RE .UNIQLOスタジオカウンターユニクロは、10月18日(土)の「国際リペアデー」を記念し、「楽しみながら愛着ある服を長く着る方法」を広めるキャンペーンを開始する。
リペアやリメイクサービスを行う「RE.UNIQLO STUDIO(リ・ユニクロ スタジオ)」があるユニクロ店舗で買い物した人を対象に、同社のリペア・リメイクサービスをお得に利用できるクーポンを10月13日(月・祝)から10月19日(日)まで配布する。
また、一部の店舗ではリペアワークショップを開催し、ウェブサイトでは関連コンテンツを拡充する。
キャンペーン開始を前に、私はユニクロ世田谷千歳台店で開催されたリペア・リメイク体験取材会に参加。その様子をレポートする。
手持ちのユニクロ商品に刺繍をプラス
体験会が行われたのは、東京郊外にある超大型店舗のユニクロ世田谷千歳台店。「RE.UNIQLO STUDIO」が設置された日本で最初の店舗だ。現在は国内の17店舗に設置されている。
広い店内の一角に「RE.UNIQLO STUDIO」カウンターを発見。
ここでは、500円から受けられる穴やほつれのリペアや、約100種類から選べるオリジナル刺繍(700円)、また日本の伝統的な刺繍である「刺し子」を用いたリメイクサービスを提供している(刺し子は同店舗含む一部店舗のみ)。
一部店舗では日本ならではの刺し子サービスも今日は、自身が数年前に購入したワッフル長袖Tシャツを持ち込ませてもらった。補修が必要なワケではないが、シンプルなデザインに最近ちょっと飽きてきたのと、定番アイテムであるがゆえに周りと被りすぎるため、何かワンポイント欲しくなったのだ。
カウンターでは、リペアやリメイクしたいユニクロの商品を持ち込み、スタッフと相談しながらオーダーを確定。受け取りは混雑状況により、当日から翌日以降になる。
刺繍のデザインを決める私は胸元に刺繍を入れてもらうことに。約100種類ほどあるデザインから、小さな赤いハート型を選んだ。
するとスタッフが刺繍の位置を固定し、裏側から何やら処理を施し、ミシンにセット。スクリーンを操作したかと思うと、自動でミシンが動きだし、あっという間に刺繍が完成した。
ミシンで自動に刺繍が縫われていくユニクロにはリペア・リメイクサービスがあるのをご存知でしたか?
実際に体験してきました🪡
これは手持ちの服に刺繍を入れてもらっているところです👇 pic.twitter.com/3iFpTZx4ju
— Yuko Funazaki (@yukofun) October 10, 2025
思い通りの出来に、私も大満足。もう数年着ているが、刺繍をしたことで「オンリーワン」感が増し、洋服の表情も変わって今年からはまた違った着こなしが楽しめそうだ。
個人的には、お気に入りの洋服に穴が空いても、「味が出た」としてそのままにしておくことが多い。逆に1番困るのが、とれない「シミ」で、これまでもたびたびワッペンでセルフ「リペア」してきた。それにより、「これじゃぁもう着られない」と思った洋服が何度救われてきたことかーー。
担当者によると、実際にリペアよりも刺繍サービスの利用が圧倒的に多いという。もちろん新品を買ってその場で刺繍を入れる人もいるだろうが、私のような「シミ隠し」のためにサービスを利用している人もきっといるはずだ。
リメイクTシャツを翌日職場に着ていくと、何も知らない同僚から「そのハートかわいい!」とお褒め頂いたRE.UNIQLOでは取り組みの一環として古着の販売も行っており、各店舗に設置されているRE.UNIQLO回収ボックスからそのまま服としてリユースできるものを選別・洗濯し、一部店舗で試験的に古着として販売している。
世田谷千歳台店はそうした店舗の1つで、一角にはジャケットからTシャツまで、味のある古着が並び、お手頃価格で販売されていた。
古着も販売されている世界のユニクロで展開
国際リペアデーとは、2017年から毎年10月第3土曜日に設定されたリペアの力を祝う日。ヨーロッパを中心に、世界中でその前後には多くのリペアイベントが行われる。今年2025年は18日に当たる。
ヨーロッパではリペア文化が進んでおり、この「RE.UNIQLO STUDIO」も誕生のきっかけは、ドイツのユニクロ店舗で2021年に行った服のアップサイクルワークショップだったという。
その後、リペアやカスタマイズのメニューを確立し、2022年に初の「RE.UNIQLO STUDIO」がロンドンにオープン。今や世界22の国と地域にある63店舗(2025年9月時点)に広がっている。
刺繍の柄は、各国のご当地デザインもあるという。
広がるリペアサービス
近年リペアサービスへの需要や注目度は高く、多くのファッションブランドが自社のサービスを立ち上げている。
パタゴニアのようなサステナブルブランドやケアの手厚いラグジュアリーブランドだけでなく、ZARAやH&Mなども、海外ではリペアやリメイク、古着の再販サービスなどを始めている。
ファストファッションブランドのこうした取り組みは、ただ表向きの「グリーンウォッシュ」だと批判する声もある。
実際に、ファッション業界の環境負荷は大きい。
UN(国連)によると、ファッション業界は世界で最も環境汚染の深刻な産業のひとつで、世界の温室効果ガス排出量のうち最大8%を占めているという。また、年間215兆リットル(オリンピックサイズのプール約8600万個分相当)と膨大な量の水を消費している。
一方、専門家によると、衣服の寿命を2倍に延ばすことで、温室効果ガスの排出量を44%削減できると推定されている。
私やあなたが今日ひとつの服をリメイクしてより長く着続けたからといって、環境への影響はほぼ変わらないだろう。
でも、これから新たに商品を購入するならば、それが高級品であれファストファッションであれ、本当に気に入ったものを買って大切に末長く使いたいものだ。


