肌に黒い斑点が現れる症状から「黒死病」と呼ばれ恐れられるペストは、1347年から1353年にかけてヨーロッパで猛威を振るい地域によっては死亡率が60%近くに達したとされています。黒死病の原因がペスト菌であり、中央アジアの野生げっ歯類に由来する菌が黒海周辺を経てヨーロッパへ到達したとする説が一般的に受け入れられている一方で、なぜその時期に黒死病が流行し短期間で急速に広がったのかについては議論が続いています。イギリス・ケンブリッジ大学のウルフ・ビュントゲン氏と、ライプツィヒのライプニッツ東欧史・文化研究所に所属するマルティン・バウフ氏らの研究チームは、黒死病が地中海の港で勢いを得るまでの直前の数年間に注目して感染症が広がった理由を分析しました。