ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』コンサート Rails Live 2025が2025年11月22日(土)、TACHIKAWA STAGE GARDENにて開幕した。シリーズ10周年を迎えることを記念して開催されるライブ公演には53路線が登場。映像出演を含めると55路線が集結し、史上最大規模となる。初日開幕直前に行われたゲネプロの模様をレポートする。
2019年以来となる、シリーズ2作目のライブ公演。今回行われるのは“ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』第一回鉄デミー賞”とのこと。出演の各路線をほめたたえるための企画らしいが……? 全貌が謎に包まれたまま、いよいよコンサートの幕が開く!
会場となるのは、某世界的映画賞の授賞式を彷彿とさせるゴージャスなセット。センターにはレッドカーペットが敷かれ、どこか荘厳な雰囲気すら漂っている。とあるバンドによるオープニングアクトで、客席のボルテージは一気にマックスへ。東海道新幹線(永山たかし)による高らかな開幕宣言と「出発進行!」を合図に、さっそく会場が一体となるパーティチューンが鳴り響く。
鉄デミー賞では、10年の歴史を部門別に振り返っていく。これまでにシリーズとして上演されたのはナンバリング公演6作に加え、スピンオフ3作とライブ公演。
次々に披露されていく“鉄ミュ”ナンバー。総じて魅力的なのは、路線ごとの特色を作詞にも作曲にもふんだんに取り込んだキャッチーさ。アップデートされる鉄道事情も盛り込みながらコメディたっぷりに、時にはクールでかっこよく、時にはとびきり切なくパフォーマンスされる。
これほど多くの路線が勢ぞろいしたからこそ実現された演出もあり、見応えは抜群だ。かねてからの乗客たちには振り返りとなり、初めてシリーズに触れる場合には入門編として存分に楽しむことができるだろう。鉄デミー賞sideA、鉄デミー賞sideBどちらのバージョンでも出演キャラクター全員が登場するので、ぜひ両方のパターンを網羅したいところだ。
シリーズを象徴するナンバー『つながる青春』はもちろん、本作のために書き下ろされた新曲の披露も。コール&レスポンスに手拍子に、振付に万歳に敬礼と、ライブ公演でしか味わえない一体感はたまらない。メインステージからレッドカーペットの端から端に至るまで、ずらりと路線が並ぶ光景は圧巻だ。
“鉄ミュ”ワールドを存分に体感できる2時40分もの乗車時間は、あっという間に過ぎていく。終演後は10周年を迎えた感慨とともに、これからも新しい風景を見せてくれるであろうシリーズへの期待が膨らんだ。どこまでも続く線路のように、果てしない旅路をこれからも見届けよう。
なお、本公演は全5公演のライブ配信(見逃し視聴付き)ならびにアーカイブ配信あり。詳細は、公式サイトにて確認してほしい。
取材・文=潮田茗
>キャスト&川尻恵太(脚本・演出・作詞)コメントは次のページへ
東海道新幹線 役 永山たかし
ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』シリーズ、ついに10周年を迎えました。こんなに長く1つの作品に関わらせていただけたこと、本当に嬉しく思います。そして、ここまで運んできてくださった乗客(観客)の皆様の『愛』に、心より感謝申し上げます。
この「鉄ミュ」シリーズは、自分にとって代表作であり、ライフワークだと思っております。「コンサートRails Live 2025」は、"これまで"と"これから"の想いのすべてをのせて、一瞬が一生になるようなコンサートにしますので、乗客の皆様、ぜひともに走りましょう!
どこから乗車しても、すべての方に等しくアニバーサリー(兄バーサリー)です。
これまでも、これからも、「景色をつくるのは貴様らだ!!」……うむ。
西武池袋線・銀座線・常磐線 役 KIMERU
10年のときを紡いできた「鉄ミュ」シリーズ。楽しいことだけでなく、心の奥の箱に納めてしまいたいような出来事もありました。それを乗り越え繋いできた今の気持ちは、シンプルな言葉では表せません。ただ、「鉄ミュ」という存在が僕の『宝物』になっていることは確かです。
10周年のお祝いのライブ、「鉄ミュ」らしい内容になっています!皆様と一緒にお祝いができる今作、3役とも悔いのないように心から楽しみます!10年前からファンの方も最近知ってくださった方も、応援してくださり、ありがとうございます。支えてくださっている皆様への「感謝と奉仕!」を込めて、そしてこれからの未来にむけて!「コンサートRails Live 2025」全力で一緒に楽しみましょう♪
高崎線・都営三田線 役 郷本直也
ここまでの長くも短い道のりを、皆様と一緒に歩んでこられたことを嬉しく思います。
ライブだからって張り切り過ぎて、調子に乗って怪我のないように!……が、おじさん達の合言葉です(笑)。お客様に200%の「愛」をお届けします!
ここまで「鉄ミュ」の世界観を一緒に作り上げていただき、心より感謝申し上げます。今日この日から、また新しい未来へ向けてのスタートです。これまでもこれからも「つながる青春」。最高のひとときを過ごしましょうね!
