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ジャンルを自在に越境し続ける音楽集団・Ovallが、最新アルバム『Glimmer』をリリースした。

4月にリリースした先行EP『Glimmer 〜Ray of Light〜』のリリース時に明かされた通り、本作は当初一作のアルバムとして完結する予定だったが、制作過程で生まれた楽曲群が「眩い光」と「内省的な影」という鮮やかな二面性を持っていたことから、彼らは二段階に分けて物語を解き放つという特異な構成を選択した。

本作は、単なる「先行曲+新曲」のパッケージではないという。眩い「拡散」の多幸感から、深い水の底へと沈み込むような「収束」の美学へ。このグラデーションを一本の作品として鳴らし切ることこそが、Ovallが提示する“全てが便利になりながらも自分の存在意義を問われる困難な時代へのアンサー"となっている。

アルバムの前半を彩るのは、世界を肯定する圧倒的なポップネス。タイ・バンコクの新鋭バンドとの化学反応が生んだ「Bloom feat. KIKI」は、洗練されたプロダクションとKIKIのフレッシュな感性が重なり合うハイライトトラック。また、ライブで一番の盛り上がりを見せる「Cubism」に続く“歌えるインスト”として進化した「Brainstorm」は、関口が作った土台にSuzukiとmabanuaが想いを乗せて完成させた、ポジティブなエネルギーがみなぎるダンスナンバー。さらに、Nenashiの歌声が足取りを軽くする「Telephone feat . Nenashi」や、村岡夏彦を迎えたワウを効かせた変幻自在のギターとエッジの効いた鍵盤がスリリングに交差する「Navy」、別所和洋をレコーディングに迎え、重厚なサウンドとご機嫌なジャズの躍動感が同居する「Dirty Paws」。

物語はそこから静かに、深く「影」の領域へと潜り込んでいく。洗練されたRhodesとエッジの効いたビートが知的な夜を想起させる「99」、そしてLo-fiビートからエレキの旋律が切なく染み渡る「Velvet Dusk」。そしてアルバムの核心を突くのが、新録曲「Needed」。寂寥感のあるピアノと慈愛に満ちたメロディが溶け合うこの曲は、深い水底から存在を肯定する祈りのように響く。重なり合う3人の声は、孤独の果てに見つめた『兆し(Glimmer)』そのもの。そしてこの物語は穏やかな「Shimmer」で結ばれる。

さらに、10月3日(土)より『Ovall New Album Release Tour「Glimmer TOUR 2026」』を開催することも決定した。詳細はオフィシャルサイトを確認しよう。

『Glimmer』

『Glimmer』

Comment by Shingo Suzuki

気がつけば前作の「Still Water」のリリースから2年の月日が経っているにも関わらず、つい先日のことに思えてしまう。
楽曲制作、アルバム制作をしてツアーを周り、次の制作にかかり、リリースしてツアー、、という終わらない螺旋階段を登ってゆく。
時に休んで周りの景色を見たり、時に走って息をゼーゼーと吐いたり。この大枠に他のリリースアーティストと同様、Ovallも入ってはいるのだけれど、最近は自分達にとってのペースをメンバーそれぞれが見つけているので、より自然体に、良い意味でワガママに歩いているので、作品にも反映されている気がします。
その時その時に思い立ったアイディア、例えばリズムのパターンだったり、メロディだったり、リフだったりを曲に落とし込んで作り貯めたのが今作で、程よく曲調はバラけつつも全体のトーンはまとまっていたりもして、絶妙なバランス感。
変わったこともあれば、変わらないこともある、今まで作ってきたOvallフォーマットを踏襲しつつ、自然に新しい。
これからのライブで新曲がどうなって行くのか、楽しみです。

Comment by mabanua

モノクロでソリッドな「Ovall」からビビットな「Still Water」へ、駒を進めてきましたが今回はその中間と言って良いアルバムだと思います。今までの作品に比べ、より解釈や聴き方が人によって分かれ永く楽しめる作品になっていると思います。
Ovallを結成してからだいぶ年月が経ち、初期の頃のような「未熟さゆえの熱量」から自分達の音楽を俯瞰して見る「人生を経た作り方」ができるようになった気がします。そんな変化をリスナーの皆さんにも感じて頂けたら幸いです。

Comment by 関口シンゴ

今作『Glimmer』はOvall初の両A面アルバム。静と動のグラデーションの中に今のOvallの音楽の居場所があるように思う。最近の制作過程はなるべく予定調和を避けて、一人ひとりの持つイメージを純度高く取り出し、そこに各メンバーが思い思いに色をつけていくような感覚。その縛られない自由さや、作ることへの純粋さが伝われば嬉しいなと思う。
自分たちで聴き返してみても今作の曲はどれも色味が違ってバラバラだが、まとまると不思議とOvallの色になっている、と我ながら思う。それはOvallが最初から3人の独立したソロアーティストの集合、というところからスタートしていることを改めて表しているように思う。
遠くにぼんやりと見える光の方へ各々好きなように歩いていく。決められているのはそれだけだが常にお互いの姿は見えている。そんな旅の仕方でしか作れない雰囲気が、この作品には漂っているかもしれない。