手術用の鉗子で折り鶴作りチャレンジをしている動画がXで話題です。
投稿したのは、ナス太郎さん(@ysk84books)。
「自己ベストタイ(1分35秒)の動画が撮れました 今年の達成目標まであと1秒!」というコメントとともに、折り紙で鶴を折っていく動画を紹介しています。
この投稿の翌日、ナス太郎さんは過去のポストを引用し、「この動画は腹腔鏡手術の練習用の箱の中で手術器具を用いてモニターを見ながら7.5×7.5cmの折り紙で鶴を折っているものです↓ 実際にお腹の中で鶴を折ることはないので手術の練習になっているかは賛否両論ありますが楽しいので続けています」と説明。
この投稿には、「一体ここに辿り着くまでにどれほどの努力があったのか マーベラス」「俺が手で折るより上手いな すげー」「医者かと思ってプロフ見たら医者だった」「ぜひ俺が手術する時はやってください」などの声が寄せられています。
投稿主に話を聞きました。
――この折り鶴チャレンジが実際の手術に役立ったと感じることはありますか?
折り鶴を練習方法とすることには、手術時と折り紙のための鉗子操作が乖離するとの批判が常にあります。
手術操作そのものではないですが、折り紙も左右の手を協調性をもって動かす作業なので、習熟した結果として手術時に手が動くようになっている、と個人的にはとらえています。
2012年から続けていますが、左右の手の協調性と非優位側(利き手ではない方の手)の鉗子操作は確実に上達し、私の腹腔鏡手術の鉗子操作の土台となっています。
ただ、今回のようなタイムアタックは、正確な手術操作を目的とした修練とは別で、遊びとして楽しんでいるものです。
――他のお医者さんもやっているのでしょうか?
折り紙を腹腔鏡手術の練習としていらっしゃる方は外科、泌尿器科、婦人科などのほかに獣医さんもいらっしゃいます。私たちはFacebook上の公開グループ「Kaminote Challenge」を通じて、手術トレーニングとして折り鶴を折る、という活動をしています。
過去に、鶴を折る正確性と速さを競う大会を何度か開催してきています。若い先生や医学生などが早いうちからこのようなボックスを用いたトレーニングに親しめるよう、啓蒙活動に努めています。
――反響の大きさについてはどう感じていますか?
折り鶴の動画で1万以上のいいねをいただいたのは3回目ですが、最近は同様の動画投稿をしても、それほど「いいね」がつかなかったので、まったくの予想外でした。
ロボット手術と間違われることも多いので、今回は以前投稿した手元を移した動画をリポストしています。
手術に絡んだコメントをたくさんいただくのですが、鶴が折れる=手術ができるではないので、そこはご理解いただければと思います。
【動画】手術用の鉗子で作る折り鶴


