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のぶみ(斎藤信実)さん『Mr.ベイビーマン』ヒカルランドのぶみ(斎藤信実)さん『Mr.ベイビーマン』ヒカルランド

絵本作家のぶみさんの新作に掲載された小児ワクチンを危険視するような内容に対して、SNSでは波紋が広がっている。

【画像】「ゆ、許せない!キティちゃんにママを鬼って言わせるなんて」のぶみさんがハローキティの誕生45周年に記念コラボ⇨批判殺到した絵本『ハローキティのえほん まけずぎらいキティ』

ワクチンへの「ステルス警告を広めます」SNSで波紋

絵本作家のぶみさんは、2025年12月にXで、「Mr.ベイビーマンという、赤ちゃんがヒーローになる絵本」を26年発行予定だとしたうえで、「内容は、子どもがもう一度読んで!といいやすいように作り、あとがきに、でもベイビーマンには一つだけ弱点があるんです、それが赤ちゃんが産まれて半年で打たないといけないワクチンです。ステルス警告を広めます」と予告していた。

当該の書籍、タイトルもそのまま『Mr.(ミスター)ベイビーマン』は4月28日にヒカルランドから発行された。

SNSでは「反ワクチン主義の絵本作家が描いた『小児ワクチンが弱点の赤ちゃんヒーロー』の絵本が、先月末に出版されてしまっていました。皆様この表紙にご注意下さい」「小児ワクチンが弱点になるならあらゆる感染症が致命傷になるやん」といった注意喚起や疑問の声が広がっている。

波紋を呼んでいる絵本『Mr.(ミスター)ベイビーマン』とは、特別な力を持つ赤ちゃん「Mr.ベイビーマン」の母親が主人公。その特別な力のため、赤ちゃんが警察に連れ去られるが、力を発揮して、赤ちゃん自身で警察官たちをやっつけて母の元に戻るというストーリーだ。

ひたすら母と子だけの密室的な関係とシンプルなストーリーの中に、のぶみさんが以前から主張する“子どもは親を選んで生まれてくる”といった胎内記憶などの思想が織り込まれている。

物語本編にはワクチンについての言及はなかったが、のぶみさんの予告通り「あとがき」には主張があふれている。

『Mr.ベイビーマン』の長すぎる後書き=ワクチン批判 そのエビデンスの薄弱さ

あとがきは、絵本としては長文であろう6ページにわたって掲載されている。本の帯にある「胎内記憶をもつこどもたちから聞き、伝え続けてきた『今、地球に生まれたくないこどもがふえている理由』とは?」という問いの“答え“が書かれている。

「生後半年までに打つワクチン」を批判する論調で、胎内記憶を持つ複数の子どもたちに聞いた話として、ワクチン注射が嫌いなのが「産まれない理由で一番多い」とする記述が登場する。

のぶみさんは自身が聞いた話として、赤ちゃんへのはしかや風疹ワクチン接種を迷う母親に対し、医師が「打たずに、もしかかったら、あなたのお子様は亡くなりますよ」と言うことが多いと説明。

のぶみさんは、その上で、「調べると、はしかになる子は、ほとんどいない」とつづっているが、実際には子どもの感染が報告されている。

国立感染症研究所の「麻疹 発生動向調査」によれば、9歳までの麻疹(はしか)の報告数は2025年は50人(全体の19%)、2026年は5月8日現在のデータで、すでに35人(同7%)となっている。日本小児科学会は、4月1日、国内の麻疹報告数が急増し、流行の兆しがあるとして注意喚起を行っている。

また、厚生労働省によれば、はしかに罹患したら死亡する割合は、先進国であっても1000人に1人と言われている。

加えて、「赤ちゃんワクチンは、2013年頃から少しずつ増えたけど、発達障がいや自閉症が増えたのもその頃」などと、のぶみさんは主張している。

だが、2013年頃から統計上、発達障害の診断数が増えているのは、診断基準の変化と社会的認知の向上によるものという見方が主流だ。アメリカ精神医学会による診断基準(DSM-5)が公開され、これまで見過ごされていたケースが診断されるようになったのが2013年だ。

日本小児科学会認定小児科専門医の太田秀紀医師は兵庫県西宮市のサイトに連載しているコラムで、診断基準の変更で支援対象者が広がったことに触れ「有病率を見かけ上増加させる一因とも考えられます。また、発達障害が一般に広く知られるようになり、本人・家族の気づきや診療ニーズが高まったことも見かけの増加理由のひとつと言えます」などと説明している。

2009年の厚生労働省が医薬品医療機器総合機構に委託した調査では、米国 IOM(Institute of Medicine)の報告書もふまえ、一般的なインフルエンザワクチンなど「チメロサール含有ワクチンと自閉症との因果関係は、得られている根拠からは否定されるものである」と結論づけている。WHO(世界保健機関)が2025年12月に出した声明でも、ワクチンと自閉症との関係は明確に否定されている。

そもそも、のぶみさんとはどのような人物だろうか。 

「絵本作家のぶみ」以前から育児情報が物議

のぶみさん「ママがおばけになっちゃった! (講談社の創作絵本シリーズ)」のぶみさん「ママがおばけになっちゃった! (講談社の創作絵本シリーズ)」

のぶみ(斎藤信実)さんは「親子愛」を描く絵本作家で、NHK Eテレでの仕事も手がけた。『ママがおばけになっちゃった!』などヒット作品も多いが、母親や親子の描写やテーマ設定など、内容には賛否があり、2019年には「絵本『ママがおばけになっちゃった!』の対象年齢引き上げを望む会」が発足し、1万筆を超える署名が集まっていた。

2018年には、自身が作詞した『あたしおかあさんだから』の歌詞が物議を醸した。「あたしおかあさんだから あたしよりあなたのことばかり」といった表現に対して、母親に我慢を押し付け、子育てを最優先せざるを得ない自己犠牲を美化していると批判が寄せられ、謝罪した。

『情熱大陸』(TBS系列)などのテレビ番組に出演するなど注目を集めたこともあったが、一方で過去に担任教師へのいじめのような行為や恫喝、また先天性疾患のある子どもへの発言に対しての批判が集まり、東京五輪・パラリンピックの文化プログラムに出演辞退するなど、たびたび物議を醸している。

そして育児に関する表現・発信の内容には、再三にわたり疑問の声が上がっている。自身のSNSで「赤ちゃんが泣く理由で一番多いのは、ママと一緒にいたいから」と発言(現在は削除)し、医師から医学的根拠がないと指摘された。

またワクチン批判で知られる原口一博元衆議院議員と交流があり、同議員のYouTubeチャンネルの動画に複数回出演。今回の新刊絵本についても、2025年12月の動画に出演し、後書きにこっそりワクチンへの批判を入れようと思うといった趣旨のことを語っていた。

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