは、テニスです。

RYO-TA:今朝も起きてワールドカップ観ました。

――男子のワチャワチャ感がある4人ですから、男性ファンも多いんじゃないですか?

RYO-TA:男性がどんどん増えてます。「気ままに」が好きって言ってくれる方もいますね。低い声がライブで響き渡るようになっているのが嬉しいです(笑)。いつか男性限定ライブとかもやってみたいですね。

――先ほど「温もりのあるものを手渡しするようなフルアルバム」と言っていましたよね。全曲の根底にあるのは、やはりそういう質感なのかなと。例えば「GOOD」は、夢を抱きながら前に進もうとしている人を讃える気持ちが温かく伝わってきます。

RYO:僕らは「2028年までに大阪城ホールでやる」と結成当時からずっと言ってるんですけど、いまだにバカにされることもあって。今の時代って、頑張って熱く何かを語る人をバカにする風潮になっているのを感じていて。でも、どんな時代でも結果を残すのは頑張ってるやつなんですよね。そういう風潮に対する疑問符をメッセージとして込めました。

SNG:いろんな意見とかをSNSで見て、自分のことを否定的に捉えてしまうことってあると思うんですけど、「君は君でいいんだよ」というのも伝えたかったんです。「生きてるだけでGOODだよ」って。

YASU:SNSとかで見たくない言葉を目にして気持ちが下がることは、僕もあります。でも、僕たちにみたいに音楽を伝える側がそうなってちゃだめだと思いますし、先頭に立ってこういうことを歌いたかったんですよね。

RYO-TA:こういうテンポ感、曲調は、意外とやってなかったんです。ライブでもこういう感じが欲しくて、「次、作ろうな」っていう話をずっとしていて、やっと形にできました。

――「かさぶた」や「道しるべ」も温かい曲です。

RYO-TA:僕たちは「ほっとソングを大事にしたい」って言ってるんですけど、「ほっと」は、ホッとするの「ホッと」と心を熱くする「HOT」という両方の意味なんです。「かさぶた」は、まさにホッとするの「ホッと」です。

SNG:「道しるべ」は、今の僕らの覚悟を詰め込んだ曲でもあります。今のツアーのファイナルは、11月の大阪城音楽堂。3000人のキャパなんですけど、挑戦なんですよね。「道しるべ」は、僕らみたいに覚悟を決めて何かに向かっている人に届いてほしいです。僕ら自身もこの曲に励まされてます。挑戦しながら怖さを感じることもあるというのも描けました。

――「かさぶた」は、『DayDay.』4月度エンディングテーマでしたね。番組のために書き下ろしたんですか?

RYO:番組をイメージして作ったのではなくて、曲ができてから使っていただけることになったんです。僕らは今までもエールソングをいろいろ作ってきたんですけど、朝聴いて爽快な気分になって、「よし! 今日頑張ってみよう!」っていう感じになるサウンド、言葉の曲を作ってみたくて。それが「かさぶた」でした。身近で仕事を頑張っている人を見た時に、きっと世の中には何のために頑張ってるかわからなくなるくらい必死に頑張っている人がたくさんいるんだろうなと考えて、「ギリギリで頑張っていてもいいじゃない? 余裕があるのがいいってことでもないし」っていうのを思いながら作りました。

RYO-TA:「頑張れ」って突き放されているようにも捉えられてしまう言葉なので、それを敢えて言わないエールソングでもあります。「一緒にやっていこうぜ」と寄り添うような曲にしたいというのも4人で話していました。

――一生懸命生きている人たちに対して、とても優しいグループですよね。

SNG:そういう人たちと生きていきたいんです。

RYO-TA:自分たちの周りには、すごく一生懸命にやっていて、温もりに溢れた人たちが多いんです。だから、こういう曲を作りたくなるんでしょうね。

――出会いを大切にしているのも伝わってきます。「相棒へ。」や「出会いの数だけ」は、それをすごく感じる曲です。SNG:いろんな人たちとの出会いがあって、ここまで来られているんですよね。それはメンバーに対しても思いますし。出会った人との距離が離れてしまったとしても、一緒に刻んだ時間が消えることはないので。「相棒へ。」はライブで歌ってると、お客さんを相棒として感じられる曲にもなっています。僕らと一緒に夢を背負ってくださっているみなさんが、全国にたくさんいますから。

RYO

RYO

SNG

SNG

――ラブソングも温かいですね。「君が笑ってくれるなら」と「幸せの一歩目」は、どちらも幸せなラブソングなのが印象的です。

RYO-TA:「君が笑ってくれるなら」は、浮かれてる感じの時期の曲ですね。

SNG:若い層に届いたらいいなあと思って作った曲です。

RYO:これ、20歳くらいやったら書けなかったと思います。30歳くらいにならないと、「大切な人が笑ってくれたらそれでいいや」って、なかなかならないでしょうから。20歳くらいだと、もっと恋愛に対してウキウキで、「好きや! 好きや!」なのかなと。恋愛って人間の一生のテーマ、普遍的でもあるので、幅広い層にも伝わるのかなと。若い層に届けたかった「君が笑ってくれるなら」ですけど、いろんな人たちに届いたら嬉しいです。

――幅広い層に届く曲にするために、どんな風に作っていったんでしょうか?

RYO:これ、制作合宿中の行き詰った時にできたんですよ。「おっさんが昼間に作ったラブソング(仮)」と「おっさんが夜中に作ったラブソング(仮)」の両方をスタッフさんに聴いてもらって「初めてのラブソング、どっちがいいですか?」と。圧倒的に「おっさんが昼間に作ったラブソング(仮)」の方がいいっていう意見が多くて、「じゃあ、こっちだな」と。

――「幸せの一歩目」は、ウェディングソングですね。

RYO-TA:ウェディングソングは初めてです。RYOの妹さんが結婚式をすることになりまして。いつもお世話になっておりますし、「曲書こうや」というところから始まりました。妹さんに宛てた曲になりすぎたので、リリースするにあたってもう少し間口を広げました。

――もともとのバージョンは、妹さんの個人情報が満載?

