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3月20日(金・祝)、東京・shibuya eggman、murffin STUDIOにて行われたSAKANAMONによる初の主催サーキットフェス『UOOO!! 2026』。2会場のステージにosage、hozzy&田中ユウイチ(藍坊主)、ヨネダ2000、meiyo、いちろーとせんせい(ex.東京カランコロン)、千也茶丸、なきごとが出演。個性豊かな布陣が繰り広げたライブは、活動18年目に突入したSAKANAMONの軌跡の中での出会いの尊さも示していた。大いに盛り上がり、終始、和やかなムードも漂っていたこのフェスの模様をレポートする。

SAKANAMON pre. 『UOOO!! 2026』2026.03.20(FRI)東京・shibuya eggman、murffin STUDIO

開会宣言で、藤森元生(Vo.Gt)、森野光晴(Ba)、木村浩大(Dr)を出迎えた観客の拍手。主催者として挨拶をするのが照れくさそうなのが、なんだかとてもSAKANAMONらしい。彼らは出演する面々を1組ずつ紹介した。

shibuya eggman「アイサレ STAGE」に立つのは、meiyo、osage、なきごと。各ライブの転換では、ヨネダ2000が毎回登場する。「SAKANAMONを愛してくれている」という設定の4組だという。そして、muffin studio「トモダチ STAGE」に出演するのは「SAKANAMONのトモダチ」という設定のhozzy&田中ユウイチ(藍坊主)、 千也茶丸、いちろーとせんせい(ex.東京カランコロン)。照れ隠しで「という設定」と称していたが、出演者全員がSAKANAMONを愛していて、友だちであるのは言うまでもない。

「ただいまより、SAKANAMONプレゼンツ、『UOOO!! 2026』開催いたしまーす!」という藤森の声が、スタートを告げる号砲として響き渡った。

meiyo

ステージに登場して開口一番「最後の曲です!」と言い、1曲目「ビートDEトーヒ」で早くも本編を終了させたmeiyo。観客の熱狂的な手拍子に応えたアンコールでは、なんと5曲も届けるという大サービスぶりだった。数年前からSAKANAMONと交流があり、「4696」でコラボもしたのに、お互いに人見知りで、なかなか距離が縮まらない旨を途中で語ったmeiyo。特に藤森とは会う度に初対面に戻ってしまうのだという。

そんなMCを挟みつつ、曲を次々披露。後ろ向きな言葉が陽気なコール&レスポンスと化していた「なにやってもうまくいかない」観客の歌声が、曲に爽やかなエネルギーを添えた「明日に向かってプッシュプッシュ」……口ずさみながら踊りたくなるフレーズの数々が、アイサレ STAGEの幕開けを明るく彩っていた。

hozzy&田中ユウイチ(藍坊主)

「星のすみか」からスタートしたライブ。田中が奏でるギターに合わせてhozzyが歌声を響かせた。「藍坊主にも魚にまつわる曲があるんです」という言葉が添えられた「魚の骨」。SAKANAMONの曲のカバー「ミュージックプランクトン」……彼らはあたかも3人目のメンバーのような顔をしてステージに鎮座しているSAKANAMONのマスコットキャラクター“サカなもん”が終始気になる様子だった。藍坊主は、SAKANAMONが前に所属していた事務所の先輩。夜中の薄暗いエレベーターホールで“サカなもん”と目が合い、恐怖を感じたというエピソードがMCで紹介された。

そして、ラストに届けられたのは、瑞々しいメロディが際立つ「名前の無い色」。アコースティックスタイルの藍坊主は、アットホームなムードのトモダチSTAGEが似合っていた。

osage

「事務所の後輩だけど、誰よりも良い歌を歌って帰ります!」と山口ケンタ(Gt.Vo)が力強く宣言。「少年少女」を皮切りに始まったライブは、全力の演奏と歌が、観客を夢中にさせていた。フロアで沸き起こった手拍子がステージから届けられるサウンドと心地よく融け合った「ジオメトリック」「マイダイアリー」の時点で、爽やかな熱気で完全に満たされていた会場内。抒情的なメロディを温かく高鳴らせた「春のベランダ」は、前日に桜が開花した東京にぴったりの曲だった。

SAKANAMONから全出演者にメッセージを添えた手紙が渡された旨に山口が触れたのも、印象的な場面として思い出される。「今日も幸せにしてね。今日も幸せになってね」という言葉が嬉しかったと語りながら浮かべた表情は、SAKANAMONが愛されている先輩であることを示していた。

千也茶丸

首藤義勝のソロプロジェクト・千也茶丸。アコースティックギターの弾き語りで「白夜」と「tsubomi」を歌った後、学年が1つ上で12、13年来の付き合いであるSAKANAMONについて彼は語った。いつも相談に乗ってくれて「お前は大丈夫だから」と励ましてくれる木村。めっちゃいい人の森野。残念ながら文字には起こせないが、初対面でとんでもない挨拶を繰り広げた間柄の藤森……序盤から美声で観客をうっとりとさせていたのだが、途中のMCで少し雲行きが怪しくなるのが実に千也茶丸らしかった。

