イメージ印刷大手「共同印刷」(東京都文京区)は12月2日、「若⼿社員の仕事に対する取り組み⽅と研修に関する意識調査」の結果を発表した。
研修内容が期待に沿わず、会社にネガティブな印象を持った若手社員のうち、4割強が「退職を考えたことがある」と回答したことが分かった。
早期退職を減らす対策として、同調査は「社内研修の内容の充実・⾒直し」の必要性について言及している。
つまらない研修⇨「退職を考えた」
同調査は2025年11⽉10〜11⽇、インターネット上で実施し、従業員数301⼈以上の企業・団体に勤務する正社員(22〜35歳)509 ⼈が回答した。
「有意義だと感じる研修の特徴」を選ぶ質問(複数回答可)については、「実務に直結している」(41.8%)が最も多く、「社員同士のコミュニケーションの機会になる」(39.3%)、「受講の成果が見える化される」(37.3%)と続いた。
なお、「社員同士のコミュニケーションの機会になる」の回答者に「コミュニケーションの相⼿」を尋ねたところ、「同部署・チーム」「同期」を希望する声が多かった。
次に、「過去に受けた社内研修の内容がつまらなかったとき、会社に対してどのような思いを持ったか」(複数回答可)を聞いた。
その結果、「古い体質の会社である」(24.2%)が最多だった。「この会社にいても自己成長できない」(19.8%)、「会社の雰囲気やカルチャーが自分に合わない」(19.4%)という回答も多かった。
研修の内容が退屈であったことで、会社への失望やアンマッチを感じた社員が少なからずいるということだ。
さらに、「つまらない研修はなかった」(23.0%)と回答した人以外に「退職を考えたことがあるか」と尋ねた結果、「はい」が過半数近くの45.4%に上った。
研修が会社への失望のみならず、退職検討にまでつながっているとみられる。
「会社に導⼊を期待する研修」を選ぶ質問(複数回答可)については、「ワークショップや実践中心型」(37.3%)が最も多かった。
一方、「講師主導と社員発信が半々のハイブリッド型」(12.6%)や「オンライン・オンデマンド型」(15.7%)は選ぶ人が少なかった。
同調査は、「若手社員は研修に対して、実務への活⽤や社内の⼈間関係構築といった“仕事の成果アップ”や“職場環境改善”につながる内容・機会となることを望んでる」と指摘。
近年は、対⾯型の座学やグループワークに加え、楽しさ・取り組みやすさに焦点を置いた「ゲームやサブカルチャーなどの要素」を取り入れた研修形式も増えているとし、「研修内容の見直しにより、退職への気持ちを変え、やる気を高められる可能性がある」と言及した。


