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トラッドライフからの転落から自立に至るまでを筆者が語るトラッドライフからの転落から自立に至るまでを筆者が語る

TikTokで「トラッドワイフ(tradwife)」という言葉を検索すると、丁寧に作り込まれた、数えきれないほどの動画が見つかる。

動画では、1950年代の主婦風エプロンを身にまとった現代の女性たちが、完璧なヘアメイクをしてパンを焼き、花を飾るーー。そこには、いわゆる「ソフトな生活」の美学が詰め込まれているのだ。

トラッドワイフ(伝統的な妻)とは、外での仕事を持たず家庭での役割に勤しみ夫に尽くす、“昔ながら”の専業主婦のことで、アメリカでは近年、トランプ大統領や保守派の影響もあり、その価値観が見直されトレンドとなっている。

彼女たちのコンテンツは魅力的だ。人気クリエイターの1人、エステー・ウィリアムズさんのTikTokは、パートナーに生活を完全に委ねる利点を訴える動画で、合計130万件の「いいね」を獲得している。

その点で言えば、私も12年間の結婚生活の間、トラッドワイフだった。

トラッドワイフ生活は、負のスパイラルに陥りやすい

最初の結婚は20代前半の頃。私は夫と、幼い3人の子どもを抱えながらもベストな人生を築こうともがいていた。

やがて離婚し、私はシングルマザーとなり、さらにもがき続けた。常に一歩遅れ、ストレスに追われ、非正規雇用かつ働きすぎだった。

その後、私は再婚した。

末っ子を妊娠した時、上の子どもたちはすでに公立学校に通っていた。私の“高齢”と既往歴により、妊娠はハイリスクと判断され、家族で話し合った後、私はすぐに仕事を辞めて出産と育児の準備を始めた。

私は、自分が望んでいると思っていた白いフェンスに囲まれた、平和で豊かな生活を築き始めた。どうせ1日中家にいるのだからと、子どもたちはホームスクールに切り替えた。Pinterestで手作りのクラフトや食事の献立、インテリアデコレーションのアイデアをひたすらピン留めした。

グランド・キャニオンを訪れた筆者のMarie Bentleyさんグランド・キャニオンを訪れた筆者のMarie Bentleyさん

2019年には、在宅でゴーストライター(代筆者)やフリーランスの仕事を少しずつ始めたが、その収入が家計に本格的に貢献することはなかった。私は、家庭運営に関するすべてを夫に任せた。彼は公認会計士であり、ファイナンシャルアドバイザーでもある。ならば、私のこの「かわいい頭」でそんなことを心配する必要はない。頼めば、彼はきっと詳細を共有してくれただろうが、私たちはお互い深く考えず、しばらくの間はうまくいっていた。

大人になるための集中講座

2人目の夫との離婚調停を終え、私は自宅を与えられた住宅所有者として地元の裁判所を後にした。しかし、まだその意味をまったく理解していなかった。

私は突然、住宅のメンテナンス、光熱費、固定資産税、住宅保険のすべてを1人で負担することになった。大人として生きるための集中講座が始まったのだ。家が高圧洗浄を必要としているという理由で、管理組合(HOA)から違反通知まで届いた。もちろんそうだろう。夫はほぼ1年間そこに住んでいなかったのだ。郵便受けには藻や菌が蔓延っていた。

管理費や共用設備の利用料の支払期限は目前で、芝生業者の手配と支払い、スプリンクラーの設定もしなければならず、その結果、水道代も増えた。さらに、年明けに支払う固定資産税に備えて、積立金が必要であることにもすぐ気づいた。

元夫と私は、ただ伝統的な性別役割分担に従っただけだった。そのほうが、努力をするより楽だったからだ。彼は家を出た後、調理器具の使い方、スマホでのデリバリー注文、スーパーでの買い物に苦労していた。私はずっと、現実から目を背けていたわけではないが、もっと主体的であるべきだったのは確かだ。

