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米国移民・税関捜査局(ICE)による複数の移民一斉摘発が行われたことを受けてロサンゼルス中心部の連邦ビル前で抗議活動を行う人々(2025年6月5日)米国移民・税関捜査局(ICE)による複数の移民一斉摘発が行われたことを受けてロサンゼルス中心部の連邦ビル前で抗議活動を行う人々(2025年6月5日)

米カリフォルニア州のニューサム知事とボンタ司法長官は6月9日、ロサンゼルスの抗議活動にカリフォルニアの州兵を派遣したトランプ大統領の行為は違法だとして、大統領とヘグセス国防長官を提訴した。

【画像】トランプ大統領を批判するニューサム州知事の投稿

抗議活動のきっかけは?

抗議活動のきっかけは、米移民・税関捜査局(ICE)が6月6日にロサンゼルスのファッションディストリクトなど複数の場所で実施した、移民の一斉摘発だ。

40人以上が身柄を拘束されると、ダウンタウンの連邦ビルの前などで抗議と解放を求める抗議活動が行われた。ICEや警察がガスやゴム弾を使用して鎮圧しようとしたものの、抗議活動は南部のパラマウントなどに広がり、9日まで4日連続続いている。

抗議活動は大半が平和的に行われているが、一部では無人運転車ウェイモが放火されるなど激しさを増している。

ロサンゼルスの米司法省連邦刑務所局前で、抗議活動の参加者を拘束する当局関係者(2025年6月6日)ロサンゼルスの米司法省連邦刑務所局前で、抗議活動の参加者を拘束する当局関係者(2025年6月6日)

州兵の派遣に州は反発

トランプ氏は7日、抗議活動を鎮圧するためだとして2000人のカリフォルニア州兵を派遣するよう命じた

トランプ氏が州兵動員の根拠としたのは、大統領に州兵の派遣を限定的に認める「合衆国法典第10編第12406条(軍法典)」だ。

この軍法典は、以下の3つの条件のいずれかを満たした場合に、大統領に州兵の派遣を限定的に認めている。

・アメリカ合衆国、州、領土が外国によって侵略されたもしくは侵略の危険がある場合

・合衆国政府の権威を脅かす反乱が起きている、もしくは反乱の危険がある場合

・通常の軍隊では大統領が合衆国の法律を執行できない場合

大統領がこの法律の条項を使う場合、州兵に対する命令は「各州の知事を通じて発出されなければならない」と定められている。

ロサンゼルスのダウンタウンにある拘置所の前で対峙する抗議活動参加者と州兵(2025年6月8日)ロサンゼルスのダウンタウンにある拘置所の前で対峙する抗議活動参加者と州兵(2025年6月8日)

一方、ニューサム知事らは訴訟で、この軍法典の条項に基づくトランプ氏の州兵派遣は連邦政府の権限を越えるものであり、州の権限を保障するアメリカ合衆国憲法修正第10条に違反していると主張している。

その根拠として▼州知事の同意を得ていない▼州とその市民を守るための資源を奪っている▼カリフォルニア州兵の最高指揮官としての知事の役割を侵害している、などの理由を挙げている。

ボンタ司法長官は「侵略も反乱も起きていません。大統領は自らの政治的目的のために、現場に混乱と危機を作り出そうとしているのです。カリフォルニア州兵を連邦の管理下に置くことは、大統領による法律の乱用であり、我々は深刻に受け止めています」と声明で述べている。

ニューサム知事も「トランプは合衆国憲法を無視し、自らの権限を越えることで、恐怖と混乱を生み出しています。これは、州兵を乗っ取るために作り出された偽りの危機であり、我が国の共和制の根幹を損なうものです」とコメントしている。

また、知事は8日に出演したMSNBCの番組で、トランプ氏から州兵派遣に関する連絡はなかったと語り「手順や決まったプロセスがあります。彼はそれを無視しています」と批判した。

追加で2000人の州兵を派遣

一方、ロイター通信によるとトランプ氏は9日、「暴力が手に負えなくなるのを防ぐために、派遣を命じるしかなかった」と述べた。

また、「(政権の国境対策責任者である)トム・ホーマン氏はニューサム知事を逮捕すべきか」と質問に対し「私がトムだったらやるだろう。素晴らしいことになると思う」と答えた。

さらに、AP通信によるとトランプ氏は追加で2000人の州兵の動員を承認した。

ニューサム知事は、2000人の州兵の追加派遣について「これは公共の安全のためではなく、危険な大統領の自尊心を満たすための行為だ。無謀で、無意味で、そして兵士たちへの侮辱です」とXに投稿している。 

一方、トランプ政権は2000人の州兵に加えて、700人の海兵隊員も派遣する予定だと報じられている

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