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「マー・ア・ラゴ・フェイス」とは?「マー・ア・ラゴ・フェイス」とは?

テレビやソーシャルメディアに登場するアメリカの保守派の女性を見ていると、みんな互いによく似ていることに気づくかもしれない。

トランプ政権ではネポティズム(縁故主義)が蔓延しているため、彼女たちが親族関係にあるのではないかと推測する人もいるが、それが理由ではない。

「保守派ガールメイク」と呼ばれるメイクの影響も一部あるが、それだけではない。

保守派女性たちは、フロリダ州パームビーチにあるトランプ大統領の別荘から名付けられた「マー・ア・ラゴ・フェイス」と呼ばれる美容整形トレンドを取り入れているのだ。

カリフォルニア州の美容外科医マシュー・J・ナイキール医師によると、マー・ア・ラゴ・フェイスとは「一目でわかるような顔の特徴と美容整形の組み合わせであり、イヴァンカ・トランプの象徴的なルックスをモデルにしていることが多い」という。

「マー・ア・ラゴ・フェイス」を手に入れるためにはどんな施術が必要なのか、費用はどのくらいかかるのか、そしてそのルックスが何を意味するのかーー。

ハフポストUS版編集部はトップレベルの美容外科医やPR専門家に話を聞いた。

「マー・ア・ラゴ・フェイス」の特徴

マー・ア・ラゴ・フェイスは遠くからでも見分けられるほど特徴的だが、その特異性を正確に言語化できない場合もある。

ニューヨーク州の美容外科医ジェフリー・リシエキ医師は、このルックスが「過剰に高く引き締まった頬、ふっくらとした唇、そしてピンと張った滑らかな肌」を特徴としていると説明する。

ナイキール医師はさらに、マー・ア・ラゴ・フェイスの女性は、やや高めの生え際、フサフサでくっきり整えられた眉、幅がありわずかにリフトアップされたアーモンド形の目も特徴に挙げた。また、細い鼻筋と洗練されバランスの取れた鼻先、ラミネートベニアなどで強調された白い歯と、強くシャープな顎のラインといった特徴があることも多いと述べた。

「マー・ア・ラゴ・フェイス」を手に入れるには?

マー・ア・ラゴ・フェイスを手に入れるのは簡単ではない。それには通常、外科的処置と注入治療の組み合わせが必要だとナイキール医師は述べる。

リシエキ医師によれば、必要な施術量は、もともとの加齢度合いや生まれ持った特徴によって異なる。しかし、この特徴的なルックスを手に入れるためには、多くの人がフェイスリフト、まぶたの手術、フィラー、ボトックス、レーザー治療を必要とするという。

ニューヨーク州の美容外科医アーノルド・ブレイトバート医師は、シャープな横顔を作るためにあごや顎のインプラントを受けている人もいると予測する。各々がどの施術を受けたかを知ることは不可能だが、「これらの処置のいくつかを組み合わせることで、このトレンド特有のルックスが生まれる」と述べた。

しかし、施術を受けることはただの始まりに過ぎない。定期的なメンテナンスをしなければ、マー・ア・ラゴ・フェイスはすぐに失われていく。リシエキ医師によると、メンテナンスには、肌の滑らかな質を保つための定期的なボトックス注射やレーザー治療、唇や頬のボリューム維持のための定期的なフィラー、また、時間とともに緩んだ組織を引き締める修正手術を必要とすることが多いという。

費用はいくらかかるのか?