家計に主体的に関わることの重要性

資産運用サービスを提供するGWAウェルスの創設者であり、ファイナンシャルアドバイザーのシャリ・ラッシュ氏はこう語る。

「社交の場やママ友の集まりで、私の仕事を話すと、『ああ、それは夫が全部やっている』という反応を女性たちからよく聞きます」

ラッシュ氏によると、人が家計管理に主体的に関わるようになるきっかけは、多くの場合、重大な出来事だという。それはたいていネガティブな事で、親の死、失業、離婚、配偶者の死、あるいは身近な人がそうした出来事を経験するのを目の当たりにすることなどだ。

Bank of Americaの報告書によると、女性の94%は「人生のどこかで自分自身が財務に責任を負うことになる」と考えている。一方で、長期的な金融判断への関与は、パートナーより少ない。調査対象となった3500人の女性のうち、約半数は自分の財務に自信があると答えたが、実際に行動を起こす力があると感じているのは28%にとどまった。

ラッシュ氏は、外で働いているかどうかにかかわらず、女性は家計に主体的に関わるべきだと勧める。

「それは、毎日株式市場を追いかけたり、デイトレードをしたりすることではありません。自分の家計状況を把握し、話し合いに参加するということです」

お金に対する価値観は幼少期に始まる

家計に対する親の消極的な姿勢は、家族全体に大きな影響を与える。公認会計士のマヤ・コービック氏はこう話す。

「子どもは小さなスポンジのような存在で、特に人間関係やお金に関して、私たちの行動をすべて吸収します。お金や互いの関わり方を見て、自分のお金に対するマインドセットを形成していくのです。見聞きし、感じたすべてが、『普通』の基準になります」

コービック氏の目標は、すべての子どもに経済的に自立した大人になる方法を教えることだ。

「私の親向けワークショップに参加する母親たちは、自分の育ちが金銭感覚にどう影響したかをよく語ってくれます。例えば、父親だけが家計を管理していた家庭で育ち、『投資は男性の仕事』という考えを持つようになった人もいます。これは、女性は金融に関わるべきではなく、男性に依存すべきだという考えを植え付けてしまいます」

コービック氏は、親が子どもにどんなメッセージを送っているかを意識し、「健全な金融行動を意図的に示し、バランスの取れた情報に基づくお金との関係を築けるよう促すこと」が重要だと助言する。

その1つの方法が、毎月時間を取って家計を見直し、支出の習慣を話し合い、貯蓄の優先順位を決めることだ。

コービック氏は、「定期的な『マネーデート』は、家計の調和の礎」であり、家族内の透明性を高め、意図的な話し合いの重要性を強調すると付け加えた。

家計への意識を高めるための小さな一歩

ラッシュ氏は、パートナーに経済的に依存している人に対し、今すぐ主体的に関わり始めるようアドバイスする。これは、伝統的な性別役割分担に陥っている人だけでなく、パートナーと人生を共有するすべての大人に当てはまる。

話し合うべき重要なテーマには、以下のようなものがある。

・個人または共有の負債・貯蓄や投資に回せる資金

・住宅ローン残高と住宅の資産価値

・月々の総支出

・緊急時資金の有無

ファイナンシャルアドバイザーを利用しているカップルに対して、ラッシュ氏は次の質問を自分に投げかけることを勧める。

・一夜にして自分が家計の唯一の意思決定者になった場合、連絡先は分かるか

・その連絡先と話すことに抵抗はないか

・配偶者やパートナーがどんな口座を持っているか知っているか

・生命保険はどの会社のものか

「これらの質問に答えられないのであれば、自分を守るために関わり始める必要があるということです」とラッシュは言う。

私はまだ道半ばだが、新しい経験を重ねるごとに、トラッドワイフとして生きていた頃には欠けていた経済的自信と自己肯定感を得つつある。

公認会計士との面談を前に、投資口座を開設し、退職金口座にもより注意を払うようになった。そして何より、子どもたちに、自分の経済的未来を守るために役立ててもらえるスキル、知識、そして知恵を教えられるよう、自分がまず身につけつつある。

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。

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