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金の小売価格が1グラム当たり2万8000円台を突破し、高騰が続いている。2025年1月時点では約1万3000円代だった価格が、わずか1年で約2倍に跳ね上がった。

過去5年間 月次金価格推移過去5年間 月次金価格推移

金急騰の背景には、トランプ米政権によるベネズエラ介入やグリーンランドを巡る米欧の対立といった地政学リスクの激化やインフレによる通貨価値の下落がある。

世界情勢が不透明さを増す中で、国の信用に左右されない「実物資産」としての金に、個人投資家のみならず世界各国の中央銀行までもが殺到しているのが現在の実情だ。

金は過去10年で約5倍、50年では約100倍という長期的な上昇トレンドを維持しており、「通貨への不信」に対する究極の備えとして注目されている。

「金」をポートフォリオに入れるメリット

最高値を更新し続ける今から投資を始めるのは「高値掴み」になるのではないかという不安も当然ある。投資ポートフォリオへの組み入れ方はどうすべきだろうか?

金投資の国際的権威であるWGC(ワールド・ゴールド・カウンシル)による分析「日本における戦略的資産としての金の適合性(2019年)」によれば、伝統的な資産(国内・外国の株式と債券)で構成されたポートフォリオに、金を 2.5%~ 12.5%組み入れるとパフォーマンスのさらなる向上が図れることがわかった。

これは、金が株式や債券と「異なる値動き(低相関)」を持つためであり、市場の混乱期に他の資産の損失を相殺するクッションとして機能し、運用効率を最大化させるからだ。

2026年のように予測不能な事態が続く時代において、金は単なる値上がり益を狙う投機対象ではなく、ポートフォリオ全体を支え、致命的な損失を防ぐための「重石」としての役割があるということだ。

「月1万円×5年間」でどれぐらい増やせる?

具体的な純金投資のやり方は、投資スタイルに合わせて柔軟に選ぶことができる。

最も手軽なのは、証券会社で購入できる「金ETF」や「金投資信託」だ。これらは新NISAの「成長投資枠」を活用することで、金現物投資ではかかってしまう税金を非課税にできるというメリットがある。

一方、物理的に保有したいという場合は、「純金積立」という方法がある。貴金属店や証券会社で専用の口座を開設し、月々の積立額を設定。一度設定すれば、あとは会社側が自動で決まった金額分を買い付けてくれる仕組みだ。

例えば、過去5年間、月々1万円ずつ積み立てを続けていた場合をシミュレーションしてみよう。

5年間の投資元本は60万円だが、2021年当初の6000円台から現在の2万7000円へと駆け上がった相場環境では、積立による平均取得価格の平準化効果(価格が変動する商品を、常に一定の金額で定期的に買い続ける投資手法)を経ても、その評価額は160万円を超え、元本の約2.7倍にまで膨らむ計算になる。

「金投資」のデメリット・注意点

一方で、金投資には特有のデメリットや注意点があることも忘れてはならない。最大の弱点は、株や債券と異なり、金そのものが利息や配当を生まない点だ。

どれだけ長く保有しても「値上がり」以外に利益を得る手段がなく、資産を雪だるま式に増やす「複利効果」は期待しにくい。

また、購入時には2〜3%程度の手数料がかかるほか、売値と買値の差である「スプレッド(手数料)」も存在するため、頻繁な売買を繰り返すとコスト負けして元本割れを起こすリスクが高い。

特に現物を保有する場合は、盗難や紛失の防止、銀行の貸金庫利用料といった保管コストも発生する。日本の投資家にとっては為替リスクも重要で、金価格自体が上がっても、急激な円高が進めば日本円ベースでの資産価値が相殺されてしまう可能性がある。

知っておくべき「税制」の仕組み

さらに、税制面での複雑さにも注意が必要だ。金の売却益は原則として「譲渡所得」として扱われる。年間50万円の特別控除があるため、少額の売却であれば非課税で済むが、一気に売却して利益が50万円を超えると所得税の対象となる。

ただし、金を5年以上保有してから売却すれば、課税対象となる利益が半分になる「長期譲渡所得」の優遇を受けられる。一方で、営利目的で頻繁に売買を行っているとみなされた場合は「雑所得」に区分され、他の所得と合算して高い税率が適用される場合もある。出口戦略として保有期間や売却額をコントロールするなど、賢い「タックスマネジメント」が必要になる。

「金ETF」や「投資信託」を利用する場合は、その利益は他の株式投資の成績と合算することができる。例えば、金で利益が出ても、株の損失があればその分を差し引いて税金を計算できる「損益通算」が可能になる。これにより、無駄な税金を払わずに済むという利点がある。

※金価格のデータは2026年2月26日現在のものです。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資を勧誘・推奨するものではありません。
投資に関する最終判断は、ご自身の責任において行ってください。投資には元本割れを含む価格変動リスクがあります。

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