RYO-TA:はい。新郎新婦の個人情報が入ってました(笑)。

YASU:お客さんから「ウェディングソング作ってください」って言われてたんですよね。実は、それを言われた時にこの曲の制作に入ってたので、「もう作り始めてんねん」って言いたかったんですけど(笑)。やっとできたので、結婚式に使っていただけると嬉しいです。

――パーティーチューンも、強力なのができましたね。「WA !HA !HA !」は、ライブで間違いなく楽しくなる曲です。

RYO:もうライブでやってるんですけど、ものすごい盛り上がりを実感してます。「テーマパーク、USJとかで流れたらめっちゃテンション上がりそうじゃね?」っていうような話をしながら作りました。

――「アッパレ!」もお客さんが盛り上がる姿が目に浮かびます。

RYO:僕らには「Bravo!!」っていう曲があるんですけど、それはライブでドッカーン!と盛り上げたいところでセトリに組み込むんです。その曲を2、3年やってきて、「これだけに頼るのは違うんじゃないの?」となってきて、「Bravo!!」を超えるようなアッパーなキラーチューンを目指して作ったのが「アッパレ!」です。制作合宿の時、SNGとRYO-TAが、隣の部屋にこもって作業していたんですけど、怒号のような声が聞こえてきて。「なにやってんねん?」って思ったら、これを作ってて。

SNG:「Bravo!!」の時もRYO-TAと裸になって作ったんですよ。

RYO-TA:一応補足すると、パンツは穿いてました(笑)。

RYO:「アッパレ!」の時もパンツ一丁くらいになって、身体も動かしながら作ってましたね。ものすごい声を出してるから窓から覗いたんですけど、曲を作ってんのか遊んでんのかよくわからない感じでした。

SNG:ライブで盛り上がる曲にしたかったので、作る段階でそのテンションでいかないとだめだと思ったんです。

RYO-TA:机の上では、こういう曲は作れないですよ。

RYO:2人が部屋から出てきた時、「ライブ終わったんかな?」っていうくらい声がかれてました(笑)。

RYO-TA:それくらいやってよかったと思ってます。タオルを思いっきり回しながら盛り上がれる曲になりましたから。

――シタールっぽい音色が入ってたり、途中で沖縄民謡っぽくもなったり、サウンドでもかなり遊んでいますよね。

RYO:アレンジャーさんは「Bravo!!」のアレンジもお願いした方なんですけど、この曲でスランプに入ったって言ってました。「アッパレ!」にはラテン調、ソカっぽい要素も入ってますけど、「THE FRANK VOXでこのネタ使っちゃった。いろいろ出し尽くしちゃったなあ」というのもあったみたいで(笑)。

YASU:「アッパレ!」、とにかく楽しいんですよね。ライブでめちゃくちゃ盛り上がってます。ものすごく一体になれてます。

THE FRANK VOX

THE FRANK VOX

――今、ツアー中ですよね?

RYO:はい。約半年間のツアーです。25都市を回って、11月まで続きます。

RYO-TA:このツアーは「泣き笑い」をテーマにしたいと話していて。「ただただ楽しい!」っていうのもありつつ、いろんな感情が入り混じるライブをしたくて。泣きながら笑って、みんなで歌うような、そんなライブを各地で作り上げていきたいと思ってます。

YASU:いろんな感情になって、前向きな気持ちで家に帰れるライブにしたいんですよね。心を浄化してもらえるようなものになったら僕らも嬉しいですし、次のライブも頑張ろうっていう気持ちになります。

SNG:このツアーの前に、偉大な先輩たちとの2マンをしたんです。ET-KINGさん、SEAMOさん、ハジ→さん、吉田山田さん、HIPPYさん、シクラメンさんからいろんな刺激を頂きました。「俺らが辿り着きたい場所に向かうためにはレベルアップしないといけない」と思ったので、そのレベルアップのためのトライをしているのが、今回ってるツアーです。

――ツアーファイナルは、11月15日の大阪城音楽堂ですね。過去最大規模ですか?

RYO:はい。ツアーファイナルは、過去最大規模の場所でやるという挑戦を続けてきたんですけど、今回は大阪城音楽堂です。「2028年までに大阪城ホールに立つ」というのから逆算したら、この時点で大阪城音楽堂でのワンマンのチケットをソールドアウトする力を持ってないといけないんですよね。「大阪城音楽堂を埋められなかったら、大阪城ホールにエントリーすることすらできないよ」と関係者の方々から言われてますけど、ほんとその通り。挑戦ではあるんですけど、「楽しみ!」が一番気持ちとして大きいです。

SNG:野外のワンマンは、初めてなんですよ。

YASU:野外、気持ちいいでしょうね。

RYO:雨さえ降らなければ。

RYO-TA:雨が降ったとしても、それを演出に変えましょう! それくらいの気持ちでいます。8月はフェスとかにも出るんですけど、そこで僕らのことを知ってくれた人たちが、ツアーにも遊びに来てくれたらいいですね。

SNG:僕らはファンを「フランク一家」と呼んでいるんです。ライブは家族が集うような温かい場所にしたいんですよね。今回のツアーは初めて行く場所もあるんですけど、どこかに遊びに来てもらって、仲間になってくれたら嬉しいです。

取材・文=田中大 撮影=大橋祐希

THE FRANK VOX

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