2025年のノーベル生理学・医学賞を受賞したアメリカの免疫学者フレッド・ラムズデルさんが、“自身の転機”となったハイキングブーツをスウェーデン・ストックホルムのノーベル賞博物館に寄贈しました。
受賞者は、ノーベル賞博物館を訪れた際、自身にゆかりのある物を寄贈することが恒例行事となっており、ラムズデルさんのブーツもそのひとつとして贈られました。
ラムズデルさんは発表当日、ワイオミング州の雪深い山岳地帯でスマートフォンを機内モードにしたまま「デジタルデトックス」をしており、受賞の知らせを受け取ったのは通知が200件を超えた頃でした。
そうした“山奥での一日”を象徴するのが、今回寄贈されたハイキングブーツだといえます。
ラムズデルさんは、大阪大学の坂口志文特任教授、米システム生物学研究所のメアリー・ブランコウさんとともに、免疫システムが自分自身を攻撃しないよう制御する「制御性T細胞」を発見した功績で、ノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
この研究は「末梢免疫寛容」という仕組みを解明し、自己免疫疾患やがんの治療法の発展に大きく貢献したと、ノーベル賞公式サイトで説明されています。
ノーベル賞講演で、ラムズデルさんは初めてストックホルムを訪れたときの思い出も語っています。その言葉通り、12月10日にはストックホルム・コンサートホールでノーベル賞を受け取ることになりました。
【動画】寄贈したハイキングブーツ


