メリーランド州で夫の帰国を求め記者会見したキルマー・アブレゴ・ガルシア氏の妻、ジェニファー・バスケス・スラ氏(2025年4月4日)トランプ政権によって、誤ってエルサルバドルに送還され、巨大刑務所「CECOT(テロ監禁センター)」に収容された米メリーランド州の移民キルマー・アブレゴ・ガルシア氏が4月17日(現地時間)、同州選出の民主党連邦上院議員であるクリス・ヴァン・ホーレン氏と面会した。
ヴァン・ホーレン氏が17日に、アブレゴ・ガルシア氏と面会した際の写真をBlueskyに投稿した。
投稿で「訪問の一番の目的であるキルマーとの面会が叶いました。彼の妻ジェニファーに、キルマーからの愛のメッセージを伝えました」とつづっている。
【画像】誤って送還されたアブレゴ・ガルシア氏とエルサルバドルで面会するヴァン・ホーレン上院議員
エルサルバドルのブケレ大統領も、アブレゴ・ガルシア氏がヴァン・ホーレン氏と面会する写真をXに投稿。
「キルマー・アブレゴ・ガルシアは、“死の収容所”と“拷問”から奇跡的に蘇り、熱帯のパラダイスであるエルサルバドルで、ヴァン・ホーレン上院議員とマルガリータを飲んでいます!」とコメントしている。
エルサルバドルのラリベルタで記者団の質問に答える、ヴァン・ホーレン議員(2025年4月16日)アブレゴ・ガルシア氏は2011年にエルサルバドルからアメリカに来て、その後アメリカ市民と結婚しメリーランドで暮らしていた。アメリカの移民裁判所は2019年、アブレゴ・ガルシア氏はエルサルバドルに戻れば地元ギャングから迫害を受ける可能性が高いとして、強制送還から保護する資格を付与した。
しかしトランプ政権は2025年3月、200人以上の移民とともにアブレゴ・ガルシア氏をエルサルバドルに送還し、CECOTに収容した。
その後、司法省の弁護士はアブレゴ・ガルシア氏の送還は誤りだったことを認めている。
米連邦最高裁は4月10日、トランプ政権はアブレゴ・ガルシア氏のアメリカ帰国を支援すべきとする判断を言い渡した。しかしトランプ政権は根拠を示さずに、アブレゴ・ガルシア氏はギャング組織「MS-13」のメンバーだと主張し続けている。
またブケレ大統領は14日にホワイトハウスでトランプ氏と面談した際に、アブレゴ・ガルシア氏をアメリカに戻すつもりはないと発言した。
ヴァン・ホーレン氏は今回の面談の前に、アブレゴ・ガルシア氏の安否確認と釈放を求めるためにCECOTを訪問したが立ち入りを拒否されたと発表していた。
ヴァン・ホーレン氏はアブレゴ・ガルシア氏との面会を伝える投稿で、釈放が可能かどうかについては触れていない。
一方ブケレ大統領は「彼が健康であることは確認されたので、エルサルバドル当局の管理下にとどまることになります」と投稿している。


