イギリス王室が主催する競馬「ロイヤルアスコット」に参加したJ・K・ローリングさん(2025年6月20日)ファッション誌グラマーUK版の2025年「ウーマン・オブ・ザ・イヤー(今年の女性賞)」に、俳優のレイチェル・ゼグラーさんやデミ・ムーアさんのほか、さまざまな分野で活躍する9人のトランスジェンダー女性が選ばれた。
10月30日に公開された最新号は、この9人のトランスジェンダー女性が表紙を飾っている。
この表紙を、『ハリー・ポッター』シリーズ作者のJ・K・ローリングさんら、トランスジェンダー女性を女性と認めようとしない保守派がSNSで批判したものの、グラマーUK版が反論のコメントを投稿している。
9人が着た「プロテクト・ザ・ドール」Tシャツ
9人は表紙で、トランスジェンダー女性の支持を意味する「プロテクト・ザ・ドール」というスローガンが書かれたTシャツを着用している。
「プロテクト・ザ・ドール」というスローガンは、1980年代の黒人、ラテン系コミュニティのボールルームカルチャーやドラァグクイーンカルチャーに起源を持つ。
このスローガンが書かれたTシャツを、デザイナーのコナー・アイブズさんが2025年2月のロンドンファッションウィーク秋冬コレクションのランウェイで着用したところ、大きな話題に。
これまでに俳優のペドロ・パスカルさんや歌手のトロイ・シヴァンさん、TikTokスターから人気ポップアーティストになったアディソン・レイさんらがこのTシャツを着用し、売り上げは、トランスジェンダーの支援団体「トランス・ライフライン」に寄付されている。
グラマーUK版は2025年のウーマン・オブ・ザ・イヤーについて「女性の権利にとって特に困難な年に、シスターフッドと連帯を称えることの重要性に光を当てる」と述べている。
また9人のトランスジェンダー女性について次のように説明している。
「イギリスでトランスジェンダーの権利が脅威にさらされる中、グラマーは今年の『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』で、コミュニティを代表する9人の先駆的な声を称えます」
「ファッションや音楽から慈善活動、社会運動に至るまで、これらの先駆者たちはトランスジェンダーの声をエンパワーし、高め、祝うためにたゆまぬ努力を続けています」
ローリングさんが表紙に怒りのコメント
一方、この9人が「プロテクト・ザ・ドール」Tシャツを着る表紙に対して、ローリングさんはSNSで怒りを露わにした。
ローリングさんは30日、「私が子どもの頃は、人気女性誌は少女たちに『もっと痩せて、もっと美しくならなければならない』と言っていた。今や人気女性誌が少女たちに『男性の方が女性より優れている』と説いている」とXに投稿した。
このコメントに、グラマーUK版が返信。「次は頑張ってくださいね、ジョー」とコメントしている。
また、同誌は「怒り続けたらいい、J.K.」という小見出しのウェブ記事では、「素晴らしい表紙モデルに対するローリング氏のミスジェンダリング(本人の自認とは異なる性別で扱うこと)を、私たちは断固として拒否します」と伝えている。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。


