1月17・18日に行われた大学入学共通テストの日程に合わせ、受験生への痴漢をほのめかす卑劣な投稿がX上で相次いだ。
警視庁は痴漢抑止対策の一環として、それらの悪質な投稿に対し、生活安全部のXアカウントで、「痴漢は犯罪。絶対に許さない」などの画像と警告文をリプライ投稿する対応を行った。
【画像】警視庁によるリプライ投稿
警視庁から「痴漢は犯罪」のリプライ→投稿主は削除
大学入学共通テストは受験生にとって非常に重要な日だ。痴漢被害に遭い試験を欠席した場合も追試の対象となるが、遅刻したくない受験生は被害を申告しづらいとして、痴漢のターゲットにするという悪質な犯罪が相次いできた。
例年、共通テストの時期には、受験生への痴漢を煽ったり、予告したりするような内容のX投稿が見受けられる。
警視庁生活安全部のXアカウント(@MPD_yokushi)は今年、そのような投稿を探し出し、警告する対応を取った。
共通テスト前日の1月16日から、「痴漢チャンスデー」などと書き込んでる投稿に対し、「痴漢は犯罪。絶対に許さない」と書かれた画像を添付した上で「痴漢は個人の尊厳を踏みにじる重大な犯罪行為であり、決して許されることではありません。この犯罪に対し、警察は検挙の措置を講じます」とリプライした。
16〜17日で二十数回、痴漢をほのめかすような投稿にこのような対応をし、指摘を受けたユーザーの大半は、投稿を削除した。
電車とオンライン、双方で対策強化
受験生を狙う痴漢犯罪をめぐっては近年、電車や駅などの現場とオンラインの双方で、対策が強化されている。
朝日新聞によるとによると、共通テストにあわせて、全国各地では前年より1300人多い約4600人の警察官が駅構内や列車内で警戒や取り締まりにあたった。
オンラインでの対策も強化しており、各地の地下鉄や警察のアカウントも呼びかけを行っていた。
テストの週は警視庁生活安全部のXアカウントでは毎日、「痴漢は重大な犯罪です。警視庁は今月17、18日に行われる大学入学共通テストに向けて、受験生等に対する痴漢防止のため、東京都、鉄道事業者と連携して、警戒・広報活動を強化推進します」と投稿をしていた。
「『このような書き込みは許さない』という警察の姿勢が重要」
一般社団法人「痴漢抑止活動センター」の代表理事・松永弥生さんは警視庁のリプライ対応について、「投稿を放置しておくと、その中から痴漢をしてしまう人が現れるため、警視庁が『このような書き込みは許さない』という姿勢を示したことはとても重要」と話す。
松永さんはハフポストの取材に対し、「痴漢が普段から蔓延しているから、受験の日は狙い目だという発想が出てきてしまう」とした上で「ようやく警察が本腰を入れて対応してくれていますが、受験日だけでなく通年を通じて、痴漢や性暴力は許さないというメッセージを社会全体で強めていく必要があります」と指摘した。
松永さん自身も、共通テスト実施の両日は、有志の仲間と共に兵庫県の2駅で「受験生がんばれ #共通テスト痴漢撲滅」「痴漢は犯罪です」などと書かれたプラカードを持ち、スタンディングをした。
また痴漢抑止活動センターは、普段からも通勤などで電車を利用する大人たちが「アクティブバイスタンダー」として、痴漢撃退のためにできるアクションとして以下のような提案を呼びかけている。
「電車などで痴漢を目撃した際、直接加害者に立ち向かうことが難しい場合も、被害者に『大丈夫ですか』『場所変わりましょうか』『体調が悪いんですか』などと声をかけたり、わざとハンカチを落として拾ったりするなどし、加害行為を辞めさせることが可能です」
警視庁防犯アプリ「デジポリス」には、声を出さずに「ちかん、されていませんか?」と書かれた画面を被害者に見せたり、被害者が「痴漢です。助けてください」と書かれた画面を見せたり、防犯ブザーを鳴らしたりできる機能が備わっている。
(⇩ 痴漢を煽るX投稿に送られた、警視庁によるリプライ投稿)
痴漢をほのめかし、煽動するX投稿に送られた警視庁によるリプライ投稿