秩父鉄道・都営浅草線 役 森山栄治
当初こんなに続くとは思っておらず、本当に嬉しいです。新たに加わったキャラクターを含め、キャストの仲間たち、スタッフの皆様、そして、なんといっても応援してくださる皆様のおかげです。10周年は、間違いなく皆様がつなげてくださった歴史だとはっきり言えます。感謝しかありません。本当にありがとうございます。
今日はライブです、お祭りです!「鉄ミュ」はもともとお祭りのような感覚ですが(笑)、ライブとなれば、よりお祭りです!!ドアタマから特急並みに飛ばしていくんで、ご来場くださる皆様は乗り遅れないようにお気をつけください♪
東海道本線役 鯨井康介
ご来場いただき誠にありがとうございます。10年続く作品になったことに驚きを隠せませんが、確かに感じているのは、公演を重ねるごとに、作品、路線たち、乗客の皆様への『愛』が深まっていったこと。そして皆様から、たくさんの『愛』をいただいたことです。これまでありがとう。これからも、よろしくね。
「鉄ミュ」クリエイターズの力により、とっても「鉄ミュ」らしいライブが出来上がりました。懐かしの楽曲たちを楽しみながら、公演の記憶もそっと思い出していただけるよう、はっちゃけてまいります。
さぁさぁ皆様!!兄さんを崇める準備は出来ていますか?愛でる準備は出来ていますか?最高にキラキラの笑顔と、内臓から絞り出すほどの発声でご唱和ください!せーの!
「兄ぃぃぃぃぃいいいいすぅあぁぁぁぁぁああああん!!!!!」
京浜東北線役 高橋優太
10年という年月は、私にとって人生の約4分の1。高速鉄道のように早く、あっという間に月日が経つ中で、さまざまな出来事がありました。これからもきっと、新しい路線がどんどん増える事でしょう。私もともに同じ線路を走っていきたいです。
10周年の節目のライブに出演する事ができて、とても嬉しく思っております。今回は、「鉄ミュ」の歴史を彩る路線が非常に多く出演します。シンプルな言葉ではありますが、皆様にとって良い思い出になるよう、努めてまいります。一緒に楽しめたら幸いです。ともに素敵な景色を描いていきましょう。
さあ、出発進行でございます!
東武東上線・信越本線 役 高崎翔太
ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』10周年、おめでとうございます!!すげー!!
忘れられない、先輩との共演に緊張しまくっていた初演。それからどんどん後輩が入ってきて、ときには先輩が入ってきて、気づけば10周年!!……これからも走り続けます!!
10周年のお祭りライブ、そりゃーもーありったけの愛をぶちまけます!僕の喉は立川に置いていくつもりで臨みますので、乗客の皆様も喉を捨てるつもりで来てください!みんなで盛り上げる、それが「鉄ミュ」のライブです。楽しんでいきましょー!!!
りんかい線・山形新幹線 役 山本一慶
10年間あっという間でしたが、「鉄ミュ」ではとても濃い歴史が紡がれてきました。多くのキャラクターが登場し、受け継がれ、現実の電車の路線のように大きく大きく育ってきたこと、とても嬉しく感じています。
10周年の節目のライブに2役で出演でき、本当に光栄です。また、この素敵なメンバーでライブをできることも嬉しく、とてもワクワクしています。それもこれも、皆様が熱い声援を送り続けてくださったから。
このライブを、集大成でありながらも新たな出発にできるよう力いっぱい頑張ります!最高に楽しいライブを、存分に楽しんでいってください!
宇都宮線(東北本線)・山陰本線 役 稲垣成弥
10周年って……凄すぎますよね。応援していただいている「鉄ミュ」ファンの皆様、本当にありがとうございます。今回のライブは、この10年の集大成。振り返ると、初演では新参者だった自分が、今やカンパニーの中堅。ここで楽しく作品づくりができていることに感謝しかありません。キャストや路線もこんなに増えて、カンパニーも大所帯に育ちました。次の10年を迎えられるよう、これからも頑張っていきます。
稽古場でできることはすべて終えてきました。最後の仕上げは「乗客の皆様とライブをつくること」。一緒に盛り上がってくれたら嬉しいです!ということで……「次の10周年に向けてのスタート、切っちゃいましょうか?(笑)」
脚本・演出・作詞 川尻恵太
初演から10年。そこで出会ったキャストたちやスタッフの皆さんとも、10年来の付き合いになりました。10年来の付き合いということは、もう立派な友人です。そして、乗客の皆様とも10年来のお付き合い。皆様も心の友です。たくさんの友人たちとともに、10周年を盛大にお祝いしたい。そう思っています。
我々一同、みんな年齢が10上がっているので、まさに命がけです。死闘です。おそらく全てが終わるころには精魂尽き果てていると思います。最速300キロオーバーで駆け抜けますので、皆様ついてきてください!
ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』キャスト・スタッフ一同、皆様の走馬灯にトンチキなシーンを1つでも多く残すために走り続けますので、これからも引き続きどうぞよろしくお願いします