マー・ア・ラゴ・フェイスを得るための費用は、どれだけの美容処置を行うかによって異なる。また、美容外科医の料金も大きく幅がある。

しかしナイキール医師は、このルックスを手に入れるには少なくとも9万ドル(約1400万円)以上かかり、一流で人気の高い外科医を選べばさらに高額になると見積もる。

マー・ア・ラゴ・フェイスを望む場合、平均して眉リフトに1万5000ドル(約230万円)、フェイスリフトとネックリフトに3万ドル(約470万円)、まぶたの手術に1万2500ドル(約195万円)、鼻の整形に2万ドル(約310万円)、顔への脂肪移植に1万ドル(約156万円)の支払いになるだろうとナイキール医師は説明する。手術の合間には数週間の回復期間が必要なケースも多いという。

ルックスを完成させるためにはさらに、ボトックス、フィラー、神経調節剤、マイクロニードリング、フェイシャル、ピーリング、レーザー治療、医療レベルのスキンケア製品などに数千ドルを追加で支払うことになると言い、これらの追加費用は容易に2500ドル(約39万円)以上積み上がり、総額は9万ドル(約1400万円)を超える。

しかも支出はそこで終わらない。定期的なメンテナンス処置と治療にかかる維持費は3カ月ごとに625ドル(約9万7000円)ほど。さらに「外科的リフトは通常10年ごとにやり直す」ため、その維持には数万ドル単位の追加費用がかかるという。

「保守派メイク」の代表格と言われるアメリカのレヴィット報道官「保守派メイク」の代表格と言われるアメリカのレヴィット報道官

「マー・ア・ラゴ」ルックスを完成させるには?

マー・ア・ラゴ・フェイスには、他の保守的なスタイルが伴うことが多い。「カジュアルさ」や「抜け感」の要素は一切なく、「トランプ氏の別荘のテーブルコーディネート並みに作り込まれている」と、エチケット・印象コンサルタントのジャクリーン・ウィットモア氏は説明する。

美容整形に加え、女性たちはエクステでボリュームアップさせ完璧に整えられた金髪、「輪郭と目元を強調した完璧なメイク、そしてまつエクをしていることが多いという。

加えて、体にフィットしたオーダーメイドの服、ハイブランドの靴やハンドバッグを身につける。このルックスは全体として「富、名声、特権、外見への強いこだわりを示す」とウィットモア氏は言う。

「マー・ア・ラゴ・フェイス」は何を意味するのか

スタイルは個人的なものだが、同時に社会的なものでもあるとウィットモア氏は言う。「特定のコミュニティ、特にトランプ大統領やマー・ア・ラゴ界隈の世界では、この『ルックス』は単なる美しさ以上の意味を持つ」と説明した。

女性たちがマー・ア・ラゴ・フェイスを求めるのは、「美的感覚を共有することで『私もあなたたちの一員』『このグループの1人』というメッセージを言葉なしで伝えられる」からだと言い、さらにそのルックスから「自信や支配力も醸し出される」という。

「マー・ア・ラゴ・フェイス」は大きなトレンドの一部

マー・ア・ラゴ・フェイスが現在ワシントンD.C.やその外にも広がっているとはいえ、特定のグループに象徴的な「ルックス」が生まれることは珍しくないと、PR専門家のジェイソン・マッド氏は言う。

「このトレンドは、PRや世間の評価におけるより広い真実を反映している。権力への近接性は外見を形成しやすい」と説明した。

政治、テック、メディアのいずれであれ、「エリート層の人々は、影響力を持つ人たちに合わせて暗黙のビジュアル規範を取り入れる傾向がある」とマッド氏は言う。マー・ア・ラゴ・フェイスは「帰属したい、忠誠を示したい、強いブランドの美学に合わせたいという人間の本能によるものだ」と述べた。

マッド氏によれば、エリート環境における独特のスタイルは、しばしばその業界での価値感を反映するように進化する。例えば、メディアではハイファッション、テックではミニマリズム、金融ではラグジュアリーが評価される。

マー・ア・ラゴ・フェイスや、保守派女性の間で広がるルックスも「同じパターンがその生態系に適応して現れた一形態」にすぎず、それは「洗練、規律、存在感」そして「たくさんのお金」を反映していると説明した。

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。

【画像】「マー・ア・ラゴ・フェイス」を代表するトランプの側近たち

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