「FIFAワールドカップ2026」が6月12日(日本時間)、開幕した。
アメリカ・メキシコ・カナダ各地で1カ月強にわたり試合が行われるが、各開催都市では酷暑が予想されており、国際機関や研究者たちは、気候変動がワールドカップに及ぼす影響について警鐘を鳴らしている。
気象アトリビューション研究の国際イニシアチブ「World Weather Attribution」の分析結果によると、ワールドカップの全104試合の4分の1が、
ワールドカップに出場するサッカー選手からも、気候変動対策をめぐり声があがっている。このまま人類が必要な対策をせずに気候変動の影響が広がれば、屋外でサッカーが楽しめない未来さえあり得るからだ。
ワールドカップの事前合宿地で調整する日本代表の選手たち=6月6日、メキシコ・モンテレイ米国での前回大会と比べ暑熱リスク約2倍に。人間活動による気候変動の影響
ワールドカップの暑熱リスクに関する分
5月に公開した分析では、全試合(104試合)のうち、
米国で前回、ワールドカップが開催されたのは1994年。当時と比較すると、人間活動による気候変動の影響で、極端な暑熱リスクが約2倍に高まっているという。
選手の健康やパフォーマンス、サポーターたちの安全性に懸念
ワールドカップ開幕戦となった、グループリーグA組のメキシコ代表と南アフリカ代表の試合=6月11日、メキシコシティ酷暑はサッカー選手の健康や安全、パフォーマンスにも大きく関わってくる他、スタジアムで応援するサポーターたちの安全性にも懸念を及ぼす。
サポーターたちは試合開始前から危険な高温の中で列に並び、スタジアムの座席で待機し、試合終了まで数時間も高温の屋外にいることになり、熱中症などのリスクが高いと指摘されている。
地域別で見ると、マイアミ、フィラデルフィア、カンザスシティ、メキシコの各開催都市などは試合実施時、危険な暑さに到達すると予想されている。
7月19日(現地時間)に米・ニュージャージーで開催予定の決勝戦も、危険な高音の中で実施されるリスクが高い。
この分析結果に対し、英インペリアル・カレッジ・ロンドンの気候科学教授、フリーデリケ・オットーさんは「決勝戦が『中止水準』の暑熱下で行われるという無視できないリスクを抱えている。この事実は、FIFAとファンにとっての警鐘となるべき」とし、こう指摘している。
「私たちの研究は、北半球で夏にワールドカップを開催することが可能かどうかと考えた時に、気候変動が大きな影響を及ぼしていることを示しています。1994年のワールドカップは、今の多くの大人にとってそれほど遠い過去には感じられないかもしれません。しかしその後の32年間で、人間活動による気候変動の半分が起きてしまいました。
今こそ、気候変動の影響を受けない社会はもはや存在しないということを認識する必要があります」
気候変動の影響で夏場の猛暑が各地で大きな問題になる中、2024年に開かれたパリ五輪でも、酷暑の中で競技に挑む選手たちから不安の声が上がっていた。
「子どもたちや愛するスポーツを守るために」代表選手も対策呼びかけ
「(W杯2026は)選手やファン、皆にとって非常に暑いものとなる。以前と比べ、ますます気温が上がっています。でも、それは偶然ではありません。これが気候変動です。石炭、石油、ガスなどの化石燃料を1世紀以上燃やし続けてきた地球は、温暖化しています。それが大気中に熱を閉じ込めるのです。そして今、私たちはそれをあらゆるところで感じています。
サッカーを愛する人々が極端な暑さのような気候変動から守るために声を上げれば、それは大きな転機となるでしょう」
アメリカ代表選手のマリク・ティルマンさんも、UNFCCCが行ったインタビューの中で、「昨夏、(北米で)行われたゴールドカップでは高温の中で試合が行われ、プレーをするのは簡単ではなかった」とし、選手として、年々上がっていく気温の中でプレーする大変さを語っている。
インタビューで気候変動の影響について語るマリク・ティルマンさん同じくサッカー選手の兄、ティモシー・ティルマンさんがプレーする米・ロサンゼルスで昨年発生した大規模な山火事にも言及し、「以前にも増して頻発している山火事が、気候変動の影響だということは知っている」と危機感を募らせた。
さらに、出身地のドイツ・ニュルンベルクでは、兄や友人と路上でサッカーをしたのが幼少期の一番の思い出だとし、「人として、未来の世代も同じような思い出を作れるように、そして子どもたちと私たちが愛するスポーツを守るためにも、適応していかなければならない」と呼びかけている。
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