カーリングのストーン。試合ではこの20キロの重さのある丸いストーンをどこに置くかで得点を競い合うブラシで氷をゴシゴシこすって重いストーンの動きを調節し、2チームが得点を競うスポーツ、カーリング。
氷のコンディションを読み、高度な戦略を立てながら進める競技であることから「氷上のチェス」と呼ばれていますが、どのようなルールでプレーするのでしょうか。
4人制カーリングの得点方法や見どころをまとめました。
カーリングのルール 得点方法は?
カーリングは、重さ約20キロの石(ストーン)を、約40メートル先にある円(ハウス)に向かって投げ入れ、円中心のなるべく近くに置くことを競い合うスポーツです。
カーリングシートの両端にある円、「ハウス」。このハウス中心の一番近くにストーンを置いたチームが得点を獲得する2チームが交互にストーンを得点を入れる攻防は「エンド」と呼ばれます。
野球で言えば「イニング」にあたるこのエンドを10回繰り返し、合計得点を競う10エンド制です。
1つのエンドでは、各チーム交代でそれぞれ8回ストーンを投げ、ハウス中心の一番近くにストーンを置いたチームだけが点数を獲得できます。
10エンド終えて総得点が多い方が、勝ちとなります。
4人制カーリングは10エンド。各エンドに得点を入れられるのは1チームだけで、10エンドの総得点を競う各エンドで得点が認められるのはハウス中心の一番近くにストーンを置いたチームだけですが、得点数はどのように決まるのでしょうか。
得点になるのは、ハウスの中で相手チームのストーンより中心に近い場所にあるストーンの数です。また、ハウスの外にあるストーンは得点になりません。
例えば以下の図では、円の中心に一番近いのが黄色のストーンですが、2番目に近いのは赤色です。
この場合は、黄色のチームが1得点したことになります。
この場合は、ハウス中心に一番近い黄色のみ得点できる。相手チームの赤色より内側にあるストーンは1つだけなので、1ポイント獲得。エンドを終えた時点でハウスの中にストーンが1つもなければ、その回は「ブランクエンド」となり、どちらのチームにも得点は入りません。
🥌基本ルールまとめ
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ハウス中心の一番近くにストーンを置いたチームだけが得点できる
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得点になるのは、ハウスの中で相手チームのストーンより内側にあるストーンの数
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1試合10エンド制で合計得点を競う。1つのエンドでは、各チームが交代でストーンを8回投じる(両チーム合計で16投)
投げる順番は?
その名の通り、4人制カーリングのチームは4人で構成されます(他にも2人で1チームの男女混合ダブルスなどがあり、エンド数が異なります)。
【ストーンを投げる順番と役割】
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リード:1・2投目を投げる。投球時以外は主にスイーパー(ブラシで氷をこする)
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セカンド:3・4投目を投げる。投球時以外は主にスイーパー
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サード:5・6投目を投げる。スキップが投げる時にはハウスから指示を出す
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スキップ:7・8投目を投げる。投球時以外は、作戦を立ててハウスから指示を出す
カーリングは1チーム4人でプレーする。1人が作戦を立て、1人がストーンを投じ、2人がブラシで氷を磨くスキップの立てた戦略に沿ってストーンが投じられ、2人のスイーパーが氷をブラシでゴシゴシ磨いて、スピードや方向を細かくコントロールします。
カーリングシートの氷の表面には、ペブルと呼ばれる氷の細かい粒があり、磨くことでペブルを溶かしてストーンの進む距離を伸ばしたり、曲がり方を調整したりできるのです。
スキップがストーンを投じる時には、サードが作戦を考えます。
カーリングの見どころ
カーリングは、各エンドの最後にストーンを投じる「後攻」が有利なスポーツです。
第1エンドの先攻・後攻は、ラストストーンドロー(LSD)などで決めます。LSDでは、それぞれのチームの代表者がハウスに向かってストーンを投げ、中心に近い方が後攻となります。
第2エンド以降は、前のエンドで得点したチームが、先攻になります。
後攻が有利であるため、先攻と後攻では攻め方が異なります。
後攻チームが狙うのは、複数点の獲得。
一方、先攻チームは、次のエンドを後攻で迎えるために、相手の得点を1点に抑える方法を考えます。
試合展開によっては、両チームに得点が入らない「ブランク」に持ち込もうとするケースもあります。ブランクエンドになった場合、次のエンドでは先攻後攻の順番は変わりません。
また、先攻チームに得点が入ることを「スチール」と呼びます。
イメージ画像カーリングではストーンの配置が勝利の鍵になります。
選手たちは相手のストーンを弾き出したり、相手のストーンの後ろに自分たちのストーンを隠したり、相手の邪魔になる場所にストーンを置いたりと、様々な作戦を考えます。
1投で形勢が逆転することもあり、技を駆使した両チームの頭脳戦が、カーリングの見どころです。
他にも、知っておきたいショットやルールをご紹介します。
🥌ショットの名前
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テイクアウト:相手のストーンを弾き出す
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ダブル・テイクアウト:2個弾き出す
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ドロー:ハウス内の置きたい位置にストーンを止める
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フリーズ:相手のストーンにぴったりつくようにして止める
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ヒット・アンド・ステイ:すでにあるストーンに当て、投げたストーンはその場に止める
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ヒット・アンド・ロール:すでにあるストーンを弾き出し、投げたストーンを狙った場所に止める
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カム・アラウンド:すでにあるストーンの後ろに回り込む
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ガード:自分のストーンを守るために、ハウスの手前に置く
🥌その他のルール
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フリーガードゾーン:各エンドで、両チーム合わせて5投目(先攻チームの3投目)までは、ハウスの手前にある「フリーガードゾーン」にあるストーンを弾き出せない。ストーンがたまることで、面白い展開が期待できる。
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コンシード: このまま競技を続けても勝てないと判断した時に、相手の実力に敬意を表して、負けを認めること。負けているチームが相手に握手を求め、握手を交わした時点で試合終了となる。
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考える時間は38分:各チームには、戦略を考えるための「シンキングタイム」が38分与えられている。相手チームが投げた後、ストーンを投げる選手がティーラインを超えて、投球するまでの時間が計測される。最後のストーンを投げるまでにシンキングタイムを使い切ると、負けとなる。
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ハーフタイム:第5エンド終了時には、5分間のハーフタイムが設けられる。この間に選手たちは軽食を取りながら後半の作戦を話し合うことも。2018年の平昌オリンピックではこのハーフタイムが「もぐもぐタイム」と話題になった。
※混合ダブルスでは一部ルールが異なります
フェアプレーの精神を大切にするスポーツ
カーリングは、フェアプレーの精神を大切にするスポーツです。
ワールド・カーリングのウェブサイトには、「勝つためにプレーしますが、決して相手を見くだしたりしません。真のカーラーは相手の気を散らしたり、相手がベストを尽くそうとするのを決して妨げたりしません。不当に勝つのであればむしろ負けを選びます」と書かれています。
カーリングでは審判は基本的に試合に介入せず、選手同士の信頼や相手への尊敬のもとに、ゲームを進めます。
誤ってストーンに触れた場合などは、選手自らが申告します。
2021年のカーリング日本選手権女子決勝、ロコ・ソラーレと北海道銀行の試合では、北海道銀行の近江谷選手が、ストーンにブラシが当たったことを自己申告しました。
フェアプレーを重視し、相手をリスペクトする姿勢もカーリングの見どころの一つです。