仮タイトルは高校生の頃から大ファンの「藍坊主」だったと明かされた「PS」、KUDANZのカバー「最後の江ノ島」、サザンオールスターズのカバー「いとしのエリー」を挟み、ラストは「なんとなく」。終始、歌う喜びが伝わってくるライブだった。

なきごと

「甘々吟味」と「0.2」を歌った後、水上えみり (Vo.Gt)は、学校に行きたくなくなった高校時代の心の支えだったSAKANAMONへの愛を語り、「ミュージックプランクトン」のカバーを披露した。「セラミックナイト」「マリッジブルー」「メトロポリタン」「短夜」も届けた後、「教室の隅で自由帳を開いて盛り上がっている3人の男子みたい。それを見ているのが好きなんです」という独特な言い回しでSAKANAMONが大好きな理由を表現した水上。

そして「憧れとレモンサワー」は、途中でステージ袖から現われた藤森がラストの1コーラスを歌った。アウトロで彼と視線を交わした時、幸せであることがよくわかる表情を浮かべていた水上。照れくささと嬉しさが入り混じる様子だった藤森。2人の姿は、温かな喜びのお裾分けをたっぷりしてくれた。

いちろーとせんせい(ex.東京カランコロン)

2020年12月に惜しまれながら解散した東京カランコロン。あの2人が久しぶりに共に歌声を響かせた! 「ハロー(始まり)」の時点で、いちろーとせんせいの歌声のコンビネーションが最高であることを再確認。観客の手拍子が加わったのをせんせいがとても嬉しそうにしていた「MUUDY」。

東京カランコロンのベーシスト・佐藤全部の「いちろーさん!」「いい曲だねー!」というような声が曲の合間にどこからか聞こえてきて、観客は大爆笑。途中のMCで「いらんこと言わんといて」とせんせいに釘を刺され、「解散して6年。大人になったので(笑)」と返していたいちろー。かつて彼がメンバーに「歩くジャックナイフ」と呼ばれていたことを思い出して明るく笑った2人は、「ビビディバビディ」「ひなげし」「AWESOME FRIDAY」も心底楽しそうに歌っていた。この歌声に包まれるひと時が、またいつか巡って来てほしい。

SAKANAMON

大トリを務めるSAKANAMONは、「マジックアワー」「幼気な少女」「光の中へ」「ミュージックプランクトン」などを連発。<つまんねぇよ つまんねぇよ>と歌っているのに、楽しそうな人しかいない「TSUMANNE」は、とても美しいフロアの風景を作り上げていた。絶妙なタイミングで加えられる手拍子や歌声は、SAKANAMONの曲たちが観客の1人1人にとってかけがえのないものであることの何よりもの証明だったと思う。

社交性が低いという3人だが、活動18年目でフェスを初開催できたことへの感慨を滲ませ、「こんなにたくさん素敵な人たちを呼ぶことができました。まだまだ人生は長いですね。SAKANAMON人生もこれからでしょうね。これからじゃないかな?」と話した藤森。本編は「unique」と「PLAYER PRAYER」で締めくくられたが、アンコールを求める拍手に応えてステージに戻ってきた3人は、来年も『UOOO!!』を開催することを発表した。

「こんなにも素敵な人たちを呼べたことが奇跡。出てくれたことが奇跡。そして、みなさんが来てくれたことが奇跡でございます! バンドを続けてくれてありがとうございます、先輩方。そして後輩のみなさん、僕らを好きでいてくれてありがとうございます」と、藤森は心から感謝。感動的なムードになりかかったのだが……「来年はどうかな。さらに厳選して」と言い始めるものだから、「今日はオーディションだったの!?」と森野と木村からツッコミを入れられていた。そんなやり取りが大爆笑を起こした後、「ふれあい」で終演を迎えた……かと思いきや、ダブルアンコールで「ロックバンド」が届けられた。歌われる言葉の1つ1つが、あの瞬間の彼らの実感だったのだと思う。エンディングの<何処だって行こうか 何処まで行こうか>は、朴訥とした歌声のトーンに力強い意志が宿っているのを感じた。

ライブの途中で発表された通り、2027年3月27日(土)、東京・Spotify O-WEST、Spotify O-nestにて、来年もSAKANAMON主催のサーキットフェス『UOOO!! 2027』が開催される。チケットの発売は今年の秋ごろを予定。詳細は後日発表されるため要チェックだ。

今年の『UOOO!! 2026』は、SAKANAMONと出演者たちの間にある温かな絆を感じさせてくれた。来年もSAKANAMONだからこそ実現できる布陣で盛り上げると同時に、笑顔にあふれた空間を作り上げるに違いない。

取材・文=田中大 撮影=満田彩華