ハフポスト日本版クイズ部です。クイズ研究会出身のライターが、ちょっとした豆知識を身につけられるクイズを紹介しています!
初夏になると全国各地で始まる「花火大会」。夏の風物詩としてすっかり定着していますが、そもそも日本で花火大会が始まった理由、ご存じですか?
【問題】
Q. 日本で初めて花火大会が行われたのは、どんな理由からでしょう?
A) 将軍の誕生日を祝うため
B) 大量の火薬を使うことで幕府の軍事力をアピールするため
C) 疫病の犠牲者を慰霊するため
D) 江戸の商人たちの商売繁盛を祈って
【まずは解説から(答えは最後に)】
花火と聞くと「お祭り」や「お祝い」のイメージが強いですよね。ですが、日本最初の花火大会は、もっと切実な背景から始まりました。
時は江戸時代・1733年。前年に起きた「享保の大飢饉」により、多くの人々が命を落としました。さらに疫病も重なり、江戸の町は深い悲しみに包まれていたといいます。
そんな中、幕府の第8代将軍・徳川吉宗は、隅田川で「水神祭」と呼ばれる祭礼を行い、犠牲者の慰霊とともに、疫病退散を祈願しました。この水神祭の中で、供養と鎮魂の意味を込めて打ち上げられたのが「花火」でした。
これが、のちに「両国川開きの花火大会」として定着し、現代の「隅田川花火大会」へとつながる、日本の花火大会の起源とされています。
つまり、日本で最初の花火大会は、華やかな娯楽ではなく、「祈り」と「慰霊」を目的としたものだったのです。
なお、日本人が火薬の存在を初めて認識したのは13世紀末の元寇(蒙古襲来)の際とされます。元軍が火薬兵器(てつはう等)を使用したことで、火薬の威力が日本に知られるようになりました。
その後、火薬の製法が日本に伝わったのは、それより約250年後、1543年にポルトガル人が鉄砲を伝えたときとされています。このとき種子島に漂着したポルトガル人が火縄銃とともに火薬の製造法も伝え、日本での火薬の本格的な使用と発展が始まりました。
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いかがでしたか?
花火には、単なる夏の娯楽を超えた歴史的な意味が込められていたんですね。次に花火を眺めるときには、そのルーツに思いを馳せてみると、いつもと少し違った見え方になるかもしれません。
このクイズはハフポスト日本版クイズ部が作問しました。

